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8月30日に新総理になった野田氏が行った党人事には、始め驚かされた。幹事長が輿石氏で政策調査会長に前原氏そして国会対策委員長に平野氏を選んだ。一見挙党体制確立のため小沢・鳩山連合を丸々取り込み妥協に妥協を重ねるのかと思った。
しかし、よく考えると幹事長や国会対策委員長は、野党との交渉の最前線であり、野党との関係をこじらせれば、ねじれ国会では政権運営が立ち行かなくなることは、目に見えている。小沢氏に近いグループは三党合意には否定的だ。更に小沢氏の処分も見直したい意向だ。(代表選挙での海江田氏の発言を見れば明らかだ。)
ところで、菅政権は、最初から野党との関係で政権運営がうまくいかなかったために、政治は停滞気味だったといわれる。菅元総理自身が、不用意な言動で野党を刺激し関係をこじらせたことも原因の一つだ。さらに菅政権では、執行部を反小沢グループで固めた為、小沢・鳩山グループが党内野党となり、政権の足を引っ張った。内閣不信任案に同調しようという小沢派の組織的動きも出て、党内分裂の危機さえあった。このような状況では、政権運営もうまくいくはずがない。小沢氏は選挙期間中でも菅政権の執行部を公然と批判していた。これは、戦争中に味方に後ろから撃たれるのと同じ程異様な出来事だと思った。
菅政権の時に、小沢グループ排除に動いた理由は、菅政権の前の段階の、鳩山・小沢コンビのときに、幹事長の小沢氏が党の財政も人事権も握り、小沢氏の息のかかった新人議員を大量当選させ小沢氏の勢力を大きくしたという思いが、根底にあったのかもしれない。その結果、民主党の国会議員の構成が世論の方向とねじれている(世論調査では小沢氏を支持しない人が多い)のも、このあたりが原因なのだろう。さらに鳩山内閣での小沢幹事長による、幹事長室への陳情の一元化や、利益誘導体質(過去の選挙協力への姿勢を予算付けに絡ませる等)が明るみになり、クリーンでないと批判を浴びていたことも影響したかもしれない。
こうした対立は、先日の代表選挙まで続きたが、反小沢グループの野田氏が新代表に選ばれた。野田代表が前執行部と似た構図になれば菅政権と同様の党運営になるだろう。しかし野田氏は輿石氏を幹事長にした。実は菅執行部の岡田幹事長の間に、党財政の運用の体系が、小沢幹事長時代の反省から選挙や政治活動資金等の運用が透明化され、誰が幹事長をやってもある程度、党資金の運用が公平に進められる体制になっているのではないかといわれている。したがって政治や選挙活動で親小沢、反小沢で扱いが異なることはなくなるので、財政運用面では余り心配ないという。(小沢幹事長時代は、党本部から党支部への政治資金配布について党内で問題になっていた。)
輿石氏が幹事長になると、輿石氏が小沢・鳩山グループの意を汲んだ党運営をするだろうから、小沢・鳩山グループは執行部に対し異論は出せなくなる。更に前執行部と野党との合意事項は、公党間の約束として尊重される。現に今日輿石幹事長は、自民党との会談で三党合意の履行を約束している。その中には民主党のマニフェストに絡んだ、問題もある。前執行部は小沢・鳩山グループから、激しい批判を受けていた。それが新執行部でどのようになるか注目される。
国会対策委員長になった平野氏も同様のことが言える。野党との折衝で妥協しなければならないことも多くある。その中には小沢・鳩山グループの意に沿わないこともいろいろ出てくるだろうが、平野氏が執行部でいる以上批判は出来ない。幹事長ポストも国会対策委員長ポストも外部要因で大きく動きを制約されるのだ。同時に公党間の関係により、前執行部と野党との約束にも拘束されるので小沢・鳩山グループの言うような初期マニフェストの厳守の主張については、野党との関係で問題が多くなりグループ内では自己矛盾に悩まされるかもしれない。
ところが、政策決定の中心となる政策調査会長には前原氏が就任した。当然のことながら民主党でのマニフェストを含む政策議論の主導権を握ることになる。政策立案段階では、外部の影響を受けることは少ない。政策は政党にとって最も重要で、政策実現が政党存在目的そのものであることは言うまでもない。
このように見てくると、野田新総理は、名を捨て実をとった、したたかで、うまい執行部人事をしたのかもしれない。
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