|
見直しのスケジュールは? ――国幹会議の廃止に関する法改正は、来年の通常国会に提出するのか。 馬淵 まだ何も具体的な日程も含めて指示をいただいていません。少なくともマニフェストに明示されている国幹会議の廃止を、大臣が表明されたと私は受け止めております。会議の廃止だけがすべての問題の解決策ではありません。トータルとしてプロセスをどうつくり上げるかが重要です。それを勘案しながら、国会提出時期も含め、三役、最終的には大臣のご判断、あるいは内閣においての判断を私どもは承っていくものと思っています。 ――国幹会議では、外環道などの整備や暫定2車線の4車線化を決めているが、今後どのように対応していくのか。 馬淵 大臣が表明されたのは、国幹会議での議決にはわが党も出席しているということで、議決そのものをなくす話ではないという発言をされたと私も理解していますし、大臣からもお話がありました。この国幹会議での議決というものをしっかりと踏まえながら、補正予算の見直しにもかかる問題ですので内容については申し上げられませんが、大臣の発言を踏まえながら、しっかりと見直しを図っていくという過程にあります。 ――道路を中心とした公共事業の評価の見直し、プロセスの見直しという中身は分かるが、基準をどのようなものにするのか。プロセスが固まった段階でいつ、どういった形でそれを示すのか。 馬淵 今は申し上げるものはないです。それを検討を始めたというところでしかないです。 ――ただ一方で、来年度予算、マニフェストを具体化する最初の予算をつくっていく中で、そこがはっきりと示されないと予算に分かりやすい形で政策に落とし込んでいくのは難しくなるのではないか。 馬淵 当然ながら、先ほど申し上げたように国幹会議を廃止をしてということでありますから、それに代わるものが必要になってくるわけです。自ずと時間というのが限られていくものになると思いますけれども、現時点において、いつどのタイミングでとかいうことを持ち合わせているわけではありません。 ――公共事業の評価手法の見直しについて、例えば道路の場合は3便益を使ったB/C(費用便益費)の計算が行われてきたが、この手法を変えようとしているのか、運用を厳しくしようとしているのか。 馬淵 私どもは国交省一丸となって、チームでいま改革を進めていこうということです。担当部局において検討を始めていただくということですから、私が予断を持って何かを発するということは、現段階ではするつもりはありません。 ただし、様々な幅広い検討課題を持って、つくり上げなければならないと思っていますので、一つひとつどうするのかは具体的にはお答えできませんが、私の頭の中には一定程度、こういう方向でというものは持ち合わせています。これは今、申し上げるわけにはまいりません。当局においてしっかりと検討していただきたい。検討して上がってきたものを、政務三役の中でしっかりと議論していきたいと思っています。 高規格幹線道路1万4000kmの整備は? ――高規格幹線道路を1万4000kmつくるという大方針はどうするのか。 馬淵 いま明確なことを申し上げることはできません。高速道路無料化は、道路は無料が原則だという考えに立った政策です。いまある有料道路の仕組みも含め、道路事業に対してどのような哲学を持たなければならないか。今後きちっと議論していかねばなりません。 昭和28年に有料道路法が制定されました。30年後には無料にしますよと言いながらも、全国料金プール制というものがつくられ、不採算な道路をつくり出してきた歴史があります。私は過去の歴史において、すべてが駄目だとは申し上げません。ただ、大臣がおっしゃった3原則、少子化、高齢化、そして財政の悪化。こういう状況の中で、新たな道路政策、新たな道路をつくる哲学をどこに置くべきか。 単に高速道路無料化という政策を実行するということではなく、道路行政、ひいては公共事業全般まで、しっかりと鳩山政権、前原大臣の下、形づくることがわれわれの使命であると思っております。 ――1万4000kmは当然、哲学が変わったので見直しの対象になると。 馬淵 何キロだとか、どこをどうだとか、具体的に申し上げることはできません。私は道路をどのようにつくっていくかということについては、まず抜本的な考え方を、今までの仕組みとは違う、延長上ではない中でつくっていかなければならないと思っています。 「陳情、政治家の力関係では決めない」 ――道路財源について、「本当の意味での一般財源化をしなければいけない」と大臣が発言した。