緩速ろ過から生物浄化法ーおいしい水を求めて

現場から学んだ知恵と技術 生物屋 中本信忠の奮闘。目からウロコの話

最終講義・Roots

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「積善」、「寸鉄在手」の掛軸を見て育った
「積善」は佐久間象山(1811.3.22.〜1864.8.12.:信濃松代藩士・佐久間一学の長男として生まれ、幕末に活躍し、京都で暗殺された)の書である。
http://blogs.yahoo.co.jp/cwscnkmt/20467031.html
「寸鉄在手」は福島安正(1852.10.27.〜1919(大正12).2.19.):信濃松本藩士・福島安広の長男として生まれ、陸軍大将、東京の自宅で死去、67歳)の書である。安正は、1892(明治25年)欧州から帰国に際し、シベリア鉄道の状況を視察するために、ポーランドから東シベリアまで、1万8千キロ、1年4ヶ月かけて、馬で横断し、シベリア鉄道の状況を実施調査し「シベリア単騎横断」として有名である。英、独、仏、露、北京語を駆使したと言われる。「寸鉄」とは護身用の小刀を意味している。
 ブラジルの調査では、必ず「小刀」を購入して持ち歩いた。毒蛇や毒虫などに噛まれた場合のためである。安正も軍人であり、常に「寸鉄」を身につけていたのであろう。

 二人とも、現在の長野県出身であった。私は、東京で育ったが、長野県の信州大学に就職した。この二つの掛軸は、東京で私が寝ていた寝室に掲げられていたものである。この掛軸を見て育った。

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おいしい水を求めてのルーツ(背景)9の9
9:生物現象の活用の拡大(25-27:27)
  25.メロシラの大量培養
  26.珪藻メロシラの効能
  27.最後に

25.メロシラの大量培養
 上田市の染屋浄水場でパイオニア植物として糸状珪藻メロシラが常に優占していたのは、河川表流水を取水し、短期間で削り取り作業をし、捕食動物を常に排除していたからであった。常に遷移現象の初期状態を保つ仕組みがあった。この仕組みは、日本各地の浄水場を調べ、自然とわかった(図89)。
 川の水には湖沼と比べ、栄養塩が豊富です。常に河川水が流入する連続培養系では、栄養塩の制限になりにくいのです。また繁殖した藻が自動的に流出すれば、底の砂層面は光制限もなりにくいのです。河原には湧水があり流れがある場所では、糸状珪藻メロシラが大繁殖をしていました。濁りがなく、栄養塩が豊富で浅い水深なのです。この藻の繁殖状況をモデルで再現させました(図90-94)。小さなコンテナで生産力を測定して、1m2当たり、これ位と学生に言いました。もし、水田みたいに大きな面積なら、これ位になると言いましたが、学生が「本当ですか」と信用してくれませんでした。「仕方が無いな」と思いました。そこで、学生に実感してもらうために、べニア板1枚の大きな水槽をつくり、メロシラを培養したのです。そしたら、「本当に凄いですね」と言ってくれました。理科系の学生でも「理屈ではわかっても、実感をしないと自分のものにすることができない」のです。如何に、実感させるかです。やはり、本物を見せない限り、皆が納得してくれないようです。小さな実験室モデルだけでは、説得力はありませんでした。

