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「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」(長寿の心得...岸信介) /「食う、寝る、出す、風呂」(在宅生活4つの柱)

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内科ではこの不明熱の診断に苦慮しますね ^^;v
先日も抗生剤(セフェム+ミノマイシン)不応性の spike fever の方がおられ、CRP 16, WBC >1万、異型リンパ球(ー)、focus unclear で、急性前立腺炎でもないし、abscess (膿瘍)なんてどこにもないし、血培も心エコーも異常ないし、EBvirus,CMV virus もひっからないし、ツ反は陰性、画像にて、腹部に multiple lymphadenopathy が認められるも、癒合なく、痛みなく、LDH 正常、s-IL-2 receptor 軽度上昇、ferritin 軽度上昇、皮疹なし、ANF(-)、CH50 やや高値、P-ANCA(-) 、血中ADA やや高値、クオンティフェロン正常。食欲もあるし熱の割にはお元気で、NSAID のみで熱に対応してました。
一般に不明熱は、3週間以上続くことが定義されていますが、臨床的には充分不明熱でした。鑑別には、1)感染症 2)悪性疾患(とくに悪性リンパ腫)3)膠原病(血管炎、PMR/TA、成人発症 Still's disease、、、) を考えました。
1)は非常にデータからは考えにくい。2)もデータ、ならびに画像的にも考えにくい。3)も特異的な所見に乏しい。。。上級の専門家にお尋ねしたところ、やはり、1)か3)かだろう。。。って。悪性リンパ腫で高熱は出てもふつうは CRP 陰性のことが多いらしい。Adult onset Still's disease なら、ステロイド中等度以上必要なんですが、感染が否定できないならリスク高い。感染症の中で、Tb(結核)、非結核性抗酸菌症は否定できない。。。わたしは、ツ反(ー)、クオンティフェロン(ー)から、否定的に考え、腹部リンパ節生検なんて野蛮なこと(^^;)しなくてもできることをしたかったので、たまたま「亜急性壊死性リンパ節炎は考えられませんか?」と尋ねたところ、「普通は頚部リンパ節腫脹が来ますが、腹部リンパ節の報告もあります。」とのこと!しかも、そうならば、たいていは、ハイドロコートン100mg の1回投与のみでドラスティックに奏効しますとのこと♪ステロイドのその程度の量(プレドニン換算で25mg)を1回投与なら、たとえ他の疾患でも悪さはしないし、一時的に効いてもいずれはそれじゃなければ熱は出てくると考え、治療的診断に踏み切りました。患者さんには、以下の文献をお渡しし、以上の考えをお話し、IC(informed consent:「知らされた上での合意」の意)も得られたためトライ!なんと、その後10日以上経ちますが、うそみたいにぴたっと下熱したまま♪ 腹部リンパ節腫脹も軽快しており、CRP (+-) と、他の疾患では考えられない経過をたどっています。^^v
亜急性壊死性リンパ節炎は、原因不明で、今までは若い方の頚部リンパ節腫脹+発熱のケースは経験していますが、、、中年男性の方でしかも腹部リンパ節は、わたしはヴァージンケースです。もうしばらく経過観察が必要ですが、レアケースだから学会発表するつもりです。^^

追記(2007.09.18.):下熱後2週間くらいして、手足の皮膚の落屑が診られるようになりました。薬剤アレルギーだった可能性が濃厚と考えています。詳しく書いてませんでしたが、発熱、CRP 4位、やや膿尿にて、ジギタールでは前立腺の圧痛(±)でしたが、前立腺炎も疑って、、、ニューキノロンのオゼックスを処方したんですが、、、皮疹が出現し熱も続き、CRPも高値にて入院精査としてました。ニューキノロンのアレルギーはあると当然考え、オゼックスは中止、抗生剤はその系統以外のもの(上記)に切り替え、皮疹に対してはネオファーゲンの注射にて消失してたんですけどね。。。
熱の割にけろっとしてるときって、感染症以外のものの可能性大ですね。その中にはアレルギーを含めて考えておくべきであり、このケースの場合、鑑別には想定してましたので、、、ただ、ステロイド1回投与だけでピタッと熱が出なくなっちゃうってのが、、、ま、抗生剤に不応性だと思われたときすべての抗生剤は中止して確か3〜4日以上経過してた時点に使ったんですけどね、、、前日まで39℃台の熱が出てたのがうそのように雲散霧消してしまったのは、、、薬剤アレルギーだけにしては経験上珍しいのですが。。。薬剤によるリンパ球刺激試験(DLST)もチェックしましたが、3剤とも(-)でした。これは(-)でも否定はできないことが結構あるんですが。

「不 明 熱 Fever of unknown origin

[要 旨] 古典的不明熱の原因として多いのは,感染症,非感染性炎症性疾患(膠原病や血管炎症候群),悪性腫瘍である。しかし,約 30 % は診断が未定に終わる。診断のため,十分な医療面接,身体診察を反復する。検査として,血液培養,超音波検査,CT 検査など侵襲の小さい検査は早期に行う。得られた所見に応じて病変部位を狙った検査を追加し,診断を確定する。原因疾患のリストを参考にし,丁寧に鑑別診断を進める。病変部位を絞れない場合,ガリウムシンチ,骨髄生検,肝生検などが有用である。肝生検で肉芽腫がみられる場合,さらに鑑別が必要である。非ホジキンリンパ腫の診断は時に困難であり,特に intravascular lymphoma の診断が困難である。成人スチル病などでは特徴的所見が少ない。診断基準を参考にしつつ他の疾患を除外するための検査が適切な範囲で必要である。診断未定の場合は比較的予後良好といわれるが,新たな所見がみられないか,経験的治療に踏み切らざるをえないか,注意深い経過観察が必要である。