副大臣は、今の一般財源化についてどういう問題があると思うか。 馬淵 2月の予算委員会の中でも、道路特定財源の一般財源化の最終の結果を見て、それらが本当に一般財源化として必要なところに振り向けられているのかという議論がありました。本来ならば、社会保障費、子育て、教育といった分野に振り向けるべきではないかと、われわれ民主党が主張してきた議論であります。 その意味でまさに、一般財源化された財源をどうするのかというのは、内閣の判断。内閣の意思にあるものですから、今後は前原大臣が閣僚の一員として、内閣の中でご発言いただけるものだと思います。私自身も予算委員会の中で、その提案を指摘したことがありました。本当に一般財源化したならば、徹底的な公共事業の見直しというものも行わなければおかしいとも指摘しましたので、問題意識は私自身も持っております。 私の担務は社会資本整備の分野でありますから、道路や河川や様々なその他の公共事業全般の中で、今までのように箇所付けで決まっている、陳情で決まっている、政治家の力関係で決まっているということが起きないようにする仕組みをどうつくるか。われわれ政治家がしっかりと主導してつくり上げていく、こういう決意です。 今後の公共事業の役割とは? ――公共事業と景気の関係で伺いたい。副大臣として公共事業の役割、あるべき姿をどのように考えているのか。 馬淵 確かに高度経済成長、戦後間もないころ、インフラが不十分だった時代において、公共事業というのは経済のけん引車、その動力となった部分であることはよく理解をしておりますし、またその効果というものもすべて私は否定するものではないと思っています。 21世紀、少子高齢化という人口減少社会、あるいは低成長、マイナス成長時代にも必要となる公共事業はどのようなものか。それが経済にどのような影響を与えていくかは、慎重に考えなければいけない。今までのように、ないところをどんどんつくっていく、あるいは開発していくという発想からは、今後は少し方向転換していくだろう。 「将来の維持管理費の増大に懸念」 職員の皆さん方へのごあいさつで申し上げたんですが、公共事業投資はまず一定程度までは減じていくことになりますが、しかしある年限を超えた段階からずっと恒常的に伸びていくという報告があるということを、私は非常に懸念しています。つまりGDPに占める一人当たりの公共事業費が、今後10年後、 20年後から増加の一途をたどる。 これはなぜか。いわゆる構造物といわれるものの耐用年数がまもなく、ほとんどすべてのものについて到来してくる。維持管理に莫大なコストがかかってくる。金融システムであれば、仕組みとして問題あるから変えましょうといった時に、仕組みを変えること自体にコストはそれほどかかりません。激変緩和措置というのは必要かもしれませんが。しかし、構造物を今後は維持管理の中で変えていこう、あるいは維持させていこうというところに目を向けると莫大(ばくだい)なコストがかかっていくんですね。 人命、あるいは安全という観点からも極めて重要な部分になるでしょうし、時には生活の質にまで影響を与えていく。水道施設なんて、まさにそうした施設だと思います。公共構造物、あるいは社会資本、インフラというものを、人口減少社会、低成長時代、マイナス成長もあり得る中で、われわれは維持管理手法をもってどのようにこれを図っていくかということについては、これからの公共事業のあり方としては極めて重要な論点だと思っています。 「国土の均衡ある発展からの転換を」 厳密な回答を持ち合わせているわけではありませんが、少なくともかつての建設省、あるいは運輸省が国土の均衡ある発展の中で行ってきた公共事業から、違った観点から公共事業のあり方に目を向けて転じていかなければならない。私は国土交通省のあり方というのは、こういうところにあるのではないかと思っています。 経済に関して言えば、公共事業は決してなくなるものではありません。一定程度の経済への寄与というものは、私は十分にあると思っています。ただ、それがすべてにおいてのけん引車となるかというと、はなはだ難しいかもしれない。他の成長産業、成長分野に対して、目を向けなければならない。これは前原大臣は常々おっしゃっていることでもありますので、こうしたところにも目を向けつつ、私は公共事業の必要性も含めて、所管担務の部分について政務三役の中でしっかりと議論させていただきたいと思っております。
|

- >
- 政治
- >
- 政界と政治活動
- >
- その他政界と政治活動