図89.伏流水を取水している長野県須坂市の西原浄水場は、原水中に濁りが無いので、ろ過開始してから数年間、一つも目詰まりをしない。但し、水温が約12度と一年中、ほとんど変わらない。だから、繁殖する藻を食べる捕食動物も常に活躍している。水温が10度以上であるから、パイオニア植物としての珪藻が繁殖しても直ぐに、捕食動物に食べられてしまうことがわかった。山間の渓流脇の湿地から伏流水を取水しているので、肥料成分がほとんどないから、栄養塩不足で、藻類繁殖の勢いも小さいと推測された。お腹が空いた動物が豊富なことは、生物浄化法としての条件が良いことになる。河川表流水を原水とし、肥料成分が多い場合は、パイオニア植物として糸状珪藻メロシラの繁殖が目立つ。それは、濁り水が入ってくるとろ過池が目詰まりしやすいので、目詰まりを解消するために、頻繁に削り取り作業が必要なためだった。冬に珪藻が繁茂しないのは、水深が深いと河川からの細かなシルト分が流入し、底で藻類が繁殖しようとしても日射量が少ないので、繁殖できないことがわかった。濁りが少ない人工の伏流水にし、水深を浅くすると、冬でも糸状珪藻が繁殖する。
図90.天然の伏流水は、千曲川の河原で見られる。濁りが無い水が常に湧いている。この場所では、厳寒の冬でも暖かい夏でも糸状珪藻メロシラが繁殖している。湧水が多いと成長速度が速い、糸状珪藻メロシラが優占しやすい。湧水量が少なくても水温が低い冬は、糸状珪藻が優占するが、水温が高い夏は、捕食動物に食べられ、糸状緑藻に遷移してしまう。
図91.灌漑用水路の水路を使用して、徹底的に、濁りを除く試みをした。人工の伏流水をつくろうとした。水路に多数の網を置き、細かな濁りを捕捉し、頻繁に網を洗うようにした。仕上げに、上向き粗ろ過を何段もし、河原で湧き出る湧水を再現するようにした。
図92.人工の湧水を原水とし、糸状珪藻メロシラをコンテナで培養した。下から上へ流す様にし、繁殖し流出する藻を網で捕集した。
図93.小さなコンテナでは繁殖量を実感しない。そこで、べニア板一枚の大きさの培養槽を手作りした。
図94.畳1枚の大きさの培養槽で、糸状珪藻メロシラが大繁殖し、自動的に流出し捕集される様にすると、学生が、藻類の繁殖量の多さを実感してくれた。大きな水槽にすると、流入水量が多くしないと、栄養塩不足が生じ、面積当たりの収穫量は、小さなコンテナでの値より少なかった。また、大きな面積にすると、捕食動物に襲来されやすいこともわかった。大きな面積で大量培養するには、流入水量を多くしないと難しいことがわかった。珪藻メロシラの大量培養のノウハウを獲得するには、もう少し、実験をしたかったが、定年になり、時間切れになってしまった。誰か、このアイデアを継続してくれないかと思っている。

26.珪藻メロシラの効能
 そこで、繁殖した藻類の有用性があるという本当のアイデアを、誰かが使ってくれないかなと思っているのですが、中々使ってくれないのです。私の研究室の学生のお姉さんが通産省の産学総合研究所にいて、使ってくれそうなことを言っていました。珪藻土を、扱っている会社の人も訪ねてきました。この藻類培養のアイデアが中国に流れたら、日本初発のアイデアなのに残念と思っていますが、でも、もう定年ですから全部オープンにしようと思っています。
 この藻は魚介類の餌として有効と言いましたが、本当は、人間に食べさせたいのです。珪藻を食べると消化吸収が良くなる。その仕組みを解説しましょう。戦前の人は、お腹の具合が悪かったら、炭(すみ)を食べました。
 放牧している家畜が塩くれ場で、塩をなめます。自然の塩くれ場でも、水たまりで白くなった場所の泥を食べます。実は、珪藻の死骸を食べているのです。珪藻の死骸をお腹に入れると、消化管内で、小さなミクロの嫌気的な場所ができるのです。発酵が起こりやすくなり、難分解性物質が壊れ、結果的に消化吸収が良くなるのです。
 このアイデアを、これまで発表していなかったのですが、時間切れなので、読売新聞社の取材時に言いました。読売新聞で初めて緩速ろ過を取り上げたのが、2006年8月26日(月)の夕刊で、その最後に珪藻を人間に食べさせるというアイデアも書いてくれました(図95)。この記事に気づいて、追いかけてくる人も少しはいました。

図95.読売新聞2006年8月28日(月)夕刊に大きく、生物浄化法として取り上げてくれた。残念なことに夕刊で、発行部数が少なかった。これが、読売新聞として大きく取り上げた最初のことであった。

