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同サイトからの続きです。^^v Orz〜
「AED(自動体外式除細動器)の使用法 〜 旧ガイドラインからの変更点
まずは旧アルゴリズムの復習です。
旧ガイドライン2000 に準拠したAED製品は、電気ショックを一回かけたあとは、自動的に心電図の解析がはじまります。これでショックの適応がなければ脈拍のチェックをして、必要ならCPRを続けるように音声指示がでますが、まだVF(心室細動)や無脈性VT(心室頻拍)が続いていれば、続けて3回まで除細動・心電図解析を行なうようにプログラムされています。それでもサイナス・リズムに戻らなければ、いったん約1分間のCPRを行ったあと、改めて心電図解析・除細動を行うようになっていました。
しかし、新しいガイドライン2005では、1回除細動をかけたら、結果の心電図解析を待たずして即心臓マッサージと人工呼吸を再開するように変更されました。心電図解析をして除細動の結果を見るのは5サイクルのCPR(約2分間)を行ったあとです。
整理しますと、
* 除細動は1回だけ
* 除細動をかけたら反応は見ずにすぐに2分間のCPR再開
* 心電図解析、脈拍チェックは2分間のCPR後
* 心マ中断時間は極力少なくする
以上がAED使用に関する大きな変更点になります。
●変更の理由
この変更の理由は、この5年間で明らかになってきたいくつかのエビデンス(学術的根拠)に基づいています。
まずは「心臓マッサージなくして蘇生なし」という心臓マッサージの重要性が強調されたという点。以前のガイドライン2000では、AEDがセンセーショナルに取り上げられ、なにはともあれ除細動という点が強調されていましたが、そのトーンはだいぶ下がってきたようです。除細動熱が落ち着いてきたとでもいいましょうか。
心室細動を停めて正常な心臓のリズムに戻すには、電気的除細動が必須で唯一の方法ですが、それを優先するあまりに心筋の保護(CPRで心筋に酸素を供給すること)がおろそかになっていたというのがガイドライン2000方式の反省点でした。
また新しくわかってきたこととして、1回の除細動で反応しない場合、2回、3回と続けても好転する可能性はあまり変わらないというエビデンスもあるようです。心停止(心室細動と無脈性心室頻拍など)の場合、心臓の冠動脈の血流も停まっているわけですから、心室細動(VF)の発生から時間が経ってしまうと、心臓を動かすためのエネルギーがどんどん少なくなっていきます。
除細動の電気ショックに反応しない心室細動というのは、心電図波形でいう振れ幅(振幅)が小さい状態で、簡単にいえば心臓に元気がない状態。そんな状態でなんど電気ショックをかけたところで無駄。これが電気ショックを掛ける回数を3回から1回に変更した理由です。
一回除細動をかけてダメなら、とりあえず心臓マッサージで心筋に酸素を送り込んでやり、すこしでも元気さを取り戻してから改めて除細動をかけた方が効果的、というわけです。
●ガイドラインは改定されたけど、、、
以上のように、AEDを使用した心肺蘇生の流れ(アルゴリズム)が大きく変わったわけですが、実際の運用となるとかなり大変です。なぜならいま世界中で配備されているAEDは古いガイドライン2000の勧告に基づいてプログラムされているからです。
講習を受けられた方はご存じのように、AEDはしゃべります(笑)
器械が合成音声であれこれ指示を出してくれるので、それにしたがってCPRを開始したり、ショックボタンを押すわけですが、いま普及しているAEDはみんな古いガイドラインに沿っているので、新しいガイドライン2005のアルゴリズムに対応させるにはどうしたらいいのだろう、という問題があります。
まあ、内部のプログラムを書き換えればいいわけで、当然そういう設計になってはいるのですが、いま日本中に配備されているすべてのAEDのプログラムを書き換えるとなるとなかなか大変な話です。日本ではいくつかのメーカーがAEDを製造・販売しています。(純国産は一社のみで後は輸入品ですが)日本でAEDがセンセーショナルにデビューしたものだから、各自治体、団体がこぞって購入・配備したわけですけど、こうしたプロトコル変更という事態は想定されていたんでしょうかね?(当然されているべきではあるのですが、、、)
プログラムの書き換えを行なうとしたら、いったいそれは誰の責任で行うことになるのでしょう? メーカー側がアフターケアとして責任を持って行うのか、購入した人が必要に応じてオプション料金を払って書き換えてもらうのか? もしくはAED製品を認可した厚生労働省側がなんらかのおふれを出して対応するのか??
そもそも日本のAED事情、ひいては救急処置の今後はまだ未知数です。やがては正式にガイドライン2005を取り入れることになると思うのですが、AEDの問題を考えるとなかなか難しいものがあるんじゃないかなという気がします。
なにせ日本でAEDの普及が本格的にはじまったのは、2004年7月以降のことです。それから1年ちょっとで国際ガイドラインが改定されてしまって、まだまだ日本ではケーススタディが足りない状態。十分な評価もなされていません。・・・」
これ以後の話でまた改定されてたらごめんなさいね。
わたしも気付いたら追記して参りますので。
なお、お詳しい方がいらっしゃいましたらご指摘よろしくお願いいたします。Orz
画像:うちの玄関先で春を寿いでいる花々たち
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