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GM商法と日本の経営

昨日のNHKニューススペシャルでGMが世界一の販売高を
保った秘密が明かされた。
なんとそれは、サブプライムローンと同じ方式の営業スタイル
だった。
すなわち、支払い能力の無い購入者にもローンを組ませ、その
ローンを集めいい債権と悪い債権を組み合わせて、証券化し
世界各国に売りさばいたのだ。

まさに詐欺商法と同じである。
その結果業績が落ちたとしても当然のことだ。
大メーカーが金融関係もし始めたときは、販売や経営上の
からくりに使われる可能性があるのかも知れない。
経営哲学も無く、ただひたすら利益追求に走る企業は、ユーザ
ーの期待に応えられなくなりやがて衰退するようだ。

幸い日本では多くの大企業は根底に日本の伝統的な商業道徳を
大切に持っているようだ。
江戸時代の大商人たちは、家訓を残した。
石田梅岩(二宮尊徳にも影響を与えた)の石門心学は多くの
商人に影響を与えた。
(心学の考え方はマックス・ウェーバーの名著「プロテスタン
ティズムの倫理と資本主義の精神」で指摘したカルヴィニズム
の日本版としてアメリカの学者が注目している。
元々江戸時代の日本には資本主義に近い経済活動が発生して
おり、その原因は、日本で独自に理論展開した陽明学等の儒教
思想も絡んでいるのではないかと思ったりもしている。)
質素倹約とか信用第一とか勤勉とか近江商人の三方よし(売り
手よし、買い手よし、世間よし:伊藤忠商事では三方よしの
精神を実践していて、その考えはCSR=企業の社会的責任の
源流であるとしている。それ以外にも三方よしの考えを持つ
企業も多い)等多くの徳目は、今も日本の商業道徳として日本
人の心に生き影響を与えている。

日本では、会社の業績が悪いのに役員が高給を取るような感覚
は通常無いが、アメリカでは政府支援を受けている金融機関の
役員や従業員が高給のボーナスを受けることに、オバマ大統領
が怒ったのは最近のことだ。

しかし残念なことに、最近は日本の官僚や大企業経営者たち
のなかにも、思想哲学も無くただ儲かればよい、自分たちの
組織や自分の利益になればよいといった考えの、理想も無く
汚く評価に値しない人が増えたような気がする。
彼らには人間としての誇りは無いのだろうか。
日本の世界に誇れる、良い精神的伝統は継承して欲しいと思う。

賃金カット

不況の深刻化が予想どおり進行しているようだ。報道によると
自動車産業各社が操業停止し、賃金カットの方向で進んでいる
という。

賃金カットは労働者にとって好ましくない事だ。
しかし、従来のように正社員のリストラを進め、残った人で
残業をこなす(残った人は従来と同じ給与をもらう)といった、
勝ち組と負け組みを作り、負けた方はゼロで、勝った方は所得
は同じかプラスという方式よりは良いように思う。

従来の、余剰人員を首切りする方式は、リストラにあった人
だけが地獄をみることは、バブル崩壊後の大不況で多くの
会社員が体験している。リストラにあった人達は、転職後
の会社の規模は小さくなり、給与等の待遇は、元の会社より
大幅に悪化するのが常識である。
しかも、景気が回復すると、リストラした会社はスリム化して
いるため高い収益を上げる場合が多く、人員採用も行っている。
しかしリストラされた元の従業員は、元の会社に戻ることは
無く、元の会社よりかなり賃金の低い条件で働いていることが
多いとよく聞く。
リストラにあった人と、リストラにあわない人では、実力差を
はるかに越えた所得格差が付いていることは想像でき、リス
トラされた人は、強い不公平感を持っているであろう。
また年功序列で高給を取っているのが原因のリストラの場合は、
今まで会社に貢献したのに裏切られたという思いはあるだろう

景気が回復すると、リストラした会社も、中途入社や新入社員
を採用するようになるが、リストラした元の従業員を採用する
ことはあまり聞かない。しかし、中途採用者や新卒よりは、
今まで勤務した経験のある人の方が経験豊富な分、生産性は
高いことが予想され、会社にとってもメリットがあると思う。
年功序列で給与の高い人の場合は、会社の実情に合わせ給与
体系を見直せば良いと思う。