27.最後に
 まとめです(図96)。資源研では、助成金というのは、お金を出した人の仕事。海洋調査では、自分で修理できない道具や機器を使うな。分析機器より、生物の方が、感度が良い。卒業生が「中本研で学んだことは、カタログになければ、自分でつくれば良い」と言ってくれました。「何でも工夫をする」です。淡水赤潮現象を見つけた時、理学でもない工学でもない、その間なら、もしかしたら活躍する場があると思いました。ブラジルでは、知識、教科書に書いてあること、使えない教科書でいくら勉強しても意味がない。使える知識、それは知恵です。知恵を獲得しないといけないと悟りました。Hungry is Normal空腹は正常。どんなに派手なこと、良いことでも、実は、花が咲く時期は一瞬です。花が咲いていない期間の方が長い。生物の立場で水質を評価しようと考えてMBOD法を開発しました。
 現場からいろいろな事を学びました。まず、気づく。発見、まず、結果があって、理論は後。緩速ろ過は約200年前にほぼ完成しました。100年前に、生物が関与しているとわかりましたが、名前を変えませんでした。私が、名前を変えないと誤解されると言いだしました。適切な名前をつけるというのは重要です。
 明暗瓶法、これは、簡単に値がでてしまう。自分で確かめたいことは、数値でなく、本当は何かと自分で確かめたことだけを信じる。常識を変えるのは非常に大変です。
 科学技術は人のため、科学者のための科学でなく、科学者は、時として、趣味をしているのではないのか。企業利益のための技術でもない。本当の科学技術は人のため。この考えがでたのは、理科教育法の講義を長い間、担当していたからかもしれません。大学は、過去の知識、知恵を伝える教育機関です。学生に、「学生時代は、失敗は許される。冒険が許される」と言ってきました。小さな怪我はいっぱいしても良い。但し、大きな怪我をしないためにです。経験すると知恵になる。そう思っていたので、学生をいろいろなところに連れて行きました。フィールドから肌で感じさせるようにしてきました。これは、多分、海でいろいろ経験し、いろいろな外国にも、行ったからかもしれません。「教科書でない、肌で感じないといけない、いろいろ、お互いにディスカッションしないといけない」と教えてきました。どうしてかと肌で感じることから次ぎのことが生まれる。
 理科教育ということを常に考えていました。良い理科教師になるにはどうしたら良いのかと、常に教育、教育ということを考えていました。「教師とはどうあるべきか」です。
 研究論文を書いても、仲間しか読まない。本を書いて出版しても読まない。緩速ろ過は古い技術です。最先端を追いかけている人には関係ないのです。いくら発表しても、全て、無視されました。伝えるというのは大変に難しいです。税金を使って研究をしました。税金から給料をもらいました。「国立大学の先生は、それまで得た知識や知恵を国民に還元する義務がある」と言われて一生懸命やってきました。
 これからは、NPOのメンバーとして社会貢献の実践をしたいと思います。ご静聴をありがとうございました。
 追記:「おいしい水のつくり方」は現在、中国語やポルトガル語に翻訳されている(図97,98)。最終講義の後、2月末から10日間、大学院生2名連れ、ブラジルのサンパウロにでかけた(99-103)。ブラジルとの交流はまだ続きそうだ。多くの卒業生が、私の最終講義にかけつけてくれ、大学の教師をして良かったと思った(図104)。

図96.時代ごとに、何を考えていたかのまとめ。現場主義:気づく:発見:まず結果があり理論は後。経験すると知恵になる。
図97.幸いにも、著書は、細々と売れている。「おいしい水のつくり方」は中国語、ポルトガル語に翻訳されている。
図98.ポルトガル語に翻訳してくれた日野寛幸さんは、サンパウロ州理科指導主事を長くしていた日系人。移民して50年の記念にと翻訳してくれた。日野さんはサンパウロ州のViva Japonプロジェクトのリーダーとし活躍もしていた。移民100年祭では、皇太子をサンパウロの学校へ案内する役もした(サンパウロ州のホームぺージより)。
図99.最終講義の後、2008年2月から3月にかけて10日間、学生を連れてサンパウロに行った。日野さんが50年前に、日本から最初に上陸したサントス港の建物を案内してくれた。
図100.サントスの港には、日系移民の記念する石「この大地に夢をA ESTA TERRA」があった。中本も、もしかしたら、日系移民としてブラジルで働いていたかも知れないと思った。
図101.1974年に最初にブラジルに行き、34年後のサンカルロスで、ツンジシ夫妻の家で、昼食をごちそうになった。
図102.ツンジシの国際生態学研究所の事務室には、中本が1976年に持参した東邦電探の電気水温計が大切に保管されてあった。ブラジルの陸水学を育てた者としてうれしかった。
図103.1974年にブラジルに行った時、野外調査に同行したセジョン小父さんはまだ健在だった。当時、彼の家を自分で建設中であった。そこで、2回目の1976年に、日本からセイコーの壁時計を、お土産にと持参した。この時計は、32年間も、まだ動いていて感激した。何だか、今後も、ブラジルとの交流は続きそうな気がした。
図104.2008年2月1日の最終講義には、多くの卒業生が集まってくれた。大学の先生をして良かったと思った。

