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2月末に発表されたアカデミー賞で、助演男優、女優賞を共に受賞し、また作品賞、監督賞、脚本賞を始めとする6部門にノミネートされた作品とうことで、楽しみにしていた一本です。

しかし、昔だったらほとんど観る事のなかったボクシング界の映画って意外とたくさんありますよね〜しかもスポーツ映画というよりヒューマンドラマに焦点を当てたものが多いのも面白いなと思います。それだけドラマティックな人生を歩んでいる人が多いということでしょうか。やはりチャンピオンになるような人たちは半端ない努力とチャンスを掴む可能性に挑んできたわけですものね。

実話は説得力があるといつも思いますが、もしこれがフィクションだったら「ちょっとしつこい?」と思えるほどの家族の絆も納得してしまうところが凄いですよね(笑)。正直なところ、途中、自分たちの思うようにミッキーを動かそうとする母親や姉妹たちには嫌悪感を覚えましたが、それも相手を思えばこそ行き過ぎになりやすく、最後にはお互いに分かり合えるというのが家族ならではで、どんなに意見の食い違いがあったり喧嘩になっても、翌日にはケロっとしている、なんて話は自分の回りでもよくあることです。(^O^;

兄が弟を頂点に上らせる為に、自らも惜しみない協力をするという話は、(その後の話は別にして)若貴兄弟を思い出しましたが、ボクシングでも最近はめっきり大人しくなった(笑)亀田兄弟などもいるし、やはり生まれたときから兄弟でありながらもライバルである関係というのは、他人同士では生まれない何かがあるのでしょう。
 
この物語の兄ディッキーは自分の挫折からハチャメチャな生活に成り下がりながらも、弟に対する思いや自分の果たせなかった夢を託す気持ちは、やはりライバルでありそれ以上に一番の同志であるという強い絆の現われなのでしょうね。

そんなディッキーの力を頼りにしつつも、あまりに生活が乱れていることにあいそを尽かしたミッキーは恋人や父親らと共に、他の家族との縁を切って新たに自分だけでボクサーの道を歩もうとするのですが・・・

映画としてのまとまりや脚本がいいですね〜全く飽きさせない展開で、クライマックスの持って行き方もラストは解かっていながらも魅せてくれますね。

そしてやはりキャストが素晴らしい!オスカー受賞のクリスチャン・ベール「マシニスト」の時を思い出すほどの激痩せぶりですが、ボクサーとしての肉体的な減量だけでなく、薬による異常な精神的な不健康さも表情やしゃべり方によく現われていて、目の離せない演技でした。後頭部の髪の毛や歯を抜いたりしたそうで、役への執念が感じられますね。兄ディッキーの持つ家族への思いは、息子への眼差しでも感じることができました。

同じく助演賞を受賞した母親アリス役のマリッサ・レオも授賞式の時とは別人のようですね。無理やり若作りをして少し情緒不安定の変わった母親だけど、9人もの子どもを産み育てた女の意地のようなものがあるのでしょうね。

同じく助演賞にノミネートされていたミッキーの恋人シャーリーン役のエイミー・アダムスもこのところぐんぐん力をつけて、もう「魔法にかけられて」のお姫様からは完全に脱却できたように思います。(^^ゞこのシャーリーンもアリスに負けず劣らじの強い女性ですね(笑)。ミッキーを愛する気持ちはアリスと同じなのでしょう。また自分も挫折した人生だったということを認めているからこそ、ミッキーには成功して欲しかったのかもしれません。エイミーは今後も楽しみな女優さんです。

この中で、主演のミッキー役を演じプローデュースにも加わっているマーク・ウォールバーグだけはオスカーにノミネートされませんでしたが、以前ノミネートされた「ディパーテッド」の時のような熱い役とは異なり、かなり押さえた演技を見せています。ミッキーはおそらく気性の激しい兄やたくさんいる姉妹たちの影に隠れるように育ったのかもしれませんね。そんないつも影で我慢しながら他の兄妹たちを見ているようなミッキーが、シャーリーンという恋人に出会い、初めて自分の意思を家族にぶつけるようになる過程など、爆発するような過激さはなくとも十分に伝わったと思います。ベールほどではないけれど、怪我で休んでトレーニングができなかった時と試合前の体つきは別人ようでしたね〜ボクシングに関しては相当の訓練をしたそうですが、迫力のある試合のシーンは圧巻でした。