以上のような意味で、前回の不況のように、会社が安易にリス
トラに走らず、ワーキングシェア的要素の強い生産調整を行う
傾向にあることは、人生設計を狂わされ、転落する不幸な人を
少なくする意味で、やむをえない選択のように思う。組合も
会社も株主も、運命共同体としてお互い苦しい時は痛みを分け
合って困難な時期を乗り切るのが良いように思う。アメリカ
型の市場原理主義や新自由主義的経営観や価値観で会社経営
することが、人類の幸福に役立つのかどうか、私は疑問を持っ
ている。(会社の経営方針は、実質会社を動かす経営者や
従業員が価値観を共有することでうまくいくと思う。資本の
論理で走っても特にものづくりの会社では、会社としてうまく
動かないと考えている。金融関係は資本の論理が通用する。)
そのような意味でも、業績の悪化を人件費削減でカバーし
配当や役員賞与を据え置くとすれば問題であろうと思う。

ここでは、非正規従業員問題は触れていないが、基本的に
非正規従業員である限り、業績の調整弁になることは、雇用の
性質上やむをえないと思うし、それが前提の非正規従業員だと
思う。
従って問題解決には、派遣労働や契約社員等の非正規従業員の
業種を本来の形の給与水準が高い専門性の高い職種に限定
すべきなのだろう。更に非正規従業員にも最低限のセフティー
ネット(雇用保険、健康保険、年金等)は義務化するべきと
思うのだが。

世界同時株安

今日株が大幅に下がった。
日経平均株価の終値が前週末比535円安の1万3325円で
約2年3カ月ぶりの安値に落ち込んだ。
中国・上海と香港の株価指数も5%以上下げるなど他のインドや
アジア市場も軒並み大幅下落。
欧州株式市場も午後11時現在大幅安となっている。
世界同時株安の様相だ。

アメリカのサブプライム問題が中国にも波及し始めた。
それ以外にも様々な、景気の悪材料が出ている。
更にアメリカ政府が1月18日に発表した約15兆円の減税中心
の景気対策の効果ですら疑問符がついている。(歳出増でない)
不況になる懸念があるというのでブッシュ政権は緊急対策として
打ち出したが、市場には信任されなかったようだ。
アメリカの消費も落ち込んでいる。
日本でも建築基準法の問題もあるが、マンションや住宅の販売
そのものが落ち込んでいるのだ。
消費者や経営者のマインドも悪い。
外人投資家は日本株を売り急いでいる。
日本経済を信用していないのだ。

それもそのはず、最近まで日本経済の成長は輸出で支えてきた。
国内の人件費を抑制しパートや派遣といった非正規雇用を増やし、
雇用を不安定にし、結果的に労働者の勤労意欲をそぎながら
コストダウンすることで、競争力をつけ輸出を増やした。
短期的には、構造改革の効果は上がるが、長期的には労働者の
所得は減り雇用が不安定な為、国内消費による内需は、伸びない。
更に派遣やパート労働者の会社への帰属意識は低下し、見えない
ところで製造品質や設計能力の低下やサービスの低下が起こり、
今後競争力にも影響する可能性は大いにある。

更に株安とセットで以前のブログで述べたように円高が発生する。
(通常は景気が低下すれば、その国の通貨は国力の低下に見合っ
た分その国の通貨も安くなるのが普通)
それに追い討ちをかけるように、株安とともに各国の消費が
低迷する可能性がある。(中国にもサブプライム問題が飛び火した
とすると、アジア全体の経済にも影響を与えるかも知れない.)
それ以外に、政府ファンドやその他投機資金が商品や原材料や
農産物の商品取引にシフトしている為、各国とも不況になっても
価格が下がらないスタグフレーションになり、更に企業経営を
悪化させる可能性がある。
またヨーロッパは、各国の金融機関がサブプライムの損失を受け
ており、すでに大企業の一部に対しても貸し出し規制が始まって
いるという。
このような状態の可能性を考えると、輸出産業に関しては、アメ
リカの消費の落ち込みをアジアやヨーロッパでカバーできると
いった年の初めの楽観的見方も怪しくなる。

株安で金融機関も含み資産の減少で融資には、慎重にならざる
を得ないだろう。
今後全体的に需要の低迷と企業業績の悪化がなければよいが、
と願うばかりである。

今日のNHK「クローズアップ現代」「2008年新マネー潮流」
は、珍しく時間を45分延長し特集を組んでいた。
その内容は、NHKならではの取材分析力で、現在の世界経済の
経済と政治のダイナミックな流れを我々に映し出してくれた。
そこには、これからの世界経済と日本経済の今後を予測し考え
させられる重要な視点が提示されていた。
元大蔵官僚の榊原氏の豊富な人脈と情報量に裏打ちされた、鋭い
分析力と指摘には大いに納得させられた。