Routs of slow sand filter

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おいしい水を求めてのルーツ(背景)9の8
8:生物現象の有用性(23-24-:27)
  23.世界に広まる生物浄化法
  24.藻類の本当の一次生産量

23.世界に広まる生物浄化法
 日本各地で、生物浄化法の解説をしました。スリランカに浄水施設を建設したときに、現場監督のアーナンダ氏が「後ろにある急速ろ過は、コマーシャルフィルター、貴方が勧めて建設したのはナチュラルフィルター」と言ってくれました。「あ!原理を理解してくれた」と思いました(図74)。
 インドネシアの熱帯の泥水でも緩速ろ過で飲料水ができる施設をつくりました(図75-77)。ヤマハ発動機の人が研究室を訪ねてきて、「熱帯の泥水でもできますか」と質問されました。「できます。但し、濁りを捕捉する動物群集を活躍するようにしないといけない、藻を繁殖させ、動物の餌をつくることが必要」と教えました。インドネシアのジャカルタで実験をし、実際に使える施設をつくりました。この施設に2005年、辰巳琢郎を案内しました。
 バングラデッシュにもヒ素汚染対策で緩速ろ過施設を建設しました(図79)。NPOアジアヒ素ネットワークの活動を応援し、お手伝いをしました。「熱帯のバングラデッシュでは、日本で使わないような農薬をたくさん使う。そこで、農薬も除去できるような仕組みを考えください」と頼まれました。そこで、動物のお腹の中を、動物の糞の中を、何回も通過する仕組みを考えました。糞の中の嫌気的な環境を何回も通過させる仕組みを考えたのです。この施設が、バングラデッシュで初めての住民のための緩速ろ過施設です。
 一年前にバングラデッシュに行った時、来訪者に説明しやすいように、公衆衛生局の中庭にモデルを作ろうということになりました(図80)。汚れた池の水をポンプで汲み上げ、粗ろ過をし、最後に砂ろ過をする装置を完成させました。ところが、バングラデッシュは、化学工業がありません。プラスチック容器の値段がもの凄く高いのです。中古のタンク、一つの値段が、その台に使ったブロック全部の値段と同じでした。そこで、次は、全部、ブロックでつくろうと思いました。幸いにも、修士課程を修了した川本剛君が、ボランテアで、このプロジェクトのお手伝いをしに行きました(図81,82)。今度は、全てをブロックでつくり、電動ポンプでなく手押しポンプで池の水を揚水する装置を完成させてくれました。もの凄く汚れた池の水でも、1ヶ月も動かしたら、大腸菌もでない、安心して、飲める、安全な飲み水ができるということを実証してくれました。

図74.スリランカで、熱帯の泥水でも大丈夫な様に、沈澱池、粗ろ過、緩速ろ過で凝集剤を一切使わない浄化装置をつくった。現地の監督が「後ろの急速ろ過はコマーシャルフィルター、今度建設したのはナチュラルフィルター」と言ってくれた。
図75.ヤマハ発動機は企業の社会貢献で、熱帯の泥水でも大丈夫な生物浄化の新しい浄水施設をつくった。日本の水田の用水路に水草や藻が繁茂する仕組みを応用した。
図76.2005年の夏には、インドネシアのヤマハの施設を俳優の辰巳琢郎さんを案内した。
図77.辰巳琢郎さんは、信州大学の研究室にも来てくれ、学生と記念撮影をしてくれた。
図78.地下水がヒ素で汚染されているので、大問題になっているバングラデッシュにも、生物浄化による浄水場を建設した。この施設では、農薬除去も考えて、何度も粗ろ過をするようにした。
図79.生物浄化法を説明するには、モデルをつくるのが良いと考えた。バングラデッシュ、ジョソール県の公衆衛生局の池の脇に、池の水を原水とするモデルを作成した。まず、レンガで台を作成した。
図80.2006年1月にモデルが完成した。電動ポンプで池の水を汲み上げ、3つの原水槽に1日分の水を貯留し、チョロチョロ水をいつも流れるようにした。砂利を詰めた粗ろ過槽を2回、通過させる。粗ろ過は上向きろ過にした。最後に仕上げは普通の砂ろ過槽である。化学工業がないバングラデッシュである。驚いたことに、プラスチックのタンク一つの値段が台に使った煉瓦、全部の値段と同じであった。ガンジス河の河口デルタ地帯の国なので、砂利は全て輸入品で、値段が高い。そこで、砂利の代わりに、レンガを砕いて使った。この国は、細かな砂の値段は安いが、粗い目の砂の値段は高い。コンクリートで使う砂を購入し、洗って、粗い砂だけにした。歩留りは悪かったが、目詰まりしにくい様にするには仕方がない。
図81.2007年4月から、修士課程で生物浄化法を勉強した学生が、ボランテアで、アジアヒ素ネットワークを手伝った。バングラデシュは停電が頻繁である。そこで、彼は、今度は、電動ポンプの代わりに、手押しポンプを使い、プラスチックのタンクの代わりに全て、レンガでつくり、仕上げをモルタルで造り直してくれた。
図82.完成したモデルで1ヶ月もしないうちに、汚れた池の水でも、ろ過水は、大腸菌は検出されなくなり、飲用可の水になった。