■不明熱とは
Petersdorf らによる古典的な不明熱の定義は,「38.3 度以上の発熱が何度か認められる状態が 3週間を超えて続き,1 週間の入院精査でも原因が不明のもの」 である。3 週間以上というのは,急性一過性のウイルス感染症を除外するための基準である。また,38.3 度というのは口腔内の温度であり,腋窩温度であれば 0.3?0.5 度低い体温に相当する。これは 1961 年の報告であり,このように定義された不明熱の原因疾患のリストは,長年にわたり診断に貢献してきた。しかしながら医療技術の進歩に伴い,原因不明の発熱も臨床状況によっていくつかに区別されるようになってきた。すなわち,
Petersdorf らの定義に基づく古典的不明熱,好中球減少状態での不明熱,院内発症の不明熱,HIV 感染患者にみられる不明熱,である。古典的不明熱は従来の定義とほぼ一致するが,入院から外来診療への重点の移行に伴い,十分な検索がなされていれば 1 週間の入院は不明熱と分類する上で必要とされなくなった。
この稿では不明熱として,古典的不明熱の問題を取り上げる。従来,このような不明熱をきたす疾患として,感染症,非感染性炎症(膠原病や血管炎),悪性腫瘍が多いとされてきた(表1)。このような傾向は,最近に到るまで同様でありそれぞれ不明熱の原因の 10?30 % を占めている。また精力的な検索にかかわらず原因が不明の場合が1990 年代でも 30 % 存在する1)。このような不明熱の原因疾患について国内からも報告されているが,ほぼ同様である3)4)。

■医療面接のポイント
医療面接では可能性のある疾患を念頭においた病歴の聴取を行うが,review of systems が有用であろう。全身症状のほかに,頭頸部,胸部,腹部,泌尿生殖器,四肢関節,神経系などの症状の有無を系統的に確認する。また既往歴,旅行歴,最近の薬剤の服用歴,職業に気をつける。海外旅行歴は腸チフス,マラリア,アメーバ性肝膿瘍などと関連する。薬剤の服用歴では健康食品や漢方薬を含めて病院で処方される薬品以外の服用も確認する。発熱時に使用している薬剤があれば,これを中止する。薬剤性の発熱であれば通常 24 時間以内,遅くとも 72 時間以内に下熱する。
しばしば診断がつかないまま発熱が継続し,患者が消耗して検査ばかりが重なると,患者・患者家族と医師の関係に危機が訪れる。これを克服するためにも,時間と回数をかけた医療面接を通じお互いの考えや思いを共有しておく必要がある。

10 ガイドライン2005/2006
表1 不明熱の原因疾患
感染症 関節リウマチ
結核(粟粒結核,肺外結核など) 反応性関節炎
感染性心内膜炎 皮膚筋炎・多発筋炎
肝膿瘍,骨盤内膿瘍,その他の腹腔内膿瘍,膿胸 ベーチェット病
腎盂腎炎,前立腺炎 抗リン脂質抗体症候群
骨髄炎 クローン病
EB, CMV, HIV 感染症 サルコイドーシス
単純ヘルペス脳炎
歯根膿瘍 悪性腫瘍
偽膜性腸炎 非ホジキンリンパ腫
クリプトコッカス症 ホジキン病
骨髄異形成症候群
非感染性炎症(膠原病・血管炎症候群など) 肺癌,乳癌,肝臓癌,胃癌,膵癌,腎癌,
成人スチル病 卵巣癌,大腸癌
リウマチ性多発筋痛症・側頭動脈炎 原発不明腺癌
大動脈炎症候群
多発動脈炎 その他
クリオグロブリン血症 薬剤性
ウェゲナー肉芽腫症 Factitious fever
アレルギー性肉芽腫性血管炎 深部静脈血栓症・肺塞栓
過敏性血管炎 亜急性壊死性リンパ節炎
シェーグレン症候群 亜急性甲状腺炎
全身性エリテマトーデス 特発性好酸球増多症

                            ・・・」

途中略してますが、、、ステロイドの1回投与であれば、感染症が隠れていても(かなりその確率は低いと考えられる症例において考えるべきだと思われますが)まずリスクが高まるとも考えられないので試みる価値があると考えました。^^v

画像:上:不明熱の分類

   下:不明熱の原因
http://www.med.juntendo.ac.jp/jundemo/graduate/laboratory/labo/sogo_shinryo/k4.html
「年間で平均30例の不明熱患者が入院してきており、原因検索を行っています。」

急性前立腺炎

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昨年の6月に立て続けに4例経験しました。40~60歳までの方、当然全て男性です。
わたしも1週間ほど入院したんですけどね。^^;
38℃超える発熱、排尿痛(miction pain)、膿尿(pyuria)、CRP 5~18 mg/dl と高値。PSA(ピー・エスエー:prostate specific antigen:前立腺特異抗原)4~38 ng/ml(正常<3~4) と上昇。基礎疾患なし。いづれも、ニューキノロン系薬剤にて治癒。

わたしゃ、NSAID 飲んで熱を下げながら、夜は、布団かぶってもがたがた震えながら、点滴しながら診療してました。。。ニューキノロンの点滴って頭痛が起こることがあるっていうけど確かにガンガンしながら仕事してましたが、、、翌日には下熱しました。^^v

その時にまとめたものです・・・いろんなサイトや文献からのものです。
全て覚えてなくってごめんなさい。Orz〜

「           急性前立腺炎 (Acute Prostatitis)

                 どんな病気か

   大量のアルコール摂取や、長時間の座位等で、前立腺が充血し、尿道から侵入した細菌が、尿道の奥にある前立腺に感染して起こる病気です.前立腺が炎症のために充血して腫れ上がります.尿道からの細菌の侵入以外に,からだの他の部位の感染症から,細菌が血流にのって前立腺に運ばれきて感染を起こすこともあります.高齢者に起こる前立腺肥大症とは異なり,思春期以降の男性になら年齢に関係なく起こりますが,前立腺肥大症に合併して起こることも多いものです.急性前立腺炎では大腸菌が原因のことが多く、慢性前立腺炎ではクラミジアや弱毒性細菌が原因のことが多いようです。


                   症状

   尿道、会陰部の痛み,特に排尿の終りに熱感や痛み(排尿痛)や残尿感を感じ,頻尿になります.尿は濁り,排尿の終りに血尿が出たり,尿道から膿が出たりします.炎症による前立腺の腫脹が強くなると、排尿障害、時には尿閉をひきおこすことがある。高熱を伴い,食欲不振などの全身症状も生じます.

