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「・・ええ、そーなんですよ。
・・それで、ですね。・・ええ。
じゃあ、時期になったら業者から配送させますんで。
ええ、・・そんな事で、ハイ。」
我が師・Tさんから電話があったのは数ヶ月前の事。
戦後、疎開先の熱海で食べたポポーという果実がとても美味しかったとの事。
最近、思い出して捜したところ、扱っている農家があったそうだ。
そして、数日前に再び電話があり、出荷出来る時期になったので送らせたと連絡が。
昨日、職場にオカンからのメール。
ポポーが着荷したと。
アケビに似たポポーの果実はトロリと甘く、バニラの香り立つ濃厚なカスタードクリームのよう。
T師は、そう表現していた。
仕事が終わり、家に帰るのが楽しみで、楽しみで。
文字通り、甘い欲望を脹らませながら家路を急いだ。
「タダイマ〜。」と見ると・・・
部屋の真ん中に大きな葉っぱの鉢植えが二つ。
こよ「これだけ!?」
オカン「ええ、これだけ。」
T師は、これを見事に育てて果実を収穫せよ!
という試練を私に与えたのだった。
甘い期待は、一瞬で萎んだ。
一体、何年先になるんだろうか・・・。
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