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讀売新聞 五郎ワールド 2009.01.10. より Orz〜
特別編集委員 橋本五郎
「二世社会」への警告 大義を解す才子たれ
「新しい年を迎え、粛然たる思いにとらわれる。危機の時代にあって、文筆を生業とする身としていかにあるべきなのか。正月三が日、明治43年(1910年)に出版された大町桂月訳評『新訳日本外史』(至誠堂漢文叢書)を読んだ。明治の詩人大月桂月は、なぜ頼山陽の名著を訳そうとしたのか。14、15歳の頃愛読せし書を30年を隔てて訳すのは「漢文の教育衰えて、国民一般に漢文を読む力が乏しくなり、日本外史の如き傑作も、空しく之を高閣に束(つか)ぬるに至らむ」としているからだ。<思うに、頼山陽は才子也。されど、翩々(へんぺん)たる軽薄才子には非ず。気骨のある才子也。故にその詩にも、毫(ごう)も浮華軽佻(ふかけいちょう)の態なし。血もあれば、涙もあり。言言人を刺し、句句人を動かす><殊に山陽に取るべきは、其識見に在り。当時の学者は概して章句の奴、もしくは弄文の徒なりしが、山陽は大義を解したり。徳川の全盛時代に勤王の精神を鼓吹したり>山陽には歴史を大きく見ることができる「史眼」と巧みに表現する「才筆」があった。『日本外史』はその結実なのだ。2009年の日本は政治、経済などあらゆる分野で混迷を極めるだろう。こういう時こそ、「史眼」と「才筆」をもって時代状況を描くことが求められている。
日本の何が問題なのか。建築家の安藤忠雄さんと古都京都でしばし話す機会があった。安藤さんは、作家の村上龍さんが「日本には何でもあるが希望だけがない」と言っているのを至言だとし、問題は「二世社会」であることだと言う。歴代首相はじめ政界の二世化現象の問題はつとに指摘されている。しかし、政治指導者に限らない。企業の経営者にしても二世化が支配している。リーダーとは本来チームから選ばれた人がなるべきものだ。それなのに、能力のあるなしにかかわりなく、初めからリーダーに決まっているというのでは社会全体が元気にならない。「二世の多い団体を見ていると、死にものぐるいで勉強していない。身を張って責任を果たす覚悟が足りない。世界観が感じられないし、緊張感も見えない。極悪人もいない。だからパワーが感じられない。」独学で建築を学び、自らの力だけを頼りに作品を生み出してきた安藤さんからみれば、「二世社会」と「天下り社会」は同根に映る。天下りは官僚の世界だけでない。大企業だって同じだ。徹底して壊していかなければ、日本は立ち直れない。その安藤さん設計の美術館が6月3日、イタリア・ベネチアのサンマルコ広場の対岸にオープンする。15世紀に建てられた歴史的建造物「海の税関」を建設当初の形に戻しながら、現代美術館に改造するというプロジェクトである。依頼主は2000点を超える現代美術の収集家フランソワ・ピノー氏(72)。グッチやサンローランなども傘下に収めるフランスの大実業家である。ところが、ピノー氏も金融危機で大打撃を受けた。それでなくとも美術館は「冬の時代」である。世界的不景気で寄付金が集まらず、アメリカはじめ世界の美術館が閉鎖を余儀なくされている。安藤さんは不安に思って尋ねた。「これではオープンできませんね」。ピノー氏からこんな答が返ってきた。「自分はもう長くないが、世界が真っ暗なときだからこそ、希望の光もあっていいだろう。こんな馬鹿なことをやる人間がいるということでなければ、芸術は全部死んでしまう」ピノー氏は自らの能力のみで今日の「ピノー」王国を築き上げた。一世だからこそ、自分で稼いできたという自負があるからこそ、気迫に満ちたことを言えるのだ。日本の経営者にそれがあるのか。そう安藤さんは問うている。世界のトヨタが大規模な人員削減を発表した。2007年度に2兆円を超える営業利益を出したのに、08年度に1500億円の赤字が予想されるからといって、そこまでやるのか。多くの人たちの実感だろう。
正月の紙面で目を引いたのは俳優、仲代達矢さんの朝日新聞のインタビュー記事である。役者になって60年近くになるが、常に不安定な職業である。退職金も失業保険もない万年失業状態の日雇い労働者だ。「無名塾」という俳優養成塾には28人の役者の卵がいて、コンビニでバイトしたり、臨時の派遣をして食いつないでいる。「この子たちがいよいよ苦しくなったら?そうですね、出演料を、私も俳優も裏方も、みんな同じにします。そうすればみんなにお金が行き渡る。小さな組織ですが、経営者とはそういうものではないでしょうか」「もし私が企業家に何か言うとしたら、『これまでずいぶんもうけてきたでしょう。ためたお金を彼らに与えたらどうですか』ということです」
企業における「ノブレス・オブリージ」(高い身分の人に伴う徳義上の特別の義務)とは何かを深く考えてしまった。」
どの国も隆盛を向かえたあとは衰退をたどるのも歴史が教えるところだけど、、、企業にも言えるのかもしれない。
考えてみたら、、、「初代が家を興し 二代目が放蕩に耽り 三代目が家を潰す」
ほんの身近な家の盛衰が囁やかれ続けてきているわけで、、、世代交代時にはその前の精神が受け継がれることはまず不可能であるが故に歴史は繰り返される・・・これって万有引力の法則のようなものかもね・・・人は生まれながらにして不平等であるがゆえ、そこから這い上がろうとして頑張る者に栄光の杯が移っていくのは健全ではあるとも言えるんだけど...
だとしたら、、、日本は早くどん底になっちまえば微かな希望も生まれるのかもね...^^;
一度沈んだ国が再び復活するのか・・・?巡り巡っていずれはやって来るはずなんだ・・・
だって、、、世界が有限である限りにおいて、、、そして、栄枯盛衰が必然の法則である限り、、、また循環せざるを得ないのも必然であるからね...^^V
企業はどこまで儲けりゃ気がすむのかってな議論は今までも記事にしてきました...
そんなに儲けてどうすんのって?それより提供するもの・サービスの値段を下げるべきだろって...
ごく一部に金がプールされたって、、、みな諸共奈落の底に落ちちゃうに決まってる...
お金は使うためにあるんだし、、、欲望を満たすためにあるんだし、、、その金が回らなくなったんじゃ、、、ものは売れない、、、だれも幸せになれない、、、決して一人勝ちはありえないし、一人だけ幸せになれるなんてありえないことに気付かなくっちゃならない...目が覚めたときには遅いだろうけど...そうやって歴史は繰り返されるしかないようだから...^^;
画像:頼山陽 53歳(没前1ヶ月)
http://ginga21.hp.infoseek.co.jp/sanyou/sanyou.htm より Orz〜
画像:寒岩枯木図 頼山陽筆 1820年
http://ja.wikipedia.org/wiki/頼山陽 より
「頼 山陽(らい さんよう、安永9年12月27日(1780年1月21日) - 天保3年9月23日(1832年10月16日))は江戸時代後期の歴史家、漢詩人、文人である。芸術にも造詣が深い。また陽明学者でもあり、大塩平八郎に大きな影響を与えている。」
画像:安藤忠雄
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/photo/20061106/500783/ より Orz〜
画像:安藤忠雄の代表作、「光の教会」
usjuku.jugem.jp/ ?day=20080415 より Orz〜
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