                  検査と診断

   尿の中に細菌や膿が出ていないか,検査します.尿中に膿が出ていて,高熱を伴っていれば,急性腎盂腎炎か急性前立腺炎かのどちらかです.直腸診で前立腺を触ってみればぶよぶよした圧痛を伴う前立腺を触れ診断がつきます。前立腺マッサージをして出てくる前立腺分泌液に白血球を認めます。時に細菌も陽性になりますが,急性期に前立腺を触ると悪化することがあるので,前立腺マッサージは初回には行わないこともあります。また急性細菌性前立腺炎では、前立腺がんの腫瘍マーカー(PSA)が異常な高値を示します。治ったあとで再検査が必要です。

                   治療

   急性・慢性前立腺炎の治療の中心は抗生物質で、ニューキノロン剤が投与されます。慢性細菌性前立腺炎では、4〜12週間程度抗菌剤を長期内服します。非細菌性前立腺炎の場合にも、細菌感染の可能性もあるので、4〜8週間抗菌剤を服用します。前立腺のマッサージで、分泌腺内にたまっている膿性分泌物を排出させます。射精にも同じ効果があります。急性前立腺炎のうちにきちんと治しておかないと、治りにくい慢性前立腺炎に移行します。治療の効果が不十分な原因としては、前立腺膿瘍の形成が考えられ、CTにて膿瘍の有無を調べ、その場合は適切なドレナージを行う必要がある。日常生活の注意点として〈1〉過度のアルコールをさける〈2〉車の運転などで長時間座るのを避ける〈3〉仕事などによる身体的・精神的ストレスを避ける〈4〉体を冷やさないことです。

前立腺は男性なら誰でも持っている臓器です.しかし残念ながら日本ではものすごくマイナーなのです。米国では成人男性の癌発生の一番が前立腺癌ですし、全手術の2番目が前立腺肥大症の手術なのです。

                PSA(前立腺特異抗原)の話。

PSAの正常値は、4以下と言うことになっています。
なんで「なっています」なんて書き方をしたかというと、4以下でも絶対癌がない訳じゃないし4以上だと癌が有る、と言い切れる訳でもないんです。但し、それでは困っちゃうので、一般的に4以下は安全、4から10までがグレーゾーン、10以上が危険と考えるのが多いようです。

あと、前立腺癌以外でも、PSAが上昇するものとして、前立腺炎、特に急性前立腺炎では100近くまで上昇することもあります。それに、射精後や前立腺マッサージ(風俗を想像しないで下さい。)の後でも上昇します。

 Prostate-spesific antigen (PSA) is a serine protease enzyme that has close structural similarity to human kallikreins. The physiologic function of PSA is to liquefy the major gel proteins in the semen (ie, seminogelin?,? , and fibronectin) and hence lyse the seminal clot. This liquefaction releases the motile sperm needed for fertilization.
  PSA is synthesized in the epithelial cells of the prostatic acini and secreted into the luminal aspect. Very low amounts of PSA are released into the blood stream in normal state. In conditions in which the tight junctions between the acinar or ductal cells can be disrupted (eg, inflammation,malignancy), larger amounts of PSA can reach the blood. It also has been shown that vigorous manipulation, cutting, and infarction of the prostate can increase levels of PSA.

画像:上:前立腺マッサージ

http://www.ne.jp/asahi/prostate/psa/n/pritis2.html
直腸に指を入れて前立腺を圧迫すると痛みを生じます.前立腺マッサージによって前立腺分泌液を搾りだします. ?@ 分泌液(もしくは前立腺マッサージ後の尿もしくは精液)のなかに白血球,菌とも陽性なら慢性細菌性前立腺炎, ?A 白血球のみ陽性なら非細菌性前立腺炎,?B 両方とも陰性なら前立腺痛と診断されます. 非細菌性前立腺炎,前立腺痛で、頻尿や残尿感などの症状が強い場合は尿流測定を行います。

                前立腺炎の種類  

 診断は症状、前立腺分泌物と尿の検査、触診、超音波検査を使って行う。いろんな病態があり、薬剤効果は様々、治療期間も一定しない。

・ 急性前立腺炎 

 細菌性で大腸菌が多い。発熱、残尿感、排尿困難、排尿痛、会陰部痛。内科では腎盂炎、尿路感染症と診断されていることが以前よくあった。単純なものから、まれに前立腺癌とまぎらわしい肉芽腫性のものもある。肉芽腫性前立腺炎は、癌との鑑別に針生検による組織検査が必要なことがある。
 
・ 慢性細菌性前立腺炎  

“ドライバー病”とよばれる部類の多くが属す。軽い関連痛、不定愁訴。自覚する症状は数ヶ月前からあり、再発のしやすいものもある。大腸菌、腸球菌など。しかし証明できないものもある。

               ◇ 前立腺炎

 欧米では、男性の半数は生涯のうち、一度は前立腺炎になると言われています。また、前立腺炎の患者数は、前立腺肥大症や前立腺がんより多いと報告されています。 好発年齢は、50歳から60歳以上にみられる前立腺肥大症に比べ、前立腺炎は30歳から50歳代に多く、比較的若い男性に起こるのが特徴です。50歳以下の男性における最も多い泌尿器科疾患であり、我が国の有症状率は約5%で、欧米と同等である。
 急性前立腺炎とは、突然発症する前立腺の感染で、主に細菌による感染によって起こる病気です。35才以上の人は、大腸菌などの一般的な細菌が原因になることが多く、35才以下の若い人は、淋菌、クラミジア、トリコモナスなど性感染症を起こす菌も多く関与します。
 感染は、体外から尿道に細菌が入り起こるわけですが、膀胱カテーテルの挿入、膀胱鏡検査、外傷、体の他の部分の感染、膀胱出口の閉塞なども感染の原因になります。若い人(20才から35才まで)で、複数の性交渉の相手のある人や、コンドームを使用しないで肛門セックスを行う人は、前立腺炎のリスクが高くなります。

