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ママス&パパス
カリフォルニアドリーミング
夢のカリフォルニア
私がこの曲を聴くようになったときは、すでにナツメロの部類だった。
フラワームーブメントは昔日の名残、遠くカリフォルニアの抜けるような青い空を夢見る、そんな曲想はちょっとセンチメンタル。
*
「わたしの夢は、キャベツ畑の真ん中にちいさなお家。」
その人は言った。
二十歳も過ぎ、アンニュイに組んだ脚の上でラークを燻らせつつ言うようなことではないけれど、艶やかなメイクの下に少女の笑みを垣間見せながら・・・
続けて、その人は聞いた。
「あなたの夢は?」・・と
真っ赤なフェラーリ、ブラバムアルファロメオ、サファリを疾走するランサー
あるいは一冊の詩集・・・などと答えればよかったのか。
私は答えなかった。いや、答えられなかった。
「私の夢は、あなただ」・・・などと歯の浮くような科白を口にできるほど擦れてもいない。
まして、一浪一留の三流私大を、何をする当てもなく、じき追い出されんとする二十歳もとっくに過ぎた男に、どんな夢を語れと言うのだろう。
「夢の力」というが、夢に向かって進める歩みの、如何な小さなものであれ、その歩みこそが力であって、無為のままに過ごす者にとっては、年を経るごと「可能性」が減じてゆくばかりなのだった。
ともあれ・・・
月日は流れ、流れて、キャベツ畑の代わりに、いけ好かない姑のばあさんがばっちぃプランターを並べ、菜っ葉をつくっている裏庭を眺めながら、さて昔日の少女は・・・
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