どうしても、個性的で感情を外に出す役柄の方が目立つので、この映画でもクリスチャン・ベールが圧倒的な注目を浴びていましたが、ジョニーとレオの「ギルバート・グレイプ」がそうであったように、静と動の対照的な人物がいるからこそ、またその演技が光るというのもあるような気がします。もちろんベールの演技は申し分なく素晴らしかったですけどね。それこそ「ダークナイト」のバットマンの時(ヒース・レジャーのジョーカーが相手)とは逆になったわけですね(笑)。

他では同じ静の演技だと、一歩引いたところから妻アリスや兄弟たちを見守るようなディッキーにとっては義父となるジョージも印象的でした。このお父さんの一家での役割は素晴らしいです。ジャック・マクギーは実際のジョージとよく似ているとか(先日TVの映画解説でやってましたよね(笑))。

舞台となるマサチューセッツ州のローウェルという街や、アイルランド系であることの背景などを知っていると、もっと深く楽しめるのでしょうね。しかしそれらを知らずとも、ヒューマンドラマとして充分堪能できる作品だったと思います。いい映画でした♪
 
原題:THE FIGHTER
上映時間 :116分
製作国 :アメリカ
公開情報 :劇場公開(ギャガ)
初公開年月 :2011/03/26
ジャンル :ドラマ/伝記/スポーツ
映倫: PG12

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頂点へ。

監督: デヴィッド・O・ラッセル
脚本: スコット・シルヴァー、ポール・タマシー 、エリック・ジョンソン
音楽: マイケル・ブルック

出演:
マーク・ウォールバーグ (ミッキー・ウォード)
クリスチャン・ベイル (ディッキー・エクランド)
エイミー・アダムス (シャーリーン・フレミング)
メリッサ・レオ (アリス・ウォード)
ジャック・マクギー (ジョージ・ウォード)

【解説とストーリー】
 「ディパーテッド」のマーク・ウォールバーグが自ら製作・主演を務め、実在のアイルランド系ボクサー、ミッキー・ウォードの波瀾のボクシング人生を映画化した伝記ドラマ。ミッキー・ウォードとその兄でかつての名ボクサー、ディッキー・エクランドが数々の挫折を乗り越え、二人三脚で再起を目指す中で家族の絆を取り戻していく姿を、迫真のボクシング・シーンとともに綴る。ディッキー・エクランド役は「ダークナイト」のクリスチャン・ベイル。共演に、メリッサ・レオ、エイミー・アダムス。監督は「スリー・キングス」「ハッカビーズ」のデヴィッド・O・ラッセル。アカデミー賞では、クリスチャン・ベイルとメリッサ・レオが本作での熱演でみごと助演賞部門のダブル受賞を果たした。
 アメリカ、マサチューセッツ州。低所得者の労働者階級が暮らす寂れた街、ローウェル。兄ディッキーは、一度は天才ボクサーとしてスポットライトを浴びたもののドラッグで身を持ち崩してしまい、今ではあのシュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったというかつての栄光にしがみつくだけの荒んだ日々を送っていた。一方、対照的な性格の弟ミッキーもボクサーとして活躍するが、自分勝手な兄とマネージャーでありながらマッチメイクに無頓着な母アリスに振り回され連敗続き。ミッキーの新たな恋人シャーリーンは、悪影響ばかりの家族から離れるべきだとミッキーを説得するが…。
(allcinemaより)
 

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この映画まだ観てませんけど、マーク・ウォールバーグももっと評価されてほしいですね〜。
やっぱりスポーツものというよりは、ヒューマンドラマなのですね。
しかもめっちゃ濃そうですね。 んん、観てみたいところです。

2011/4/5(火) 午後 5:34 サムソン

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大家族ばんざいのボクシング映画でした。
トレーナーのオキーフさんは本人出演とのこと。

2011/4/5(火) 午後 7:41 GH字幕

「ちょっとしつこい?」わかります(笑)
実話なのでこういうのあるあるって思いましたが作ってるとしたらちょとぉ〜って思ったと思います。
役者さん達ほんと皆さんお上手で…オスカー納得でした。
TBお願いします。

2011/4/5(火) 午後 9:17 ひかり

真に強烈なご一家でしたね!
恋人にせっつかれても、母や兄弟姉妹になんにも言えないミッキー。
リアルでした。男の子ってあんな感じ!というのが十二分に伝わりました。TBさせていただきます☆

2011/4/6(水) 午前 9:43 風森湛

公開がないと思いましたが、今日劇場に行ったら5月末ぐらいに遅れて公開予定との情報が書いてありました♪
前から観たかった作品なので、嬉しいです!!
役者さんの演技が楽しみ(*^▽^*)

2011/4/6(水) 午後 4:15 れじみ

これも面白かったですね〜。兄弟愛につい涙でしたが、確かにこれが実話でなかったら、しつこいって思ったかも(笑)
「静と動の対照的な人物がいるからこそ、またその演技が光る」ってほんとに納得!ベイルは「T4」でも「ダークナイト」でもいつも主役ながら脇役においしいところを持って行かれていたので、かわいそうでしたもんね。ほんと今回は真逆で賞まで取れて良かったですよね〜。あ、思えばあの授賞式のスピーチ。なんかいつもと違うなあと思ったらまだディッキーな感じが抜けてなかった気がしました。ただ興奮してただけかもしれませんが(笑)記事にしたらまたきます!