Acute bacterial prostatitis is a well-recognized entity and is relatively uncommon. It accounts for less than 5 % of all cases of prostatitis. A physical examination may reveal high-grade temperature and a very tender,warm,and swollen prostate. Urine usually shows a presence of bacteriuria. Prostatic massage usually is not recommended to obtein EPS (expressed prostatic secretions) because it is very painful to the patient and can potentially cause bacteremia. Most common pathogens are the same as for community-acquired urinary tract infection (ie, Escherichia coli,Proreus,Klebsiella).」

画像:下:PSA

http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~urology/uro04/uro04_02/index.html
「「ピー・エス・エー」は前立腺特異抗原(prostate specific antigen)の英語の頭文字を並べた略語です。その意味のとおり前立腺という男性の生殖器官でのみ産生されるたんぱく質です。そもそもは前立腺の腺細胞から前立腺の腺腔内に分泌され(図)、精液の中に混じって精液をさらさらにする作用があると言われています。血液検査で測るPSAは、本来は腺腔内に分泌されるものが血液中に“もれでた”ものです。血液中に“もれでやすい”状況になると血液検査での測定値が高くなるわけです。 」

ま、男なら、一生に1回は罹る病気なんだって思ったら気が楽でしたね。^^;
他の男性陣にはまだ罹ったことないのって先輩風(?)を吹かしたりしてましたよ。。。^^

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わたしも多分これだった可能性のある症例を経験しました、、、
なにぶん若い女性で、頚部リンパ節生検はしませんでしたが、、、1ヶ月くらい発熱が続きましたがNSAID(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug :消炎鎮痛剤)のみで、その後は治癒されたようです。

http://www.jcr.or.jp/trc/255/s2/s2_1.html

「症例:10代女児

既往歴、アレルギーは特になし。
現病歴:明らかな誘因なく、圧痛を伴う左頸部腫脹を認めた。その後微熱が続き、近医で抗生剤を処方されるも下熱せず、吐き気、食欲低下も訴えたため入院精査となった。入院時、左頸部は手拳大に腫大していたがその他の部位には特記すべき所見を認めなかった。」

画像:MRIの横断像
      縦断像

「画像の説明:
左頸部の腫大リンパ節はT1強調像で骨格筋よりやや低信号、Gd-DTPAによる造影で、強い増強効果が認められる。」

「鑑別診断:
悪性リンパ腫、炎症性リンパ節炎(結核性、ウイルス性)、SLE、(血球減少が見られるので)血球貧食症候群」

「確定診断;亜急性壞死性リンパ節炎

検査所見は、白血球1900、血小板122000と低下、CRP2.62と上昇していた。血液諸検査、骨髄生検の結果、ウイルス感染、結核性リンパ節炎、膠原病、血球貧食症候群、悪性リンパ腫は否定的であった。左頸部の腫脹は自然軽快しつつあり、生検は行わなかったものの、亜急性壞死性リンパ節炎の診断にて、抗生剤、ステロイドなどの投与は行わず、経過観察のみとした。3週間の経過で、左頸部腫脹はほぼ消失、白血球、血小板、炎症反応の正常化を認めたため、退院となった。

亜急性壊死性リンパ節炎
(subacute necrotizing lymphadenitis, Kikuchi-Fujimoto disease)
概念:1972年に菊池らにより報告された原因不明のリンパ節疾患 
   10−30代の女性に多い(男:女=1:2)
臨床症状:発熱、一側あるいは両側の頸部リンパ節腫脹、腋窩、鼠径部に見られることもある。軽度の圧痛。
検査所見:白血球減少、血症板減少、CRP 陽性 LDH 高値。時に GOT,GPT 高値
予後:抗生物質無効
発熱や頸部痛に対して、非ステロイド系鎮痛下熱剤を投与することがある。発熱が持続する時にはステロイド剤が有効。予後良好で、1−3ヶ月で自然治癒。時に再発。」

http://www2.ocn.ne.jp/~toyamate/rinpa.htm
「リンパ節の腫れ

〜 生理的なものあり、病的なものあり 〜

血管の中を血液が循環していることは誰でも知っていますが、体にはリンパ管という血管よりもっと細くて軟らかい管が、もう一つ張りめぐらされており、その中をリンパ液がゆっくりと循環しています。リンパ管は腸から吸収された脂肪分を運んだり、血管から漏れ出た水分を回収したりする役目を負っています。また、血管とつながっていて、血液とリンパ液の中をリンパ球が行き来し、体の免疫(外から入ってきた異物への対応)に重要な役割を果たしています。リンパ管の途中には、ところどころにリンパ節というろ過装置があって、リンパ液の中を流れている異物や細菌などをせき止めます。そして、このリンパ節の中でいろんな反応が起った結果、それが腫れてくるのです。
【生理的なリンパ節の腫れ】
体の表面に近い部分で、リンパ節がたくさん集まっている場所は、上から、後頭部の髪の生え際〜耳の前後〜首筋〜アゴにかけてのライン、腋の下、そけい部(足の付け根)などです。誰でも、体の中に全部で数百個のリンパ節を持っているのですが、普通は小さくて皮膚の上からさわってもわかりません。ところが、カゼをひいたりケガをしたりして、細菌やウイルスがリンパ液の中に入り込んでくると、まず、リンパ節の中でせき止められます。やがて、それらの正体を見きわめたり、退治しようとして白血球やリンパ球が集まってきて、戦いを挑みます。多くの場合は、白血球方が勝利をおさめますが、その戦いの結果としてリンパ節が腫れてくるのです。多くの場合は、小競り合いですみ、発熱など他の症状は特になく、リンパ節を押さえても痛くありません。大きさもせいぜい小指の頭ほどで、知らないうちに、また小さくしぼんでいます。カゼひきやケガが多くて、しかも免疫の働きが活発な子どもの時に、小さなリンパ節が腫れて、皮膚の上からグリグリさわるのは生理的なことで、全く心配いりません。しかし、扁桃腺が腫れていたり、口内炎があったり、皮膚に傷やとびひがあったりして、どんどん細菌がリンパ液の中に入り続けている状態であったなら、抗生剤を内服して、それ以上細菌が入らないようにします。表面がツルツルしてよく動く、まるで大豆のようなグリグリを見つけて、外来を受診されるケースがよくありますが、以下に述べる、病的なリンパ節の腫れの始まりでしたら、どんどん腫れが大きく(2cm以上)、硬くなってきたり、数が増えてきたり、痛んだり、発熱など他の症状が出てきたりします。様子を見ていて、そのような変化があれば、再度病院を受診してください。