24.藻類の本当の一次生産量
 上田市の緩速ろ過池には糸状珪藻メロシラの連続培養系でした。どの位、生産力があるのか、明暗瓶法などではなく、浮いてくる藻を全て、実際に収穫してみました。780m2のろ過池で毎日、湿重量ですが100キロ、200キロもあるのです。もの凄い生産力でした。この時、毎日の様に、ドロドロになり、大変でした。毎日のように、夕方、協力してくれた学生にビールをおごってあげました(図83-86)。
 この収穫量が本当の純一次生産量でした。最初の命題は「光合成能力はどれくらいか」でした。明暗瓶法への疑問があったのです。瓶に入れて測定する光合成測定でない、瓶に入れないで本当の一次生産を測定する。「あ!やっとできたな」と思いました。この水域の一次生産量はもの凄く高いことがわかりました。
 浮いてくる藻をとればとるほど、ろ過水の水質が良くなります。でも、繁殖した藻が産業廃棄物になってはいけません。この藻を網戸で乾燥すれば、腐らないので流通しやすいです。これが動物の餌になる(図87)。肥料ではもったいないのです。
 そう言えば、この収穫実験や、ろ過池への栄養塩添加実験(図88)を英国のロンドン大学のグラハム教授に説明した時、中本は凄い、フルスケールで実験をしていると言われたことを思い出しました。

図83.上田市の染屋浄水場の原水は、農耕地や都市廃水の影響が大きい栄養塩が豊富な河川表流水。濁りが入ってくるから、20日から1ヶ月に一度と、砂層表面を削り取りし、珪藻を捕食する動物群集を都に除くから、パイオニア植物として成長が速い糸状珪藻が、常に大繁殖している。この珪藻メロシラの連続培養系であった。そこで、繁殖する珪藻の量はどれくらいかを測定しようと考えた。
図84.浮いてきた藻を手作りの刺し網を用いて全て、寄せ集めた。網の水面の部分に発砲スチロール棒を結びつけて、浮にした。網目1センチの刺し網で、深さ40センチで、下には、ステンレスの鎖でつくった錘をぶら下げた。手作りの長い刺し網で浮いてくる藻を毎日、午後に集めることをした。浮いてくる藻が越流管から流出しないような工夫もした。
図85.浮いていた藻を集め、網目約1ミリの玉ネギ収穫ネットで手作りの捕集ネットをつくり収穫した。
図86.収穫ネットに集められた藻は、ぶら下げると簡単に水が抜ける。毎日収穫した藻の湿重量を測定し、一部は、乾燥重量も測定した。
図87.捕集した糸状珪藻メロシラは、網戸で簡単に乾かすことができる。これは、魚介類の飼料に混ぜると最良の餌になる。乾燥した珪藻は、流通させることもできる。
図88.凍結しないろ過池で、冬から5月頃まで藻は繁殖しない。日射が多くても繁殖しないのは、畑の農耕作業が無いので、農地から流出する肥料分が少ないからと思われた。そこで、実際のろ過池に食品添加用の試薬を投入する試みをしたが、藻は繁殖しなかった。日射が多くなる3月初めから4月にかけて栄養塩添加実験を莫大な薬品代をかけて行ったが藻類繁殖にはならなかった。後でわかったが、水深が深く、日射量が底にまで十分当たらないためだった。いろいろ、お金をかけ、苦い経験をしないと、本当の原因に気づかない。

slow sand filter and Ecological Water Purification System

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おいしい水を求めてのルーツ(背景)9の7
7:緩速ろ過の誤解に気づく(21-22:27)
  21.菅平ダム湖での藻と緩速ろ過
  22.ゆっくりの砂ろ過の意味