その概要はNHK のHPによると次の通りである。
「いま世界には150兆ドルとも言われる天文学的マネーが
あふれている。その流れは、米・サブプライムローン破綻を
きっかけに大きく変わりつつある。混乱した金融市場を嫌い
原油や穀物市場に流れ込んだマネーは、ガソリンや食料品の
高騰といった形でわたし達の生活を直撃している。また、
アメリカ経済の減速が世界経済に及ぼす影響も懸念されてい
る。2008年、わたし達の暮らしや景気を左右する"マネー
の潮流"はどう変わろうとするのか。それを、(1)オイルマ
ネーと政府系ファンド、(2)アメリカ経済の今後、(3)
中国"バブル"の行方、の3つのキーワードをもとに、日本と
の関係で読み解き、2008年を占っていく。
ゲスト早稲田大学教授 榊原 英資さん
三菱UFJ証券チーフエコノミスト 水野 和夫さん」

基本的な内容は、今までサブプライム問題に関して書いてきた
内容と大差ないが(元々この問題の情報源の多くをNHKから
引用しているので当然の帰結)目新しい視点や注目すべき点を
指摘したい。

まず余剰資金の正体であるが、以前は先進工業国が蓄えた利潤
が過剰流動性資金となってヘッジファンドの形で、通貨危機
等を招いた。
現在は、高騰する原油価格を背景にしたオイルマネーが主役で
そのオイルマネーを政府が吸い上げ自国の利益の為ファンド
を組んでいる。それ以外ロシアや中国も政府系ファンドを組み
始めている。
政府系ファンドは以前からノールエーやシンガポール等あった。
それらは利益を生むことを目的とし、透明性も高かった。
しかし新しい政府系ファンドは、透明性がなく戦略的可能性が
高く非常に政治的色彩や国益が強く出る。
しかも先進国の主要産業やハイテク分野への投資も強めており
(例 中東の政府系ファンドがソニーに大規模な投資をし始め
たり、ロシアのファンドがイギリスの会社に投資したりしている。)
アメリカのCITYバンクは1兆9千億円の損失をサブプライム
問題で出したが、アブダビ投資庁=ADIA(アブダビ首長国財
政の健全化を図る一方で、天然資源の枯渇に備えた将来世代の為
に、金融資産の保全と有効活用が責務。アブダビ財務庁から政府
収入の内の余剰分を運用 5,000億〜1兆米ドルとの外部評価)
がシティグループに8100億円の出資したという。(ADIAは
この出資に際し、シティグループの経営に関しては一切の権利を
持たないことに合意している。)

こうしたオイルマネーは今も膨張し続けている。(巨額に)
それに加え中国ロシアを始めとするブリックス諸国もお金を持ち
始めている。
今まではアメリカの消費経済が世界の景気を左右し、世界のお
金はアメリカに投資されてきた。
その構造が根本的に変わりつつある。
世界のお金の流れが変わり始めたのだ。
オイルマネーや政府系ファンドは、投資先を多角化しており、
アメリカ以外の国のものにも投資している。(商品投機等)

世界のお金の流れを変えたのは、サブプライム問題だ。
今までアメリカの住宅価格は上がりローンで家を買い転売する
ことで利益が出、それがアメリカの消費経済の拡大につながり、
アメリカ経済を牽引してきた。
ところが住宅価格の下落が始まり日本のバブル崩壊と同じ現象が
発生している。
信用収縮が始まったのだ。
信用の対象、住宅ローンだけではない、個人のクレジットもある。
そうしたものも、信用収縮で銀行の貸し出しが慎重になったり
日本でも問題になった貸し剥がしでも起きれば、アメリカ経済は
更に沈滞するであろう。
アメリカの関係者の一部は、日本のバブル崩壊での対応の仕方を
注目している。
日本同様、金融機関への公的資金が必要ではないかと、見る日本
の関係者もいる。
カリフォルニア州の売上税がマイナスに転じたという。
ある州では、学校の教員給与を各学校から預託された資金を州で
集め資金運用でまかなっていたところが、サブプライム問題で資
金凍結され、先生への給与の支払いが出来なくなっているという。

サブプライムの損失はOECDでは33兆円と見ているが実態は
不明で50から60兆円と見る専門家が多いという。
クレジットも証券化され売られており、サブプライムと同じ問題
を含んでいるという。

今ドルの信用は急速に失われ、ドルの価値が下がり投機マネーに
より不況で物価は上がる、スタグフレーションの状態になるかも
しれなという。
しかも物価は乱高下し、中央銀行のコントロールが効かなくなっ
ているという。
石油に関しては、不況になると需要が減るので下がるだろうという。