【病的なリンパ節の腫れ】
・ 化膿性リンパ節炎
細菌がリンパ節の中で白血球などの攻撃に打ち勝って、どんどん増え始めると、リンパ節の腫れがどんどん大きくなって、痛みや発熱を伴います。表面の皮膚にまで炎症が及び、赤く熱をもってくることもあります。上気道炎や扁桃腺炎を起している、ブドウ球菌や溶連菌などが首のリンパ節炎の原因となっていることが多いです。血液検査では白血球数が増加し、CRP、血沈などの炎症反応が上がります。早めに抗生剤による治療が必要です。
・ ウイルス性リンパ節炎
化膿性リンパ節炎に比べ、発熱と痛みがそれほどでもありません。通常、複数のリンパ節が腫れています。抗生剤は効きませんが、時間が経つと自然に腫れは治まってきます。
・ 結核性リンパ節炎
普通の抗生剤で効果がない、長びくリンパ節の腫れがあると、疑いを持ってツベルクリン反応をしておく必要があります。
・ 亜急性壊死性リンパ節炎
発熱を伴い、首のリンパ節が腫れて痛みます。原因は不明ですが、自然に治まってきます。最終的にはリンパ節生検(リンパ節の一部または全部をとって、顕微鏡で詳しく調べること)をして診断をつけます。
・ 猫ひっかき病
猫にひっかかれるか、接触すると、その部位に発疹を生じ、近くのリンパ節が腫れて痛むことがあります。バルトネラという細菌の感染により、腫れは数ヶ月続きますが自然に治まります。抗生剤はほとんど効きません。
・ 悪性リンパ腫、白血病などの悪性腫瘍
リンパ節の腫れが親指の頭大を超えてさらに大きくなる傾向があり、硬く、あまり動かず、押さえても痛まず、時には他のリンパ節も腫れてきた場合には悪性腫瘍の可能性も考えなければいけません。抗生剤は全く効果がなく、血液検査では炎症反応は陰性かあまり高くなく、LDHという酵素が上昇していることが多いです。疑えば、リンパ節生検をして診断をつけます。
・ 全身の症状の一つとしてのリンパ節の腫れ
病気の一つの症状としてリンパ節が腫れる場合があります。川崎病、伝染性単核症、若年性関節リウマチ、風疹などです。しかし、この場合はその他の症状の方が前面に出て、「リンパ節が腫れた」との訴えで来院されることはむしろ少なくなります。
・ リンパ節の腫れと間違いやすいもの
おたふくかぜ:耳下腺や顎下腺の腫れが、リンパ節の腫れと紛らわしいことがあります。
蜂窩織炎:皮膚の下の深い部分が化膿した状態です。化膿性リンパ節炎もひどくなると蜂窩織炎を伴います。 」

http://www.geocities.jp/study_nasubi/t/t4.html
「リンパ節腫脹の原因としては,良性のリンパ節腫脹が最も多く,84%程度。このうちの65%程度はウイルス感染症などに付随して起きる非特異的なもので,35%程度は伝染性単核球症,トキソプラズマ症,結核などの特異的な疾患である.残り16%が悪性疾患で,悪性リンパ腫ならびに癌の転移である.

診断のポイント
?@伝染性単核球症
若年者に多い.EBVの感染が原因で,発熱,咽頭痛とともに,頸部などのリンパ節腫脹をきたす.軽度の肝腫大と肝機能異常を伴うことがある.末梢血に異型リンパ球が出現し,血清学検査でEBV抗体としてVCA,EA,EBNA抗体を検査する.VCA-IgMが高値のときには診断価値が高いが,それ以外のときには間隔をあけたペア血清で抗体価の変化をみて判断する。
?A亜急性壊死性リンパ節炎
10〜30歳代の女性に多く,発熱と頸部,稀に腋窩や鼠径部のリンパ節腫脹をきたす.比較的リンパ節は硬く,コリコリと触れる.軽度の圧痛,自発痛をみることが多い.原因は不詳で,確定診断は生検で行われる.予後は良好で,1〜3か月で自然治癒する.
?Bリンパ節結核
側頸部に多い.弾性硬で,多数のリンパ節が融合して腺塊を形成して可動性の悪いことがある.皮膚に難治性の潰瘍を形成し,瘻孔をつくることもある.分泌物があるときには,それを培養する.診断はリンパ節を生検し,病理組織学的および培養検査で確定する.
?C悪性リンパ腫
弾性軟のリンパ節腫脹をきたす.1個のことも複数のこともある.通常は無痛性であるが,急速に腫脹するときには,圧痛・自発痛を伴うことがある.反応性のリンパ節腫脹が否定されたり,診断がつかないときには生検を行って確定診断を行う.病理組織検査だけでなく,表面マーカー,染色体,遺伝子検査も行い,病型の分類を行う.
?D癌の転移
非常に硬く,周囲と癒着して可動性の乏しいリンパ節として触知される.胃癌など消化管の悪性腫瘍は,しばしば左鎖骨上窩のVirchowリンパ節に転移する.その他の癌では,原発臓器の所属リンパ節を中心に転移がみられる.生検して確定診断する. 」

