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悲しませたくない人が、いますか? 誰を、幸せにしたいですか? 誰といると、心が素直になれますか? たそがれ時は、誰と会いたくなりますか? 愛することより大切なことって、何ですか? ただ、愛する人のために。 原作/藤沢周平 監督/山田洋次 満を持して、77作目で初めて時代劇に挑戦 キャスト/真田広之、宮沢りえ 最近の日本映画に、心地よい印象を受けるのは、私だけであろうか。 この映画には、ハリウッド映画のように派手なパフォーマンスや、 演出的なストーリーはない。 幕末の日本、何でもない日常の生活を、極限まで素朴に再現している。 見ていて、その時代に引き込まれる感覚を覚える。 タイトルにもあるように、たそがれ(夕方の薄暗い時、夕暮れ)が映像の キーワードとなっており、夕日の描写が非常に美しく印象に残る。 作品を通して監督が伝えたいのは、「家族愛」であろう。 子供の成長を見守る喜び、それは何にも変えることのできない、人生の生き甲斐。 そして、そこに忍び寄る試練、、、 監督はメイキングでこのように話している。 「客観的に見るのではなく、観客も一緒に呼吸しているような気持ちになる、 登場人物と一緒に、ご飯を食べているような気分になる、 一緒に考え、悲しんだり、喜んだりする」 この作品の随所にみられる、かしこまった独特の言い回しや四季の描写は、 日本映画でしか表現できない特別なものである。 戦後の苦しい時代を、生き抜いた世代でなければ、再現できない作品であろう。 食事のシーンでもご飯を食べた後、お茶碗にお茶を注ぎ茶碗をきれいにし、 お茶を飲み干し洗わずに、そのままお膳にもどすシーンがある。 このようなシーンをじっくりフォーカスするあたりが、さすが山田監督である。 今後、昭和生まれの監督が、このような美しい映像を撮れるのか不安になってしまう、、、
いくら幕末の資料を読んでも、映像を閲覧しても、それはバーチャルな世界。 実体験に勝る感性はないのである。 |

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