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2015年にNYのリンカーンセンターシアターで渡辺謙が「王様と私」に主演すると聞いた時は驚くと共に嬉しかったですね〜そしてなんとトニー賞のミュージカル部門主演男優賞にまでノミネートされ、さらに驚きました。
作品は最優秀リバイバル作品賞や今回モアンナを演じたケリー・オハラが主演女優賞を受賞するなど、当時から話題の作品でしたが、2018年にロンドン、ウェストエンドでまたこの二人で再演されたのは記憶に新しいです。今年の春のローレンス・オリビエ賞にもノミネートされた謙さんですが、とにかくNYで上演された時から、いつか日本でも謙さんの王様が観れたらいいなとミュージカルファンは誰もが思っていたことでしょう。それが、ウェストエンド版の引っ越し公演という最高の形で今回日本で上演されたことは本当に嬉しく、春にチケットが売り出されると同時にゲットして楽しみにしておりました。
映画はもちろん何度も観ておりますが、舞台もずいぶん昔に2度ほど日本版を観ています。まだ松本幸四郎(現白鴎)が王様をやっていた頃ですね。アンナは初回が草笛光子で2回目がヅカ時代からファンだった安奈淳でした。ところどころ記憶は残っているものの、何しろ30年以上昔なのでさすがに細かなところは忘れており、今回のウェストエンド版と比べることはできませんが、楽しめたのを覚えています。
さて、今回は何と言っても謙さんの王様はもちろんのこと、ケリーさんのアンナが楽しみでした!ケリーさんは一度「トニー賞コンサート」で来日した時に生で聴くことができて感動でしたが、グランドミュージカルの舞台丸ごとで観れるとは本当にありがたい!(笑)コンサートの時に聴いた声の素晴らしさは忘れられません。
今回も観て、やはりこの方はジュリー・アンドリュースと似たタイプの女優さんですよね。品のある佇まいや、正統派の美声はジュリーに似ていると思います。だからというわけではないけれど、このような家庭教師の役もピッタリ!英国人でありながら、夫を亡くしてからもアジアで子どもを連れて仕事を続けるしっかりとしたアンナの強さがよく出ていました。当時としては画期的な女性像ですね。それでいて暖かな柔らかい声で奏でる歌は心地よく本当に素敵なミュージカル俳優さんです。さすがトニー賞受賞者!!
対する謙さんですが、歌の人ではないので歌はともかく(笑)、今回初めて生で謙さんの演技を観てそのうまさに驚きました。スクリーンやTVでしか観たことがなく、もちろん映画でもオスカーにノミネート経験もあるくらいですから上手いのはわかっていましたが、生の舞台の演技はやはり違いますね。ビジュアルが王様にピッタリなのももちろんですが、西洋諸国から見下されているのではと不安を持っていることや、それでも自分は進歩的で英国にも負けていないと自負する気持ちなど心の揺れがよく表れていたし、何と言ってもラストの臨終のシーンは圧巻です。なるほど、トニー賞やローレンス・オリビエ賞にノミネートされたのも納得の演技でした。ユル・ブリンナーに引けをとらない素晴らしい演技だったと思います。本当に生で観れてよかったです!
そんな主演二人の素晴らしさに加え、王の第一夫人であるチャン夫人を演じたセザラー・ボナーも素晴らしかったですね。やはり声が抜群で落ち着いたチャン夫人にピッタリでした。
ビルマから王に貢物として派遣されたタプティム役のキャム・クナリーも綺麗でよく合っていました。「アンクル・トムの小屋」のシーンは日本版の時も印象に残りましたが、かなり長い劇中劇だけど見所ですね。あらためて観るとタイのダンスの振付が上手く使われた民族色の高いダンスでよくできたシーンですね。振付のジェローム・ロビンスはさすがです。タプティムの恋人ルンタ役のケイヴィン・パンミーチャオは、ごめんなさい、もう少し二枚目だったら言うことなかったかも。(^^; 若手男性俳優の演じる主要キャストなのでもし日本でやるとしたら、きっと若手のイケメンスターを持ってくるのではと思いますが(笑)・・・あくまで個人的な感想です。(^^;
王の片腕であるクララホム首相役が大沢たかおだったのも嬉しかったですね。大沢さんがロンドンでも演じていたのは知っていましたが、王様のセカンドキャストにもなっていて、確かウェストエンドでは王様を演じる機会もありましたよね?英語のせりふも自然でとても威厳のある首相役にピッタリでした。ちょっと王様役も観たいかも。。。(笑)
子役ちゃんたちは日本の子どもたちでしたが、皆英語で頑張ってました。演技も上手だし今の子役は本当に上手ですね。
舞台がアジアだけに、アジア人俳優が大活躍できる作品で、今回もたくさんのアジア系俳優が活躍していたのはブロードウェイミュージカルとしては珍しいし、最近では当たり前になりましたが素敵なことだなと思います。映画ではタイ人の役を白人が結構演じてましたよね?(^^;
とにかくこの時代のミュージカル音楽は明るくて耳慣れたものばかり。リチャード・ロジャースの曲は本当に綺麗で心地よいです。ストーリーも映画ではラストの王様の臨終がえらく唐突に感じたのですが、今回の舞台版を観ると、ちゃんとなぜそうなったのかの理由がはっきりとわかりました。
今ではクラシックミュージカルとなりつつある本作ですが、何度もリバイバル上演されているということは、やはり現代にも通ずるところのある人間の友情や家族愛などが描かれているからでしょうね。
生のオケも重厚だったし、とても素敵な引っ越し公演でした。とにかく渡辺謙とケリー・オハラの主演で日本でやってくれたことに感謝です!
この作品、日本では最近は地方公演はありますが、帝劇や日生ではやってませんよね。王様役も松健さんや高島さんがやっていたのは知っていましたが、その後やってませんね〜
できたら、日本語で謙さんの王様が観たいのですが、さすがにお忙しい謙さんだから無理なのかな〜?今ならアンナを始め他のキャストもかなり期待できるので、また東京でも上演があるとよいのですが。
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