|
山本ふみこさんのエッセイ、かなり何冊も読んでいます。
暮らしまわりのことについての文章を書かれる方です。 この方の本に「こぎれい、こざっぱり」というタイトル
の本がありますが、この方の文書には この形容がぴったりです。
2ページで完結するエッセイを集めた本ですが、まさしくこぎれいで、こざっぱりしています。
日々の暮らしをこんなふうに送っていけるよう、お手本にしたいと思います。
「朝ごはんからはじまる」のあとがきに「孤食」のことが出てきます。
「孤食」とは、「独りで食べる食事」のこと。 今、子どもの孤食が問題視されています。
山本さんは、この「孤食がよくない」とされることも含め、「世の中 こうなっています」ということに「本当にそうなのか」と考えるそうです。
そのエピソードとして、単身赴任をしているお父さんを持つ小学生の男の子まーくんの作文が出てきます。
遠くの会社で働くお母さんと二人で暮らしているまーくんは、学童保育から帰った1時間後の6時45分から一人でお母さんが作っておいてくれたおべんとうばこに入った夕食を食べ、同じ時間に離れた会社にいるお母さんが「どうぞ、ゆっくりかんで。残さずに」と言います。
夕食の食卓を家族が揃って囲んで、なごやかに会話をする、というのが理想形だとして、そのように過ごせる家族がどれくらいの割合で存在するでしょうか。
わが家も、今わたしが単身赴任をしているので、平日は家族そろって食卓を囲むことはありません。
ただ、離れて暮らしていても、家族を想う気持ちというのはあります。 そういうところでも、他者を思いやる気持ちというのは育まれるのだと思います。
「同じ工夫や苦心というものでも、『世のなか、こういうことになってございます』とは、反対の事態のなかで暮らす人びとが日々重ねているそれが、わたしには、とても尊いものに思えます。」(あとがきより)
という言葉は、「孤独」をこよなく愛し、親しい友人のように大事にしてきたという著者だからこそだと思います。
|
全体表示
[ リスト ]