中国経済は過熱しバブル状態であるが、オリンピックが済むまでは
この状態を続け各金融機関の新規融資停止等で金融引き締めをして
いる。
オリンピックが済むと人民元を切り上げや金融引き締めに舵を切る
可能性が強く、一気に中国経済が冷え込む可能性があるとの事。
今中国を始めブリックス諸国には実体経済以上の資金が流入して
いる。
しかも中国経済はアメリカ経済に依存しているところが大きい。
従ってアメリカ経済の崩壊により、世界的信用収縮が起きる可能性
があるとの事。
結果的に、その時日本は海外のバブル崩壊の波に洗われることに
なる可能性もある。
(ニュースで伝わる財界関係者の話では、このまま成長の停滞する
期間が夏過ぎまで続き、秋口から徐々に上向くという予想が多いの
だが、この番組を見ていると、もう少し悪くなるように見える・・)

投機資金のため農産物価格はトウモロコシで1.8倍、大豆で2倍に
なっている。 (酪農農家が飼料高騰で大打撃を受けている。)
日本の商社はこれを打開すべく、ブラジルで農地を購入し安定供給
に乗り出した。(三井物産)

日本の産業を見るとはっきりと二極化している。
全産業の二割程度と見られる、海外リンク型(輸出入等)企業は
成長し景気が良い。
6割を占める国内市場中心の企業は成長しておらず、海外関連企業
との格差は年々拡大している。
(格差問題の別の切り口を現実のデータで教えられた。)
国内の多くの企業は、海外に販路を求めようとしない。
しかも製品は、過剰品質である。(例 携帯電話:多機能)
中国メーカーは、途上国に向いた単純で安い製品を作り需要を
伸ばしている、といった指摘がコメンテータからあった。

現在は資本主義の曲がり角であるという。
コメンテータによるとマーケットに任すのは良くない。
政府系ファンドを含め市場原理主義を抑える国際的枠組み
やルールが必要だ、との指摘がコメンテータからあった。

再び経済大波乱?!!

新年早々海外の経済に激動があった。
正月気分で浮かれている場合ではなさそうだ。
明日は日本も大波をかぶるかも知れない。。
1.NY株価が大幅に下がった。
  (約221ドル安の約1万3044ドル)
2.WTI原油の先物価格が1バレル100ドルを越えた。
(昨年末約96ドル)
3. NY外為の円相場、109円台となり
(109円61〜71銭)約2円の大幅な円高ドル安。

原油高と円高は相殺されるが、輸出産業には深刻な打撃を与える。
日本経済は、いままで技術力と経営努力により、幾度となく似た
状況を乗り切った実績もある。
現在は、更に技術力は高まり企業体質も強くなっている。
しかし世界経済全体が沈滞した場合は、手の施しようがない。
ただ中国をはじめとするアジア経済が好調なので、アジア経済
との関係を強化することにより、リスクは減らせるのかもしれない。

短期的には、株の大暴落による経済の萎縮が起きる可能性もある
かもしれない。
大量の余剰資金を抱えた国家レベルを含むファンドや投機マネー
は株から資源に移っているが、今後目先の短期の利益を追い求め
株・原油・(貴)金属・農産物・不動産企業買収等の投機先を探し次々
と投機先を変え動くのだろう。
その動きは予測しがたいし、どのように経済に影響を与えるのか
分らない。
いずれにしても投機資金が動くと価格が上昇し、経済活動を抑制
する方向に働くので危険だ。
当分の間経済が激動する可能性がある。
サブプライム問題を震源として起きるこれからの経済の動きを
注意深く見守り、最悪の事態を予想し備える必要があるかもしれ
ない。
しかもサブプライムの出口は見えておらず、アメリカの住宅価格
は低下を続け11月の米中古住宅販売が2割減という深刻な状態
で個人消費への悪影響も及ぼしている。
まさに日本のバブル崩壊と似た様相を呈し始めている。
アメリカの国力が相対的に低下し、今後更にドルの価値も低下
するかもしれない。
各国の政府と中央銀行が国際協調して、投機資金対策も含め
一刻も早く有効な手を打ってほしいと思う。
(欧州中央銀行(ECB)は28日、1週間もので200億
ユーロ(3兆3000億円)の資金を金融機関に供給し、前週に
年越し資金として3486億ユーロを供給するなど、こまめに資金
供給を継続しているが、中小金融機関ではまだ資金不足を起こして
いるという。事態は深刻なようだ。)

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