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息子が、最近、聾学校時代の友達に会ったときの話を聞きました。息子を含めて3人で会ったとのこと。息子以外の2人は、同じ有名私立大学に入っています。その彼らの会話が自分たちの学歴を自慢し、有名大学でない他の友達を下に見る内容だったようなのです。 この話を聞いて、ちょっと悲しくなりました。2人とも、学力はかなりあります。でも、自分たちを取り巻く環境をどれだけ理解しているのかが不安です。 息子たちは3人とも聴覚障害者です。私が知る限り、3人とも聴力は決して軽いほうではありません。有名大学に入ったことは素晴らしいことでしょう。でも、それで人生が幸せに過ごせるわけではありません。 世の中が実力主義になっているとよく言われています。この傾向は今後もっと顕著になっていくでしょう。実力主義の世の中になったときに、聴覚障害者はどう評価されるのでしょうか。日本はアメリカと違って、同一文化・同一言語を前提とした社会です。このことは、当分変わらないでしょう。そうすると、日本語で仕事が出来ることが聴覚障害者の評価ポイントになるのだろうと思います。つまり、ポイントは、「日本語で仕事ができること」であって「出身大学」ではないと思われます。 私たち、親の世代は、難関大学は一流企業につながり、多くの人が難関大学に入ることが人間の価値を決めるように育てられました。息子の友達の会話に現れている学歴意識は、多分、彼らの親が持つ意識でしょう。彼らの親や親族が、家庭内で息子たちに直接あるいは間接的に伝えてきたことだと思います。 老舗大企業は、今でも他の一般企業と比べると、成果主義の度合いが弱いようです。私はその類の企業に勤めていないので、具体的なことはわかりませんが、まだまだ学閥・学歴がモノを言うらしいことを聞いています。 しかし、私たち障害者の親が考えるべきことは、わが家の子供たちが、今後どういう環境で暮らしていくのかということでしょう。たとえば、彼らが運よく有名老舗企業に入ったとして、学歴がよいポジションにつける要素になるのでしょうか。聴覚障害者は聴者より、仕事の出来がずっと重要視されるのではないでしょうか。まして、ベンチャー企業は、学歴は関係ありません。実力勝負です。 親が生きてきた条件と障害者の子供たちが生きていく条件は全然違うのであろうと考えます。彼らに要求されるのは、まず日本語で仕事をこなす実力だと思います。その実力があれば、学歴はどうでもいいはずです。 こう考えると、私たち親は、子供たちが自分の力を十分育てられる環境を考えて学校を選ぶべきです。聾学校を出たあとは、情報保障が十分出来ているか、先生方に障害者への配慮が十分あるかが学校選択の大きな条件になると思います。有名大学へ入っても、情報保障がしっかりしていないために、講義内容がわからないのでは意味がないのです。 わが家の息子たちは、一般に言われる成果主義より、はるかに厳しい成果主義の環境で生きていくことになります。聞こえないことを前提として、どう動けば成果を残せるかを問われます。学力に加えて、人との関わり方・推測力・情報のありかを探る力・一般常識力など広範囲の実力が要求されます。 こういう状況を踏まえて、私たち親は、子供たちに間違った価値観を与えるのを避けるべきです。親の育った環境と違って、現在の聴覚障害者にとって学歴は大切ではありません。学歴で人を判断するような価値観を植えつけると、あとで子供たち本人を不幸にします。「子供のためになることは何か」を自分の考えのワクをはずして考えること。それが親のすべきことでしょう。
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私は聾学校育ちで大学に進学した数少ない部類で、大企業に入社して先端技術に関する仕事を続けていますが、それでも社会の厳しさに屈している部分があります。独学できる力がなければ、先端技術に関する仕事を続けるのも難しいんだと思います。成果主義の時代になった今、大卒以上でないと採用しない大企業も増えていますから、その意味では学歴は重要になってきたといえるのではないでしょうか?中小企業でも根性論は重要視されていて、ニートが増えて精神的にも難しい時代になりましたが、簡単にへこたれずに頑張って仕事を続けていく精神力も求められていると思います。
2007/7/23(月) 午前 11:03 [ 通りすがりの者 ]
突き放した言い方をしますが、息子さんよりもいい大学に入ったことについては、素直に「負け」として認めましょう。人生はこれで終わりではありませんから、息子さんが「有名大学でない他の友達を下に見る」ことが気になるなら、見返してやればいいです。見返すことができなければ、これまた「負け」ですね。(何をもって勝ったと見るのかという議論もありますが)
「有名大学へ入っても、情報保障がしっかりしていないために、講義内容がわからないのでは意味がない」はcsj_oさんの言い分として理解しますが、社会がこれに対して理解してくれるとは限りませんよ。
2007/7/23(月) 午後 0:52 [ 通りすがりの者 ]
もう一つ考慮されなければならないのは、職場でバリバリ働きたいと思うのならば、周囲の健常者たちとしたたかにうまくやっていけるだけのコミュニケーション能力が備わっていた方がいいと思うんですね。
その意味では、学歴の低い人を見下ろすような人は、その時点で人間性に欠けているわけですから、相手にすることはないと思います。
2007/7/23(月) 午後 10:46 [ 通りすがりの者 ]
現役で働いていらっしゃる方からコメントをいただき、感謝しています。私の考え方に、大筋で共感いただいたものと理解しています。大卒以上でないと採用しない企業が増えているんですか。それは、大学での知識が必要だからでしょうか。であれば、やはり講義内容の理解が大切ですね。いろいろ考えさせられます。
2007/7/29(日) 午前 10:17 [ csj*o ]
こんな記事がありました。
http://www.asahi.com/life/update/0731/TKY200707310417.html
1) 進学希望者が、短大→4年制大学に移行している
2) 大学人気の二極化が進んでいる
大学の専攻とまったく関係ない業種に就く人もいます。それじゃ何のための大学なのかという話にもなりますが、企業側で言うと、
a)学力が高く即戦力になるという意味で、「大卒」に期待したい
b)上位大学だと「勉強できる」点が考慮され、専攻に関係なく採用しやすい
という面があると思います。
2007/8/2(木) 午前 9:51 [ 通りすがりの者 ]