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ウディ・アレンは御年78歳。それにもかかわらず、精力的に毎年のように新作を発表するのには頭が下がります。私は比較的最近の作品しか観ていないのですが、レトロ感あふれるタイトルロールは今も変わらず、「あ〜ウディの映画が始まるな」と期待させられるんですよね。(笑)

ファンタスティックなものやシニカルな大人のコメディの多いウディ作品ですが、本作もコメディのジャンルにはなっているものの、今回はかなり痛みを感じる、ある意味重い映画でしたね。

解説などで、「欲望という名の電車」を彷彿させるとありましたが、確かにそのとおりで、とにかく主人公のジャスミンは客観的に見ると、自己中で過去の虚栄心を捨てることができない愚かな女性。しかし、その心の奥には、里親に育てられたという過去や、自分への過信、裏切りから来る他人への不信感などが渦巻き、強烈な孤独感を持っていることがわかります。

同じ里親に育てられた妹のジンジャーは対照的に、与えられた境遇の中で正直にそれなりに生きていくタイプ。時に羽目をはずすことがあっても、基本的な強さを持っている女性です。たくましいというか。

ジャスミンは、自分のことを賢い人間だと思っているけれど、実は不器用で鈍感なんですよね。夫が浮気をしていたことも、結局は自分だけが最後まで気づかなかったわけだし、思慮深さに欠けるがために、簡単にばれるような嘘をついたりします。

しかし、現実を受け入れられなかったり、過去の栄光にすがるというのは誰もが持つ危うい心でもあるので、余計に彼女が自分を見失う姿を見ているとせつなくなるんですよね。

独り言を繰り返したり、他人に自分のことをペラペラと話すというのは、結局は孤独感から来ているのでしょうか。元は違う名前であったのに、全編通してしつこく「自分の名前はジャスミン」と言い続けるのは、一人でしゃべるのと同じく、自分の存在を相手に尊重してもらいたいがためなのかもしれませんね。

生きるための支えがなくなった時、人は心のバランスを崩すのだと思いますが、心配なラストシーンの行く末に、彼女にとって本当に信頼できる誰かが表れてくれることを祈るばかりです。

しかし、ウディの脚本はさすがですね。ラスト近くの謎解き的な展開には驚きました。う〜ん、そうだったのかと、小さなショックを受けましたから。現在と過去が交互に描かれる手法は、最初のうちはとまどうけれど、慣れればそれほど混乱することなく観れるし、私は好きな手法なので違和感はありませんでした。

とにかくケイトの演技はオスカー受賞も納得のすばらしさで、ブランドを身に着け美しく歩く姿と、心がどこかへ飛んでいっているようなうつろな表情の姿とでは、同一人物とは思えぬ落差があり目が離せませんでした。

同じ英国の女優のサリー・ホーキンスが妹役というのも楽しみでしたが、こういう役のホーキンスは初めてだったのでとても興味深く観れました。初めて彼女を観たのはTVドラマの「荊の城」で、一度で覚えた女優さんでした。まだ少女っぽさが残っていたあの頃に比べてすっかり大人の役がこなせる素敵な女優になりましたね。

ジャスミンを騙す夫のハルを演じたアレック・ボールドウィンは、「ローマでアモーレ」に続いてのウディ作品でしたが、まぁこの役はねぇ。。(^▽^;) このところコミカルな役が続いていたので、久々にらしい感じだったかも。(笑)

もう少し年齢が上になるとそのハルを演じられるのではというくらい、ちょい悪役も多いピーター・サースガードは普通の人の役でした。(笑)しばらく見ないうちにちょっとトシとったかなぁ。。。(^^;

ジンジャーの恋人役のボビー・カナヴェイルはお初でしたが、インパクトのある役でしたね。この人、声がいいですね。(笑)

相変わらず音楽の使い方が洒落てますね。長さもいつもながらコンパクトサイズで、本当に昔の映画を彷彿させる作りは、返って現代だと新鮮さがあるのかも。なんだかんだ言いつつもウディ作品からは目が離せません。

原題:BLUE JASMINE
上映時間:98分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(ロングライド)
初公開年月:2014/05/10
ジャン:ドラマ/コメディ
映倫:G

≪コピー≫
虚栄という名の花

監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム、エドワード・ウォルソン
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
プロダクションデザイン:サント・ロカスト
衣装デザイン:スージー・ベンジンガー
編集:アリサ・レプセルター

出演:
ケイト・ブランシェット・・・ジャスミン
アレック・ボールドウィン・・・ハル
ルイス・C・K・・・アル
ボビー・カナヴェイル・・・チリ
アンドリュー・ダイス・クレイ・・・オーギー
サリー・ホーキンス・・・ジンジャー
ピーター・サースガード・・・ドワイト
マイケル・スタールバーグ・・・ドクター・フリッカー
マックス・カセラ・・・エディ
オールデン・エアエンライク・・・ダニー

【解説とストーリー】
ウディ・アレン監督が初顔合わせとなるケイト・ブランシェットを主演に迎えて贈るシニカル・ドラマ。富豪との結婚生活が破綻し、妹のアパートに身を寄せどん底からの再出発を図る中年女性が、セレブ生活が忘れられず惨めな悪あがきを重ねては身も心もすり減らせていくさまを辛辣に描き出す。共演はアレック・ボールドウィン、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード。
ニューヨークでのセレブ生活が崩壊し、妹の住むサンフランシスコへとやって来たジャスミン。質素な生活を送る妹の厄介になりながらも、虚栄心が捨てられずに周囲にまるで馴染めない。おのずと精神もますます疲弊していく。それでも華やかな生活を諦めることができず、再びセレブな舞台への返り咲きを期して躍起になるジャスミンだったが…。(allcinemaより)

閉じる コメント(6)

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見るまでは記事を拝見しないでいました
ケイトは壊れていく女性、上手かったですね。対象的な妹も中々だったと思います。
TBさせてくださいね。

2014/5/16(金) 午前 11:41 アンダンテ

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★andanteさん、ケイトはさすがに素晴らしい演技でしたね。
重いテーマなのにシニカルな笑いをまじえた描き方はウディらしく面白く観れました。
TBありがとうございます。

2014/5/29(木) 午後 4:43 choro

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ウディ・アレンは78歳ですか、死を意識しての多作なんでしょうか。この映画も面白いですね。それにしてもケイト・ブランシェットは凄いの一言です、さすがですね。TBさせてくださいね。

2014/10/13(月) 午後 10:19 シーラカンス

こんにちは♪この日曜にやっと鑑賞できました。
コメディなんでしょうけれど笑えませんでした〜(汗!)。
痛々しいと言うか、ブランシェットの表現力は流石ですね。
ジャスミンに幸あれ!と思いつつ、自分が変わらなきゃダメだな〜。
TBさせてください♪

2014/10/14(火) 午後 4:35 風森湛

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★シーラカンスさん、本当にウディのこのところの活躍は凄いですよね〜確かに年齢的なことも関係あるのかもですね。
ケイトの演技はさすがというか凄い熱演でした。
しかし痛い映画でしたね〜(^^;
TBありがとうございます。

2014/10/16(木) 午後 8:46 choro

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★しずかさん、笑えないというのわかります〜
あまりに痛々しい。。。
でも、いろいろと考えさせるところはウディの腕ですね。
TBありがとうございます。

2014/10/16(木) 午後 8:47 choro

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