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「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」(長寿の心得...岸信介) /「食う、寝る、出す、風呂」(在宅生活4つの柱)

症例

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気腫性膀胱炎

イメージ 1

症例2 80歳代、女性。

主訴:食欲不振、全身倦怠感。

高血圧、狭心症、骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、うつ状態などで、外来フォロー中、上記主訴のため精査入院となる。頻尿あり、ベッドサイドで転倒され、ややろれつが回らなくなる。頭CTは、著変なし。腹部膨満と肉眼的血尿が見られたため、KUB X-P(腹部単純レントゲン写真),腹~骨盤CTにてイレウスの状態と判明。また、膀胱内と膀胱壁内にガス貯留を指摘される。腹部の腸雑音(グル音)は減弱。

気腫性膀胱炎の腸管への炎症の波及による麻痺性イレウスと診断し、膀胱留置バルーン、抗生剤、点滴にて、10日余りで、炎症(CRPの陰性化)も治まり、イレウスも治り、低Na血症などの電解質インバランスも是正され、食事も可能となる。

*気腫性膀胱炎とは?

ガス産生菌による膀胱炎で、高齢の糖尿病患者に多い。ガスは主に粘膜下層に貯留するが、膀胱内腔にも貯留すると気尿がみられる。気腫性腎盂腎炎ほど重篤ではないが、糖尿病のコントロールと抗生剤投与、導尿などの適切な加療が必要。この疾患があまり報告されないのは、通常ガスは短い期間しか存在しないためであり、膀胱を浮き上がらせるようにガスが周囲に広がる所見は、治療に反応しない場合 以外は一過性の所見である。

案外単なる膀胱炎として治療してそのまま治ってることも多いのかもしれません。^^;v

文献:

・W V Med J. 2004 Nov-Dec;100(6):232-3.
Emphysematous cystitis: a case report and literature review.
Perlmutter AE, Mastromichaelis M, Zaslau S.
Section of Urology, Dept. of Surgery, West Virginia University School of Medicine, Morgantown, USA.

 Emphysematous cystitis (EC), a rare form of cystitis, is often an incidental radiological finding but it can be associated with diffuse abdominal or suprapubic pain. The clinical course can vary from asymptomatic infection to fulminant sepsis. We present the case of a 79-year-old woman with diffuse abdominal pain, back pain accompanied with low-grade fevers, urinary frequency, urinary urgency, and emesis who was ultimately found to have emphysematous cystitis. A review of the etiology, pathogenesis, diagnosis and treatment options follows.
・ EC classically presents in an elderly female nursing home resident with poorly controlled diabetes mellitus who complains of diffuse abdominal or suprapubic pain. The condition was initially described in 1671 in a man who メpassed wind through the urethra.モ
・ The presence of air in the bladder alone is not diagnostic for EC. One must rule out other causes of the intravesical air, including enterovesical or vesicovaginal fistula,invading carcinoma,recent trauma or recent instrumentation.
・ Many bacterial species have been implicated in EC,including Escherichia coli,Klebsiella pneumoniae,Proteus mirabilis,Staphylococcus aureus,Enterococcus faecalis,Aerobacter species,Nocardia species,Clostridium perfringens and Group D Streptpcoccus species. Candida albicans has been reported as a causative agent,especially in immunocompromised patients.
・ The diagnosis is usually made radiologically, and early diagnosis and aggressive management with Foley catheter decompression of the bllader and antibiotics are indicated.If ther is a delay in diagnosis, this condition can lead to necrotizing cystitis,perivesicular abscesses or peritonitis, which warrant surgical intervention.

