choroねえさんの「シネマ・ノート」

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「サンキュー・スモーキング」「JUNO」の監督さんなんですね。現代における社会の身近な問題をコメディタッチでかつシニカルに上手く映画に反映させた作品作りに定評がありますが、本作ではなんともタイムリーというか、不況下におけるリストラ宣告人という痛い仕事を担う男性が主人公です。
 
こういうお仕事もあるんですね〜会社として成り立っているということは、アメリカではかなりポピュラーなお仕事なのでしょうか。日本だと会社の人事部が辛い思いをしながらやっている仕事だと思うのですが、会社の人が手を汚さずに外の人を雇ってやらせるというところが、またいかにもアメリカ的ですね。^^;
 
このリストラ宣告を仕事とするライアンは1年のうちのほとんどを出張で過ごすため、モノを持つことに執着がなく(閑散としたマンションの部屋から想像できます)、それは人生においても同じで、バックパックに入らないものは持たない主義。常にスマートで無駄のない身のこなしとコンパクトなスーツケースだけで広いアメリカ国内を飛行機で飛び回る毎日を送っています。
 
あまりに飛行機に乗る回数が多いので、当然のごとくマイルも貯まり、それを貯めることが唯一の楽しみのようなライアンですが、同じように出張ばかりしているアレックスというキャリアウーマンと会社の新人ナタリーの二人と知り合ったことで、少しずつ彼の人生が変わってくるんですね。
 
アレックスとは自分と同じような考えであることから意気投合し、割り切った大人の付き合いを始めますが、彼女と一緒に出席した妹の結婚式で起きたことや、新人教育のため出張に同行したナタリーから彼女との関係や人と人との関わり方について指摘されたことから、アレックスのポリシーは微妙に揺れ動き出します。。。
 
彼が宣告するリストラ対象者たちが、皆口をそろえて家族のことを語るのが印象的ですよね。そして結婚していないアレックスが妹の夫に結婚について説得するシーンはいいですね〜アレックスは自分で言ったことで自分が気づかされたのではないでしょうか。
 
また、解雇通告をネットでやることを提案したナタリーに、人と人との繋がりを気づかされるというのも皮肉なもので、その彼女のおかげでやはりこの仕事は対面でやることが望ましいこと(出張しながら仕事をする)を再認識し、自分の人生もバックパックに少しはモノを入れていいのではないかと思い始めるところは、面白い展開ですよね。
 
私のようにモノが多すぎて何とかシンプルライフにしなくてはと日々もがいている人間から見ると、こういう小さなバックパックのみの生活はある意味憧れでもあるのですが(笑)、やはりモノがあるのは生活感があるということで、多すぎるのも考え物ながら何もかもを切り捨てるような人生というのは味気ないような気がします。ほどほどにモノや人に囲まれた生活が一番なのでしょうね。(^^)
 
この映画ではライアン自身の今後がどうなるのかはわかりません。しかしパンフによると原題の「UP IN THE AIR」『空の上』の意味の他に『まだ何も決まっていない』という意味があるそうで今後の人生が白紙であることを表しているようです。そういえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」でもラストに博士がそんなことを言ってましたね〜(笑)
 
ジョージ・クルーニーは最初は自信たっぷりにかっこよくバリバリと仕事をこなす姿を、また後半は次第に孤独感を募らせ、ラスト近くのシカゴのシーンと機上でサム・エリオット扮する機長と話すシーンでは寂しさがにじみ出ていて、さすがにオスカー候補になる演技でしたね。しかしこういうパリっとしたビジネスマンが似合いますね!今の彼の年齢だからこそ出せる内面がよく伝わってきました。(^^)
 
印象に残ったキャストとしてはライアン役のヴェラ・ファーミガがとても素敵でした。クールで大人でこの役によく合ってましたね。ナタリー役のアナ・ケンドリックと共にオスカー助演女優賞にノミネートされたのも納得です。アナもナタリー自身の成長がとてもよくわかる熱演だったと思います。
 
脇では「JUNO」のジェイソン・ベイトマンや、「噂のモーガン夫妻」で観たばかりのサム・エリオット、そしてやはり「JUNO」でパパの役だったJ・Kシモンズなどが短い出演時間ながら印象づけてくれました。
 
この脚本は世界同時不況が起こる前に書かれたそうですが、公開された今はあまりに現実感あふれる内容で笑うに笑えませんよね。ネットで面談とか今と言う時代の暗の部分と、それと対照的に人間らしさのみつめ直しのようなものを上手く描いたいい映画でしたが、ものすごく大きな感動とかは期待しない方がいいかも。個人的には観終わった後の印象は意外と淡白な感じでした。(^^ゞ

 
原題:UP IN THE AIR
上映時間:109分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(パラマウント)
初公開年月:2010/03/20
ジャンル:ドラマ/コメディ

《コピー》
あなたの“人生のスーツケース”
詰め込みすぎていませんか?

監督: ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
脚本: ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー
音楽: ロルフ・ケント

出演: ジョージ・クルーニー(ライアン・ビンガム)
     ヴェラ・ファーミガ(アレックス・ゴーラン)
    アナ・ケンドリック(ナタリー・キーナー)
    ジェイソン・ベイトマン(クレイグ・グレゴリー)
    ダニー・マクブライド(ジム・ミラー)
    メラニー・リンスキー(ジュリー・ビンガム)
    エイミー・モートン(カーラ・ビンガム)
    サム・エリオット(フィンチ機長)
    J・K・シモンズ(ボブ)

【ストーリー】
 企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”の仕事で年間322日間も出張しているライアン・ビンガム。自らの講演でも謳っている“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに人間関係も仕事もあっさりと淡泊にこなし、結婚願望も持たず家族とも距離を置いたまま、ただマイレージを1000万マイル貯めることが目下の人生目標となっていた。だがそんな彼も、2人の女性と出会ったことで人生の転機が訪れる。ひとりは、ライアンと同様に出張で飛び回っているキャリアウーマンのアレックス。同じ価値観を持つ彼女とはすぐに意気投合し、互いに割り切った関係を楽しむことに。もうひとりは、将来を有望視され入社してきた典型的現代っ子の新人ナタリー。彼女は、ネット上で解雇通告を行い出張を廃止する、というライアンの立場を脅かす合理化案を提案、さらには彼女の教育係に当てられてしまう。しかしライアンは、そんな彼女たちと接していくうち、これまでないがしろにしていた人との“つながり”の大切さに気付かされていく…。(allcinemaより)

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