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http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/inose/071204_19th/ より Orz〜
猪瀬直樹の「眼からウロコ」2007年12月5日
道路特定財源にかかわる二つの極論、悪しき流れ
「道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止にかかわる議論が活発になっている。そして道路特定財源を間に挟んで、2つの悪しき道ができ始めている。一つは、民主党が掲げる「タダ路線」。どの道路が必要でどの道路が不要かを検証せず、道路特定財源の「減税」を主張している。もう一つは、国土交通省と自民党道路族の主張だ。こちらは道路特定財源の「現状維持」をはかる方便として、ほんとうに必要な道路がどこかを考えず、なんでもかんでも道路をつくるという。
どちらも、納税者が真実を見つめる妨げになっている。
道路特定財源は、暫定税率が「永久暫定」になっている
道路特定財源とは、「揮発油税」、「石油ガス税」、「自動車重量税」、「自動車取得税」、「軽油引取税」などからなる。基本的に、道路に使う目的で徴収する目的税だ。税収の総額は約5兆8000億円。このうち、約3兆5000億円が国の歳入。約2兆2000億円が地方の歳入だ。
現在、これらの道路特定財源の徴収額は、本則が定めた税率ではなく、暫定的に高められた税率(暫定税率)で計算している。例えば、いわゆるガソリン税(揮発油税)の本則税率は24.3円/リットルだが、暫定税率はこの2倍の48.6円/リットルになっている。例外はあるが、他の税も基本的には暫定税率を適用しており、平均すると本則の約2倍の税率を課している。「暫定」なので、5年ごとに税率を見直すことになっている。しかし、・・・「道路建設が必要だから」とう理由で恒久的に「暫定」税率が維持されてきた。
公共事業の削減により、一般財源化する余地が生まれた
小泉内閣は、道路建設をはじめとする公共事業予算を毎年3パーセントずつ減らす政策をとった。その結果、国の道路特定財源による税収3兆5000億円のうち、7000億円くらいが道路予算につかうあてがなくオーバーフローする(余る)ことになった。そこでこの7000億円を、一般財源として、道路以外の目的にも使えるようにしようという考え方が「道路特定財源の一般財源化」である。国は800兆円を超える借金を背負い、毎年赤字国債を発行している借金大国である。少しでも借金返済の足しにできる。あるいは、税の徴収額を上げることなく、増えつづける社会保障にあてることもできるだろう。
小泉内閣がスタートした2001年の12月19日の閣議決定で「日本道路公団は2005年度までに民営化する」と決まった。そのときすぐ翌年から、つまり「国費は、平成14年度(2002年度)以降、投入しない」と明記された。それまで道路公団には「利子補給金」という名目等で、毎年3000億円もの税金が投入されていた。このときに浮いた3000億円は、一般財源化できたはずだった。しかし政府はそれをまず、旧本州四国連絡高速道路公団(現本州四国連絡高速道路。以下旧本四公団と記す)が抱えていた借金の返済に充てた。旧本四公団が自力で借金返済が可能になる金額相当分として2003年から2006年にかけての4年間で1兆5000億円を投入している。・・・この後も、公共事業は依然として減る方向にあるのでお金は余る。ひとまず旧本四公団への注入を終えると剰余金の総額が年間約7000億円になった。7000億円もの余剰金があれば、税収が6000億円の自動車重量税くらいはすぐに一般財源化できるという話につながる。僕は、こうした議論が起こることを、以前から予測していた。
昨年秋に発足した安倍内閣は道路特定財源を一般財源化する方針を明言した。抵抗は大きかった。その一つが「税金が余るなら暫定税率を下げろ」という議論だ。例えば石油業界は「ガソリン価格が高いので暫定税率を下げろ」という意見を出した。自動車業界は「自動車重量税を廃止するべき」と言い出した。自動車重量税は車検の度に5万円ほどを納めなければならず、自動車オーナーの負担になっている。これらの業界は、道路特定財源の一般財源化にも反対する。要するに「道路に使え。道路以外のものに使うのはよくない」と言いたいのだ。・・・
民主党の主張を実行すれば、必要な道路すらつくれなくなる