菊池病に関しては以下のサイトが詳しいのでご参照下さいませ。Orz〜

http://www.f-teisinhp.japanpost.jp/pdf/byokinoprofile/ProfileNo.27.pdf
「組織球性壊死性リンハ節炎   菊池病

この病気は1972年に福岡大学・病理学教室の菊池昌弘教授によって発見され、 また同じ年に独立に藤本吉秀氏らによって報告されたもので、病気の単位として確 立してからまだ30年に充たない病気である。 ここ福岡市と周辺地域の医療機関では毎年何例かの患者が訪れる。筆者もこの半 年で2例診る機会があった。おそらく他の地域でも同様であろう。 以前この病気は亜急性壊死性リンハ節炎 subacute necrotizing lymphadenitis と呼ばれていたが、近ごろでは組織球性壊死性リンハ節炎   菊池病 histiocytic necrotizing lymphadenitis (HNL)  Kikuchi's disease と呼ばれることが多く、国際的 にもこの病名が定着しつつある・・・」

ってことで、たまに遭遇することがありますようで。。。
鑑別が大事ですね。確定診断はやっぱり組織(生検なのかな。。。)

画像:頚部リンパ節捺印(Giemsa,HE)・・・すみません、、、アップできません。Orz〜
以下のサイトご参照下さいませ。

http://www.yamagiku.co.jp/byouri/syourei/syourei07.htm
「22歳女性、発熱、頚部リンパ節腫

1) 腫大した副皮質(T細胞領域)に核片(アポトーシス小体)を貪食するマクロファージが集簇する。周囲には活性化されたリンパ球(

閉鎖孔ヘルニア

イメージ 1

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症例 80代、女性。
主訴:腹痛、嘔吐、右大腿部痛。
現病歴:元来健康。急に夜中上記主訴にて受診。KUBx-p(腹部単純立位)にて、二ボー(niveau=
air fluid level:気体液面像)(+) を認め、イレウス(腸閉塞)と診断。入院とし、絶食、点滴にて、精査となる。血尿(+)。以前も同様のアタックあり、他院で尿管結石と診断され良くなった由。体格痩せ形。NSチューブ(鼻から胃に管を入れ、減圧を図る)挿入。肉眼的には、鼠径ヘルニア、大腿部ヘルニアは認めず。CT、エコーにて、閉鎖孔ヘルニアと診断され、上位病院に転送。緊急手術となり、状態回復された。腸管の一部は壊死に陥っていた由。

<閉鎖孔ヘルニア(Obturator hernia)について>

・ 閉鎖孔の外上方で、後腹膜腔から大腿に向けて閉鎖膜を貫いて走行している閉鎖管を通って大腿内
  側に脱出するものをいう。
・ 60歳以上の高齢者が80%を占め、男女比は 1:20〜25 と圧倒的に女性に多い。
  (やせ型の多産婦に多い。)
・ 嵌頓臓器はほとんどが、回盲弁から100cm以内の小腸である。
・ 一般の腸閉塞のうち閉鎖孔ヘルニアが原因となることは0.4%と非常に稀である。
・ ヘルニアは大腿の深部に突出するので、通常腫瘤として気づかれることはほとんどない。
・ ヘルニア門が小さく強靭であるため嵌頓を起こしやすく、嵌頓によって初めて症状が起こる。(小腸
  の嵌頓型は50〜78%が、腸管壁の一部が嵌頓す  る Richter 型嵌頓である。このため初期には不
  完全腸閉塞が生じて腹痛・嘔吐が出ても、自然環納が起こり症状が改善してしまうことがある。)
  自然環納が起こらずに時間が経過すると完全腸閉塞に進展する。そのまま早期診断がつけられず、
  単なる腸閉塞と診断され保存的治療が続けられると、嵌頓腸管が壊死に陥る。
・ 閉鎖管内を走行する閉鎖神経が圧迫されて、膝から大腿内側、時に股関節部に痛みが出現すること
  がある。痛みは大腿を伸展・外転・外旋させたり、咳をさせると増強する(Howship-Romberg
  sign)。

・救急総合診療の本より

開腹歴のない高齢女性の腸閉塞では、大腸ガンによるものと、ヘルニアを考える。鼠径/大腿ヘルニアは身体所見で診断できる。閉鎖孔ヘルニアは、骨盤の閉鎖孔に腸管が嵌頓し腸閉塞で発症する。
高齢で、低身長の痩せ形女性に多い。数年前までは、外表変化が全くないためベッドサイドで診断することは不可能とされてきたが、近年、CT で容易に診断できるようになり、さらに最近では、US による術前診断率が向上してきた。
腸閉塞では、腹部の診察だけで済ませがちであるが、下着を下ろして、鼠径部のUS を行うことが必要である。鼠径靭帯のやや尾側で、外閉鎖筋と、恥骨筋の間に嵌頓腸管が見える。直腸診で圧痛のある閉鎖孔ヘルニアを蝕知できる。
・Howship-Romberg 症状
 閉鎖神経圧迫症状による大腿内側におよぶ疼痛。

<症例アラカルト>

・2003.2.日臨外会誌
大腿膿瘍をきたした Richter 型閉鎖孔ヘルニアの1例

・2003.4.Journal of Joint Surgery
3ヶ月にわたり股関節痛を訴えた閉鎖孔ヘルニアの1例

・2003.6.日本腹部救急学会雑誌
術前診断し得た閉鎖孔ヘルニアの3例

・2004.3.日本腹部救急学会雑誌
4年間、嵌頓と自然整復をくり返した閉鎖孔ヘルニアの1例

http://www.aso-group.co.jp/aih/kouhou/kakuka/housya/tf/case420/answer.htm

画像:右閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウス

「<画像所見>
右閉鎖孔外側に、径約1.5cm大の造影効果を伴わない腫瘤影を認める。腫瘤は骨盤内の腸管と連続し、口側腸管の著明な拡張を認める。閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスの所見。」