21.菅平ダム湖での藻と緩速ろ過
 これからは信州大学に来てからの話です。菅平ダム湖が富栄養化して水道水が臭くなったことがきっかけです。ダム湖ができる前は、上田市の緩速ろ過の浄水場では、千曲川河原の伏流水や神川の表流水を取水していました(図52-55)。しかし、ダム湖が完成すると水道水が臭くなったのです。その原因はダム湖の富栄養化ということになりました。私は違うと思っていました。
 信州大学へ就職したのは1975年10月です。その直前のアメリカで1974年6月、ハリスレポートというのが出て、大きな話題になりました。それは、水道の浄化処理で必須の塩素で、発がん物質ができるというのです。世界中の水道関係者が驚きました。日本でも、できるだけ塩素添加を止めようということになりました。上田市でも緩速ろ過池で繁殖する藻を殺すために前塩素処理をしていました。それを中止したのです。ですから、私が、就職したら、水道水が臭くなくなったのです。それは、ろ過池で生物群集が活躍しだしたのです。その代わり、ろ過池で藻が大繁殖したのです(図56)。1984年に浄水場の滝澤場長が研究室を訪ねてきて、「ダム湖で繁殖する藻は悪い藻だが、緩速ろ過池で繁殖する藻は良い藻」ということを教わりました。私は「悪い藻という考えは無い」と思い、それからこの研究をしだしました。
 ろ過池をみたら、糸状藻類の珪藻メロシラが大繁殖していて、ろ過池が糸状藻類の連続培養系になっていました。私は、大学院時代に一生懸命、藻類の培養をしていましたが、こんなに上手に培養できませんでした。藻が酸素をつくる、生産量が高いということに感激しました。藻の緩速ろ過処理での有用性について発表をしました。でも、後からわかったのですが、実際は、藻の繁殖は、補助者でありました(図57-61)。

図52.ゆっくりの砂ろ過の緩速ろ過法は、河原で湧き出る湧水を真似たもの。人工の伏流水をつくる方法である。
図53.上田市染屋浄水場には、中本が調査しだした時は、大正12年から使っているろ過池が3池あった。そのろ過池の壁は、斜めで、自然の湖沼と同じで、藻類が繁殖しやすい構造で、ろ過の調子が良かった。
図54.現在の浄水場は、大正時代に建設された、ろ過池は古いからと、垂直壁のろ過池に改修された。垂直壁だと、壁面で藻類が繁殖しにくく、ろ過機能が発揮するのに日数がかかる構造であった。この改修工事に気づいて、一つだけ残してもらった。
図55.菅平ダム湖が完成したら、上田市の水道水が臭くなった。生物処理の緩速ろ過なのに水道水が臭くなった。その原因は、浄水場で藻が繁殖するのは悪いと考えて、前塩素処理をし、殺藻処理をしていた。生物毒なので、ろ過池で、生物が活躍できなかったので、臭い水になった。
図56.ハリスレポートで、前塩素処理を中止したら、ろ過池で藻が大繁殖した。でも、水道水が臭いというのは解消した。また、ろ過池も目詰まりもしにくくなった。
図57.1池780m2のろ過池で、5m/dでろ過するなら、約1万人分の給水量に相当する。緩速ろ過は効率が良い。英国は、現在、10m/dを標準としている。もし、英国流にするなら、2万人分の水道水が1池でできる。
図58.ろ過池には、繁殖し浮いてくる藻を自動的に排出する構造があった。
図59.水面に浮いている藻は、光合成で生じた酸素の気泡で浮いている。
図60.日射光が十分当たるろ過池の砂層表面では、糸状珪藻メロシラが繁殖し、光合成の気泡で浮きあがり、フワフワの真綿状になっていた。ゼラチン状の生物膜などはない。それは、水を抜いた状態のことである。
図61.顕微鏡で観察すると、糸状珪藻メロシラであった。この藻に濁りが絡まっていた。

