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今から30年ほど前のことである。
若かった私はかわいい女性と出会った。
とってもスレンダーで優しい女性であった。
ある時私は彼女を誘って夜のドライブへと出かけた。
若かった私は今風にいう肉食系であった。
まるで夜行性の動物のように暗がり暗がりへと彼女を導いていった。
到着したのは野村ダムサイトであった。
ダムの上の道を渡り対岸の道を登っていった。
するとダムが見渡せる小高い場所を見つけ車のエンジンをきった。
煌々と水銀灯が点いていて眩しいくらい明るい。
しばらく楽しくお話をしていた。
するとまた私の中の夜行性の肉食動物がムクムクと現れ始めた私は車のエンジンをかけさらに暗い桂川渓谷の方へ車を走らせた。
どんどん暗くなっていく。
へへへっと心の中の肉食動物が笑っている。と前に子供が歩いていた。
ダムの明かりがほのかにその子の背中を照らしている。
この先に人家あったっけとおもいながらその子の横を通り過ぎた。
時計を見た。
深夜0時35分・・・こんな時間に子供が・・・でも小学校の高学年くらいの子だ。
彼女をチラッとみると振り返ってみている。
そして「あの子どこにいくんだろう」といった。
さあーと返した私は車のスピードを少し上げ狭い道を桂川渓谷の駐車場まで急いだ。
車を停めしばらく彼女とお話して、急に彼女の唇を求めた。
しかしかわされてしまった。チッ!!
その時彼女が「あれ、あの子がここまで来たよ」と言った。
月明かりで辺りがぼぉーと薄暗くほのかに照らしている中をその子はトイレに入っていった。
私は車をトイレに近づけ入り口近くにヘッドライトをあててあの子が出てくるのを待っていた。
トイレは灯りも付いていない。
5分、10分出てこない。
おかしい・・・
私と彼女は車から降りて恐る恐るトイレに入ってみた。
誰もいない・・・
くまなく探した。
出口は1つである。
ほんとに誰もいないのである。
車に飛び乗り黙って帰路を急いだ。
なんだったのか・・・
その後、友達から野村ダムの対岸のところに幽霊が出るという話を聞いた。
しばらくしてその彼女は人の嫁さんとなり若かったころの面影は今はもうない。
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