上の画像では、腸管内に、二ボーが見られます。
重複しますが、、、
「<解説>閉鎖孔ヘルニアについて

 閉鎖孔の外上方で、後腹膜腔から大腿に向けて閉鎖膜を貫いて走行している穴が閉鎖管であり、内部を閉鎖神経・閉鎖動静脈が通っている。閉鎖孔ヘルニアとは閉鎖管を通って大腿内側に脱出するものをいう。60歳以上の高齢者が80%を占め、男女比は 1:20〜25 と圧倒的に女性に多い。(やせ型の多産婦に多い。)嵌頓臓器はほとんどが、回盲弁から100cm以内の小腸であり、その他大網、卵管、卵巣、子宮などが含まれることもある。一般の腸閉塞のうち閉鎖孔ヘルニアが原因となることは0.4%と非常に稀である。
 
ヘルニアは大腿の深部に突出するので、通常腫瘤として気づかれることはほとんどない。ヘルニア門が小さく強靭であるため嵌頓を起こしやすく、嵌頓によって初めて症状が起こる。(小腸の嵌頓型は50〜78%が、腸管壁の一部が嵌頓する Richter 型嵌頓である。このため初期には不完全腸閉塞が生じて腹痛・嘔吐が出ても、自然環納が起こり症状が改善してしまうことがある。)自然環納が起こらずに時間が経過すると完全腸閉塞に進展する。そのまま早期診断がつけられず、単なる腸閉塞と診断され保存的治療が続けられると、嵌頓腸管が壊死に陥る。閉鎖管内を走行する閉鎖神経が圧迫されて、膝から大腿内側、時に股関節部に痛みが出現することがある。痛みは大腿を伸展・外転・外旋させたり、咳をさせると増強する(Howship-Romberg sign)。

治療は、ヘルニア環納・修復術、壊死腸管切除術が行われる。様々な手術法があるが、最近は腹腔鏡下手術による腹腔外からのアプローチが一般的になっている。」

この疾患の特徴では、大腿部を伸展すると、大腿部表面の神経痛の増強が特徴であり、確かに足を曲げられた状態であった。閉鎖孔ヘルニアは、肉眼では認められないため、エコー、CTが必須。痩せ形高齢の女性に多い。ヘルニアのタイプとしては、嵌頓は稀のようで、ケースレポートを見ても、何年も同様の発作を繰り返し、整形外科や泌尿器科的な疾患としてフォローされるケースがままあるようです。
イレウスの時は、診断のためにパンツを下ろしてみることが必要なのですよ!^^;

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症例4 70歳代、男性。

主訴:朝方の動悸、夜中の息苦しさ、

1年半くらい前から、朝方動悸を感じるようになった由にて受診。
前回のホルターEKGでは、異常ないため、頻脈、期外収縮を押さえるためβブロッカー処方。(異型狭心症というものがあり、日本人に比較的多いといわれる。普通の労作時狭心症と異なり、安静にしていても朝方の冠動脈の攣縮により起こり、この場合、一般に使用される心筋の酸素需要量を押さえて狭心症発作を予防するβブロッカー剤は冠動脈を収縮させるため禁忌)
2ヶ月後に再び、同様の症状にて再診されたため、メインテート服用中のホルターEKGをチェック。息苦しくて目覚めるという1~2°am頃に STの低下を認めた(心臓の血流量の低下あるいは低酸素血症であるが、異型狭心症ならST は上昇する))ため、SASを疑い、夜間SpO2 チェックを行う。

身長:168.7 cm,体重:69.8 kg.BP:130/70mmHg
飲酒:1合、喫煙:なし。

夜間SpO2 で同時刻のSpO2の低下を認めるため、簡易PSG(終夜睡眠ポリグラフ:Polysomnography:スターダスト)施行し、一晩の睡眠中に閉塞性無呼吸120回、1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数 ( AHI ) は 41.8。平均 SpO2値は 97 % で、無呼吸・低呼吸に伴う最低 SpO2値は 85 % を認めた。
上位病院紹介し、CPAP(持続陽圧呼吸:Continuous Positive Airway Pressure)のタイトレーション(適正圧の決定)後、CPAP導入となり、以後、狭心症発作はみていない。
Holter EKG でも、ST の低下は見られなくなっている。

*SAS(睡眠時無呼吸症候群:Sleep Apnea Syndrome)とは。

 米国のGuilleminant(ギルミナー氏)による"SAS"の定義「一晩の睡眠中(6〜7時間)に10秒以上の無呼吸(apnea)が30回以上もしくは、1時間当たり5回以上(AI≧5)起こり、 それによって臨床症状(居眠り等)を呈する状態のこと。 」が用いられるが、実際の臨床で、SASの判定には、無呼吸に低呼吸(hypopnea)を加味した無呼吸低呼吸指数(AHI)が用いられる。特に治療効果の判定にはこのAHIを用いることが多く、例えば診断後にCPAP療法下での睡眠ポリグラフ検査を行い、AHI37から2.8に改善した。というように判定します。 
 睡眠時無呼吸症候群は,一般の健常成人の中にも多数に潜在しています。 高血圧等、上記の症状の他、過労死, 夜間突然死との関連も指摘されており,さらには,仕事や学業の成績が上がらないで,真剣に働く意欲に欠け,性格の変化や性的能力の低下,失職による経済的問題,日中の傾眠による交通事故など, 数々の社会的不適応の原因になっていることが多く,極めて重大な社会問題にもなってきています.
 一般にSASは中高年(30〜60歳)の肥満の男性にいちばん多くみられます。肥満の人は、首やのどの周辺部分にも脂肪がついているため、上気道が狭められて呼吸がしにくくなるのです。患者さんに共通してみられるのは、大きなおなか、小さなあご、短い首の三点です。
その有病率は男性全体のおよそ1〜3%と言われています。SASは女性より男性に多く(1:3)、

http://www.tsuboi-hp.or.jp/main/HTML/TOPIC/asunaro_vol10.html
女性の場合は、閉経後に睡眠時無呼吸症候群が増加することから、女性ホルモンとの関係も指摘されています。女性ホルモンには、呼吸中枢を刺激する働きもあります。これが、閉経前の女性に無呼吸が少ない理由のひとつになっているのだと思います。ところが、閉経後は肥満する女性が多く、かつ女性ホルモンも減少するため、睡眠時無呼吸症候群も増加するのです。閉経後は男女とも発症率ほぼ同じになるというデータもでています。

