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今日も、関東、東北を記録的な豪雨が襲っています。
ずいぶんと長く分厚い雨雲が日本列島にへばりついて離れません。
困ったものです。
そこで、はづかしながら、気候変動と日本酒について語るエッセイのよう
なものを掲載いたします。
ご参照までに。
酒米といえば山田錦だが,日本酒を作るのに欠かせないこの品種の生産に
地球温暖化が暗い影を落としている。
生育期に十度近い昼夜の寒暖差があることが質の良い酒米として育つのに
は必要とされるが、昨今の気候はこの条件を適いにくくしている。
温暖化の進展が、日本酒の醸造という、一つの象徴的な日本文化の中身を
変えてしまうかもしれないのだ。
「白玉の歯にしみ通る秋の夜の酒はしずかに飲むべかりけり」とは酒豪で知
られる歌人・若山牧水の和歌だが、ここに示された日本酒を通して語られ
る情緒も、変ってしまうのかもしれない。
平均気温が上がっても、対応したハードを整備し生活を維持していくこと
は可能だが、それはこれまでに伝えられて来た生活の中の文化を捨てるこ
とにもなる。
近頃、都市部を襲うスコールは「冷たい雨に打たれて街をさまよったの」
と歌う雨とはずいぶん赴きが違う。気候の変動は、自然環境に異変を呼ぶ
と同時に、自然との間で培ってきたわたしたちの情緒や文化を変質させる。
四季の移ろいに表現を仮託した詞章を持つ歌が次世代には伝わらない、と
いうようなことにでもなれば、それは悲しいことだ。
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