今回のケースは、糖尿病はなかったが、神経因性膀胱、抗うつ剤による尿閉傾向が誘因になった可能性が考えられた。立ちくらみによる転倒、ろれつが回らないといった症状は、イレウスによる脱水症状と、それに伴う低Na血症が原因であったと思われた。
一般に、女性は歳とともに、尿が漏れやすく(失禁)なり、男性は、前立腺肥大のために尿が出にくくなります。女性は尿道が短いため膀胱炎になりやすく(細菌が外から入りやすい)、男性は尿道が長い分なりにくいようです。ですから、女性は、予防のために、水分摂取に努め、尿意を我慢せず、排尿後の処置(ウォシュレットがいいと思いますが、前から後ろに拭く!)にも気をつけることが大事です。しかし、男性も前立腺肥大による残尿を伴うようになると膀胱炎、前立腺炎になりやすくなるといわれています。
今は、CT が診断に威力を発揮しますから早期に診断でき、症例の報告も増えているようです。
ちなみに、Entrez-PubMed検索で157件ヒットしました。(2007.4.15.)

画像:http://www.big.or.jp/~biwamr/yiwasaki/uro/EMPCYS1.html Orz〜
「拡張した膀胱壁に沿った空気の存在が明らかです。もちろんこれは膀胱壁内のガスを示唆します。」

閉じる コメント(6)

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膀胱内にもガスが貯留するんですね。 ってか、気腫性膀胱炎で、ろれつがまわらなくなる事があるんですね。 特に気尿という現象を目の当たりにしたことないんで、びっくりです。

2007/4/15(日) 午後 9:51 [ ももたろー ]

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ろれつの方は、多分脱水、電解質異常のためだと考えています。「気尿」は、、、わたしも経験ありません。^^v この方も熱なかったし、膀胱炎症状だけの方の中には(とくに糖尿病)、その気で調べたら案外見つかるんじゃないのかなって思ってます。。。v

2007/4/15(日) 午後 10:05 [ スモークマン ]

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膀胱周囲炎を起こすか、敗血症にならないと腸閉塞にはならないように思いますが、「気腫性膀胱炎の腸管への炎症の波及による麻痺性イレウス」というのは良く起きるのでしょうか?この方の膀胱壁はCTでかなり肥厚していたのでしょうか?敗血症はあったのでしょうか?

2007/12/15(土) 午前 3:54 ておいぐま

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teoigumaさん、こんにちは。^^
おっしゃる通り、炎症が膀胱の漿膜側まで波及することで麻痺性イレウスが生じるものと思われます。気腫性膀胱炎はふつうの膀胱炎の治療で治っちゃうことが多いようですから、気付かれないままのことが多いのではないかと思われます。ただ、適切な治療が遅れると壊死性膀胱炎やら敗血症やら重篤な病態にまで至ることがあるようです。このケースは膀胱壁が気腫性になっていて、麻痺性イレウスを合併してましたが、明らかな敗血症は確認できていません。血培もたしか(ー)だったと思います。ご質問ありがとうございました Orz〜^^v

2007/12/15(土) 午前 8:38 [ スモークマン ]

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私の夫が前立腺がんのHIFUを2回受け「尿道直腸ロウ」になり3年近く膀腔カテーテル留置、抜去後…尿と一緒にたまに音を伴ってガスが出ます。
軽い膀胱炎を起こしたり、下腹部痛になります。ガスの件は「まだ穴が空いてるのかと心配になりますが」診察では大丈夫で、ガスの件はわからないと言われてます。やはり、夫も記事の内容のようなものですしょうか?

2011/5/17(火) 午後 3:50 [ レナ ]

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>レナさん、いらっしゃいませ ^^
う〜ん...どうなんでしょ...^^;
そう簡単にゃ、気腫性膀胱炎にはならないと思うんだけど...
気腫性膀胱炎の手前の膀胱内だけのガス産生菌による症状なら、全身症状(発熱、炎症反応CRP↑など)なくてもおかしくないかな...
検尿して明らかに膀胱炎なら、その治療をその都度受けるのがいいと思います ^^
膀胱直腸ろうの方は治ってるのかなぁ?
圧格差にそってガスやら液体やらが移動するんだと推測できたり...
ただ、治らなくても、生活上、健康上差し障りないのであれば、心配いらないんですけどね...
それを主治医の先生にお尋ねになってみてはいかがでしょうか?
不十分なる回答で申し訳ございません...Orz~

2011/5/17(火) 午後 8:56 [ スモークマン ]


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