SASの重症度の判定

 無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index:AHI)という方法で、睡眠時の一時間当たりの無呼吸と低呼吸の平均回数を調べます。
無呼吸とは、睡眠中に10秒以上換気が停止すること、低呼吸は換気が50%以下に低下することです。

  このAHIの睡眠時1時間当たりの数値が

   軽 度 …5〜15

   中等度 …16〜30

   重 度 …30以上

  のSASと判定されます。

 日本人の場合、AHIの数値が30以上になる重症の患者さんがかなり多くいます。
しかし、SASの場合はほかの多くの疾患とは異なり、重症とはいっても、治療によって確実に良くなることが多いので、重症度をあまり気にする必要はありません。早期発見、早期治療がポイントです。

SASの種類

 呼吸の指令を出す脳の障害による中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)と、上気道が閉塞して呼吸ができなくなる閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の2つに大別されますが、OSASが睡眠時無呼吸の原因の95%を占めるとされます。

無呼吸や低呼吸による低酸素血症、高炭酸ガス血症とそれによる血液の酸性化は以下に述べる種々の病気と関連することが知られています。

1)高血圧: OSAS例の40〜70%に高血圧が合併し、特に睡眠時に血圧が低下しないノンディッパー型高血圧の原因のひとつとされ、心血管系への負荷が高まり、心不全、心筋梗塞、脳卒中などの引き金になりえます。
2)糖尿病: 睡眠不足は血糖を低下させるホルモンであるインスリンの効き目を鈍らせることが知られており(インスリン抵抗性)糖脂質代謝を障害します。
3)虚血性心疾患: 冠動脈の緊張を高め夜間の狭心症発作や心筋梗塞の引き金になることもあります。
4)不整脈: 低酸素血症、高炭酸ガス血症とそれによる血液の酸性化は心臓にとっては不整脈の温床になります。
5)多血症: 赤血球の産生が刺激されて多血症を起こし、血液の粘度が高まり末梢循環が悪くなります。
6)肺高血圧症: 肺動脈の緊張の高まりや、上気道が閉塞して胸腔内の陰圧が高まることで、右心系への静脈血の戻る量が増えることで肺動脈圧が上昇します。OSASの重症例では肺高血圧症(平均肺動脈圧30 mmHg以上)やそれによる右心不全を合併し、むくみや運動時に呼吸困難を起こすことが知られています。

睡眠時無呼吸症候群の治療

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のなかでも患者さんの割合が圧倒的に多い閉塞性睡眠時無呼吸症(OSAS)の治療で、もっとも有効性と安全性が確立されていて、第一選択となっているのは「CPAP療法」です。
 CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)とは、直訳すると「持続的陽圧呼吸」で、睡眠時に鼻マスクを装着し、小型の装置から一定圧力をかけた空気を気道に送り、上気道を常に陽圧(4〜20cmH2O)に保つことで気道を広げ、無呼吸の発生を防ぐという治療法で、自宅で継続的に行うことができます。治療開始第一夜から無呼吸から開放され、快適な眠りが得られ、日中の眠気が改善したり、血圧が低下するなどの患者さんも多くいます。又、CPAPの装置は小型なので、旅行や出張に持っていくこともできます。
 CPAP療法はSASと診断された患者さんが月に一度の通院で治療を続ける場合、健康保険の適用となっています。

中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の治療

まず原因となる脳疾患や心疾患自体の治療を行ないます。慢性心不全の患者さんでは約3〜4割と高頻度で睡眠中に周期的な呼吸運動の停止による無呼吸(チェーン・ストークス呼吸)、すなわち中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)を合併すると報告されています。

在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy, HOT)により慢性心不全患者さんの睡眠の質や睡眠時無呼吸が改善し、充生度(QOL)が向上するとの研究報告に基き、2004年からニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類 ?。度以上で、無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上の場合には在宅酸素療法が保険適応となりました。

 OSASの罹患率は、男性3.3%、女性0.5%で、人口の1.7%。SAS予備軍のいびきのある患者は、約5人に1人、つまり、日本に2000万人。この疾患の背景として、内臓脂肪蓄積型の上半身肥満、いわゆるメタボリックシンドロームとのかかわりの高いことが分かってきた。
 SAS患者のメタボリックシンドローム合併率とそのオッズ比は、男性が49.5%で、オッズ比が3.5、女性が32%で、オッズ比が6.6 と明らかに頻度が高い。
 SASの治療としては、CPAP(持続陽圧呼吸:Continuous Positive Airway Pressure)療法が保険適応されており、その装置は現在6万台ほど使われている。自己負担額は、3割負担の場合、月々5,000円程度です。

問診(スクリーニング)
・日中の眠気の程度、いびき、耳鼻科的疾患等の合併症、生活習慣などに関して、問診を行う。
・ベッドパートナー同席が望ましい。
・昼間の眠気の評価には、Epworthの眠気テスト(図)等が用いられる。
どういうわけか、SAS は男性に多いようです。案外調べてみると見つかることが多い感触を持っています。^^v

画像:上:CPAP http://www.sleep.or.jp/cpap/auto.html Orz〜

   これは、うっとうしいっておっしゃる方もありますが慣れるまで少しだけ辛抱が必要かな。^^
下:Epworthの眠気テスト

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