2011/4/8(金) 午前 9:51 + kuroneko +

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★サムソンさん、なぜかボクシング映画ってヒューマンドラマが多いですよね。華やかな試合の裏にある努力や苦労がドラマティックなのでしょうね。
マーク・ウォールバーグの静かな演技も印象に残ります。
いい映画でしたよ〜感想お待ちしてますね!

2011/4/8(金) 午後 9:21 choro

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★GH字幕さん、トレーナーのオキーフさん、そうでしたか。
しかし凄い家族でしたね〜(笑)それでも家族は家族。結局はお互いに思っているんですね。
TBありがとうございました♪

2011/4/8(金) 午後 9:23 choro

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★ひかりさん、実際にもし連れ合いにあのような家族がいたら・・・結婚しないと思います。(^O^;
でも、シャーリーンは逃げなかった!そこが彼女の魅力ですね。
見応えのある映画でしたね。満足でした〜♪
TBありがとうございます。

2011/4/8(金) 午後 9:25 choro

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★かざもりさん、ホント、強烈でしたよね〜(笑)
確かにあの兄姉妹の中の次男じゃ何も言えないかもしれませんね(笑)。
そんな家族のリアルな物語でしたね。
TBありがとうございます♪

2011/4/8(金) 午後 9:27 choro

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★れじみさん、これはよかったですよ。
どうぞ楽しみにお待ちになってくださいね♪(^^)

2011/4/8(金) 午後 9:28 choro

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★くろねこさん、そうなんですよね。ベールは今まで結構損な役回りだったので、これで爆発したって感じかしら(笑)。
キャストも皆よくて見応えのある映画でした♪

2011/4/8(金) 午後 9:29 choro

ジョージは、本人に似ていたのですか〜。へえ、比べて観てみたいなあ。もうやっと記事にしました(^^ゞTBさせてくださいね!

2011/5/8(日) 午前 0:03 + kuroneko +

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★くろねこさん、似てるみたいですよ〜(笑)
実話はそういう裏話も面白いよね。(^^ゞ
TBありがとうございました♪

2011/5/9(月) 午後 9:17 choro

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クリスチャン・ベールの熱演には、驚きとともに新鮮さを感じました。
マーク・ウォールバーグの素朴なと言うか、良い人を演じていたからこそ、クリスチャン・ベールが光りましたね。
ヒューマンドラマとして、とても面白かったと思います♪
TBお願いします(^^)

2011/6/2(木) 午後 11:24 やっくるママ

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★やっくるママさん、そそ、マーク・ウォールバーグとの対比がよかったですね。二人ともさすがでした。
これはヒューマンドラマですよね。見応えがあって楽しめました。
TBありがとうございます♪

2011/6/4(土) 午後 8:18 choro

やたら女性が強い映画ですね^^;笑
こんな家に生まれたら男は大変だなぁと思いました…。
役者さんの演技はホントに素晴らしかったです!!
個人的にはオスカーを受賞した2人より、エイミーが印象に残りました♪

2011/11/22(火) 午後 7:05 れじみ

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★れじみさん、あはは、確かにそうですね〜女性軍は強かったです!(笑)
エイミーもすっかり演技派になりましたね。もう「魔法にかけられて」のお姫様の印象は薄らいできました。(^^)

2011/11/28(月) 午後 8:09 choro

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前半は私も、あまりのモンスター家族に、ミッキーが潰されてしまうんではないかとヒヤヒヤしながら見てました(^^ゞ
ラストは家族団結してこそのっていうのが良かったです!
マークは続編も考えてるらしいですね(^_^;)
TBさせてくださいね。

2012/6/12(火) 午前 8:56 木蓮

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★もくれんsなん、家族ってやはり他人には入ることのできない絆がありますよね。
そそ、マークは続編もと言う話私も聴きました。興味津々ですね。
TBありがとうございます♪

2012/6/16(土) 午後 1:11 choro

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