先の参議院選で、財源の保障を示さないなんでもタダでサービスを売り物にした民主党が勝利した。国民の中にそれを是とする風潮がある。このばらまきムードに安倍政権は敗れた。負けた自民党も、民主党と同様のばらまきの空手形を発行しなければならなくなった。いまは空手形合戦の様相を呈している。
「タダ路線」は、第1の悪しき道だ。
民主党は、道路特定財源の一般財源化や自動車重量税の半減、自動車取得税の廃止などを参院選で訴えた。また、今は原油価格の高騰を理由に、揮発油税の暫定税率を本則税率に戻す検討をしている。
しかし、もし揮発油税の税率を本則税率に戻したら、減税額は約1兆4000億円に達する。更新をしなければ「暫定」の期限が切れてしまう上乗せ分の税額は国と地方合計で2兆7000億円にものぼる。そうなれば、ほんとうに必要な道路の建設すら危うくなる。
いっぽうで民主党は、高速道路の無料化を提案している。これに必要な経費を1兆5000億円と試算している。この試算の根拠を示していただきたい。無料にすると、民営化された旧道路公団系の民営化3社に入っている2兆円の収入が消えることになる。このお金で、40兆円にものぼる高速道路の借金返済も、高速道路の管理費も捻出してきた。収入が消えれば、これらを全部、税金で穴埋めしなければいけなくなる。いったいそんな財源はどこにあるというのだ。・・・
民主党の減税案は、地方を苦しめる
仮に暫定税率をすべて廃止して本則税率に戻したとしよう。その場合、自治体によって減収額に差が出てくる。11月29日付けの朝日新聞に、「道路特定財源 上乗せ税率無くなると 地方、最大384億円減収」との見出しで以下の記事が載った。「道路特定財源をめぐり、本来の税率に上乗せされている暫定税率が来春になくなった場合、税収減の影響が都市部より地方で大きいことが分かった。岩手県や佐賀県の減収分は都道府県税収の7?8%に上るが、東京都や神奈川県は1%台にとどまる見通し」
地方はクルマ社会だ。一家に1台ではなく、2台、3台があたり前。地方税である自動車取得税の減額などは自治体税収に大きく響く。・・・
一般財源化と暫定税率の廃止を阻止しようとする悪しき道
もう一つの悪しき道の話をしよう。それは、暫定税率を維持したままで道路特定財源は一般財源化せずすべて道路建設に使い切ろうという道だ。
2006年6月1日に国土交通省が発表した「道路整備の中期ビジョン」は、「今後10年で道路整備に58兆円を使う」との旨を明記していた。道路特定財源の1年当たりの税収は5兆8000億円。毎年全部使い切ったとして、10年間でちょうど58兆円。とにかく使い切ろうという数字である。・・・
これは1987年に閣議決定した各路線の必要性を再点検する方針に転換したからだ。国交省は、「計画中の高規格道路1万4000kmをすべてつくる。それには65兆円が必要だ」とふっかけているのである。さらに、「高速道路値下げの原資」という名目で3兆円を上乗せし、合計68兆円にしている。
・・・「だから、一般財源化や暫定税率を廃止する余地など、とてもない」とのパフォーマンスなのだが、いささか品がない。・・・今までの議論は一般財源化に関する攻防だったのだが、今度は暫定税率の攻防も加わった。
極論を排して、地道な改革に戻ることが必要
この二つの悪しき道……民主党は「タダだ、タダだ」と言いまくり、国交省は「68兆円が必要だ」と強調する……が、ことの本質を見えなくさせている。勉強不足のメディアは右往左往しながら、それぞれの主張にまんまと載せられているし、テレビなどはきちんとアタマを整理できず、ただ騒いでいるだけだ。道路公団民営化委員会で、僕は一つひとつの高速道路について、さまざまな数字を出した。その数字をもとに、「そもそも必要な路線なのか、必要でないのか」、「3車線を2車線にするか、2車線を1車線にするか」などを判断した。こうした作業を積み重ね、高速道路にかかるはずだった20兆円を10兆円にまで圧縮することを可能にした。しかし、その当時の努力がすっかり忘れ去られ、ばらまきは野放図に復活しかけている。いま、「タダにしろ」とか「道路特定財源は道路で使いきれ」などとポピュリズムの変な風が吹いている。繰り返すが、日本国は800兆円の借金大国であり、借金はいまも増えつづけている。抜本的な税財政改革の前に、ほんとうに無駄はないか、国民の負担はどうあるべきか。地道な改革を語らなくてはならない。」
自動車取得税って地方税だったんだね。。。^^; ナンバープレートに書かれてる市に払われるってこと? わざわざ違うプレートにする方があるけど、、、その場合は住んでる地方税には入らないわけ?
