東アジアでの国際関係の悪化と日本政治の惨状 朝日新聞記者ブログより抜粋
私が帰国する前日の23日、北朝鮮が北緯38度線付近にある韓国の島を砲撃する事件が起きた。
ところが事件翌日24日の国会論議は、攻撃があった勤労感謝の日の休日の政府要人の行動がけしからんと自民党議員が、菅直人首相以下の民主党閣僚を盛んに攻撃。
菅首相が一報を聞いた後、3時間ほど公邸にいて、午後5時前になるまで官邸に駆けつけなかった。そのことが「けしからん」というのです。岡崎国家公安委員長が庁舎の執務室に駆けつけなかったことについて「委員長の職に値しない。辞めなさい」と言い放つ議員さえありました。
その中継を見ていて、約10年前、高校生の乗った漁業実習船が米原子力潜水艦に衝突、沈没した事件が起きたときに当時の自民党首相がゴルフを続けていたことが問題になったことを思い出た。
同じように今回、菅首相らがゴルフに興じていたというならともかく、菅首相はこの日、公邸におりました。「ずっとテレビをつけて警戒していました」といった説明の仕方はあまりに正直すぎて、もう少し緊張感を持ってよといいたくなります。ただ、それでも、質問に立った自民党の元外務副大臣が、この重要な日に、質問の時間の大半を使って「官邸はからっぽだった」と追究するほどのことなのか。
菅首相らはこの日夕方、新嘗祭の宮中行事に出席しましたが、自民党議員はそこにはまったく触れていません。「事件が起きたら何がなんでも官邸や各省庁に駆けつけるべきだ」という自民党議員の論理からすれば、一貫性を欠いているのではないでしょうか。論議全体が大衆受けを狙ったパフォーマンスという感がしてなりません。
北朝鮮の金正日政権がなにを狙って攻撃したのか、三男正恩氏への権力移行は今後、どういう影響を与えるのか、米韓合同軍事演習を警戒する中国の思惑はどこにあるのか、日本外交の対応、米韓との連携はどうあるべきか。今論じるべきは、そういった点であるべきでしょう。
これは、至言というべき指摘。
政府の対応にのみ批判を傾けるのは、自民党側にも、半島における軍事紛争に対する確固たる対処方針が、実はないない、との証。
われわれ国民は、何もあてできないのだ、と、覚悟をきめておいたほうがよい。
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