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生のオーケストラを聴いてみたいという息子を連れてコンサートに行ってきました。
彼は高校三年ですが、先日進学のめどがたったので、慰労をかねたプレゼントです。
普段はぼくが紹介したロックバンドのワンオクやSUM41などを聴いていますが、クラシックピアノを習っていたせいか、いつしか交響曲などにも興味を持ったようです。
どうせなら音響の良いサントリーホールか東京オペラシティコンサートホールで聴きたいので、ふたつにしぼって1月までの公演をチェックしました。
調べてびっくりしたのが、ウィーンフィルもベルリンフィルも来日公演中であったことです。おまけに、ぼくも注目しているティーレマン指揮ウィーンフィルはベートーヴェンチクルスだし!
もちろん超人気オケなので完売です。
12月は第九、1月はニューイヤーコンサートなどで結構埋まっていて、好みのプログラムでチケットが取れるものは中々ありません。
そんな中、公演の三日前ですがチケットが売れ残っていたこのコンサートに注目しました。
アンドリス・ネルソンス (指揮・音楽監督)
エレーヌ・グリモー (ピアノ)
バーミンガム市交響楽団
<曲目>
ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98
2013年11月19日(火) 東京オペラシティ コンサートホール
指揮者はウィーンフィルやベルリンフィルも指揮した若手実力派。さらにぼくが好きなワーグナーをバイロイトで指揮したとなれば聞くしかありません。18日はワーグナーのローエングリーン序曲が組まれており、迷いましたがブラームス4番が聴きたいのと、ピアノ協奏曲の方が息子には合うとの思いで19日にしました。
サンプル音源があれば、息子に聴かせようと思い調べたら、今年NHKで録画したものの、まだ見ていなかったティーレマンのブラームスチクルスのDVDがありました。もしやと思い確認したところ、交響曲4番と共にピアノ協奏曲1番も録画してありました。聴かせてみると気にいってくれたので、チケットを購入しました。
〜そして当日〜
1曲目は初めて聴く曲です。大変歯切れの良い演奏で、序曲だけにオープニングにピッタリです。短い中にもベートーヴェンのエッセンスが感じられ楽しめました。
ピアノ協奏曲の第1楽章は古典的で重厚なオケの音が目立つ構成です。やや地味目な音楽が長々と続き、まだビデオで一回見ただけの僕にはやや我慢が必要でした。それでも、ネルソンスとグリモーの好演で緊張感を持って聴くことができました。
しかし、そんな思いは続く2楽章と3楽章によって吹き飛びました。
穏やかでロマンチックな曲調の中で、グリモーの繊細なタッチとしなやかな感性に酔った2楽章。一方、男性顔負けの強靭なタッチとバワーでオケと鎬を削る圧巻の3楽章に大興奮!
ネルソンスの指揮も、ダイナミックで、緩急自在、グリモーと息がピッタリでした。
演奏後はグリモーへの賞賛の嵐で、何度も呼び出され、一部なのにアンコールでソロまで弾いたのには驚きました。コンチェルトを生で聴いたのも初めてなので、そういうのは初体験でした。
さて、第二部の交響曲第4番は、ロックの名盤、YES「こわれもの」の中でリック・ウェイクマンが第3楽章のモチーフをシンセサイザーでアレンジしたことでも知られています。
この曲を楽しみにしていたのですが、あまりにもピアノ協奏曲が衝撃的だったので、興奮がおさまるのに20分の休憩では足りないのではと思うほどでした。
しかし、そんな懸念は冒頭のせつない弦の旋律に引き込まれてすぐに消えました。
ネルソンスの指揮は、大きなアクションで、指揮台の上を右に左に動きまわるエネルギッシュなものでした。
また時には指揮棒を持ち替えて掌を使ったり、まるで優雅な舞のようなでした。
そんな若々しい指揮と一体になったバーミンガム市交響楽団の見事なアンサンブルにまたまた大興奮させられました。
息子も生のオーケストラの音と、熱い演奏に圧倒されたようで「ヤバイ」を連発していました。
僕も20数年ぶりで聴いた生のオーケストラの音に、酔いしれました。
まったくなじみのないオーケストラと指揮者・ピアニストでしたが、予想もしない素晴らしい演奏に巡り逢え、心を鷲づかみにされた夜でした。
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