クルマ取得剤までただにしてくれとまでは思わないけど、、、車検のときの重量税はどうにかならないんだろうかしら?あれも地方税なの?
とにかく、地方が困るっていわれても、自分で賄える範囲のことをしていくのが原則だよね。ただ、教育、医療、介護、道路などはヴァイタルなインフラだと思うから、、、国がそれ相当の補助をするべきで、これっていわゆるみんなで支える保険思想そのものでしょ。そういうのを国会で検討して、無い袖は振れないわけだけど、、、一般財源から配分を考えればいいと思うけどね。そもそも後先考えずに欲しけりゃ作れ法華の太鼓、イケイケどんどんのツケが今の膨大な借金を生んだんでしょ?同じことは避けてもらわなくっちゃいつまでたってもローンが減らないローン地獄で、、、国民の焦燥感は解消されやしませんよ!日本だけじゃなくってけっこうの国が借金か変えた経営を余儀なくされてるけど、、、これってなぜなんだろね・・・? 未来の子孫にツケを回してるだけだと思うけど、、、そうじゃないと資本主義って立ち行かないという原理のものなの?金貸しの銀行が借り手がいなきゃ成り立たないのと同じような意味での必要悪?
詳しい方教えて下さい〜〜〜m(_ _)m
画像:高速道路網の現況とミッシングリンク
画像:鉄道駅、及び歩行空間のバリアフリー化率※2
「バリアフリー化を重点的に整備すべき地区※1においても、依然としてバリアフリー化率が25%(H15年度末)に留まっています。
※1 平均利用者数5,000人/日以上の旅客施設周辺の地区
※2 平均利用者数5,000人/日以上の旅客施設の段差解消された、及び周辺の主な道路のバリアフリー化された割合」
インターネットのWEBのように張り巡らされた高速道路が必要なら、、、順々に整備していけばいいし、バリアフリーに向けた工事も順々にしていけばいいと思う。ただ、これらは一般財源からの予算を組む時に考えていったって一向になんら問題ないと思えるけどな!?
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確かに民主党の減税案には疑わしき箇所が多数ありますよね。しかし国民は『減税』という言葉1つに惑わされしまった感があります。小泉さんの時に『痛みを伴う構造改革』だと聞いた時に、なぜ『地方は切り捨てられるんだ』って気がつかないのでしょう?
今回は内容が違いますが、民主党の減税案では地方都市は更なる悲劇が待ち構えているのだと思います。民主主義の限界が来ているような気もしますが、明るい未来がない事だけは容易に想像できそうですね〜。
2008/4/30(水) 午後 0:28 [ nigelmansellll555 ]
nigelmanさん、いらっしゃいませ ^^
「痛みを伴う構造改革」ってのはフィーリング/メンタルに訴えかけてくるものだけに何となく漠然としか、わかったような気になっただけで、、、わたしも「地方が切り捨てられる」ことに結果結びつくなんてピンとは来なかったです...^^; 政治家はもっと具体的に話してくれなくっちゃ(インフォームドコンセントの観点からは)いけないんですが、、、国民もマスコミも分からなけりゃ聞けばよかったんだとも言える。。。いつも言ってるけど、黙ってることは黙認とみなされても仕方ないって・・・^^;
「感動した!」っていう小泉さんには、、、それだけで真意が伝わると思われてたのかもしれませんけどさ...
でも、分かってからプロテストしたって遅くはないとも思ってます。。。ラグタイムはあっても国民の意志は反映されないといったいだれの国なのかってことになっちゃうからね・・・v
2008/4/30(水) 午後 10:27 [ スモークマン ]