22.ゆっくりの砂ろ過の意味
 緩速ろ過の仕組みは、ゆっくりの砂ろ過と言われますが、これは、誤解を生む言葉でした。砂層の上部で生物群集が活躍している厚みは1から2センチで、その間を通過する時間は数分でした。「まてよ、瞬間浄化法ではないか」と思いました。それでは、砂の厚みが1メートルもあるのは何であろうか考えました。それは、保険でした。もし、間違えて、汚れが砂の深く浸透しても大丈夫なためでした。「あ!名前が悪い」と気づきました(図62-71)。
 藻が悪い、藻の繁殖が悪いと考えて、藻が繁殖しだすと、水を抜いて、砂の汚れた部分を削り取ってしまっていました。それは、生物群集を除いてしまい、砂が汚れているように思える茶色の砂層は、生物群集が活躍している層でした。これを除いてしまっては、水を浄化できないことが明らかでした。間違いの削り取り作業である。絶対にしてはいけない処理でした。
 森林の土壌や畑の土壌を取り除いてはいけないのです。生物群集を取り除いてはいけないのです。間違いだらけの浄化処理を日本中、いや世界中でしていました。これを正すにはどうしたら良いか。常識を改めるにはどうしたら良いのか苦労をしてきました。
 緩速(砂)ろ過、ゆっくりの砂ろ過という言葉には生き物という言葉が入っていません。そこで、「生物浄化法Ecological Water Purification System」という名前にしないといけない。名前を変えない限り、また誤解されると思っています。
 藻が良い、藻の繁殖が有効と言っていましたが、藻は補助者で、主役は動物群集でした。動物は何でも食べますが、ほとんど消化をしていません。動物はコレクター、物を集める収集者です。食物連鎖があり、動物は何でも集めて糞塊にする。糞の中が酸素不足になり、発酵が生じる。動物は糞をどこにするかというと、自分の住んでいるところに排出しません。糞を排泄する場は、自分が住んでいる場所より、上です、排泄作用で上に持ち上げるのです。ゆっくりの砂ろ過ですが、ゆっくりでない、早い流速の方が良いということがわかりました。流速、ろ過速度が早いと酸素不足にならないのです。砂も関係ありませんでした。砂の間で活躍する微小動物が大切なのです。生き物が流されない、生き物が安心して住めるという意味が「ゆっくりの砂ろ過」でした。だから、絶対に名前を変えないといけないと思いました(図72,73)。

図62.河川表流水を取水しているとどうしても、鉱物質の濁りが砂層表面に蓄積する。それを薄く取り除く、削り取り作用がある。
図63.削り取り作業時に、砂層内がどれだけ汚れているかを調べてみた。
図64.濁り水対策に凝集剤を使わないので、砂層の中は、ほとんど汚れていない。
図65.100年前のドイツ・ベルリンの浄水場での結果で、砂層内の細菌分布は、砂層上部の1インチ(2.5センチ)以下に多くがいる。深くにはいないことがわかる。
図66.砂層上部の砂の間に顕微鏡でみないとわからない生物が多数いて、細かな粒子(濁り)を集めるので、砂層深くは、清澄な水になる。微小動物が安心して活躍できるというのが緩速ろ過(生物浄化)法である。
図67.砂層上部で活躍する生物群集を取り除くように、砂層を厚く取り除くのは間違いの削り取り。これでは、生物群集が発達するのに日数がかかる。
図68.砂層上部を取り除いてしまうと、砂層表面での藻類の発達が悪く、砂層上部の動物群集の発達も悪いので、ろ過水が清澄になるのに日数がかかる。砂層表面の削り取り作業は、できるだけしない方が良い。
図69.緩速ろ過は、生物浄化法。あらゆる生物群集が活躍する。
図70.生物群集が活躍するろ過池を通過した水は、安心できるおいしい水。
図71.生物浄化法では、濁りを集めて糞塊にし、食物連鎖であらゆる動物が活躍する。濁りを集めるのは、短時間の作業。糞の中で、微生物が活躍し、酸素不足になり発酵が生じる。酸素不足で難分解性の物質が小さな分子になる。
図72.研究室では、用水路の水を使って、モデル実験をした。
図73.凝集剤を使わない濁り水対策で粗ろ過の実験をした。

Slow sand filter is not fair word. This is Ecological Water Purification System.

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おいしい水を求めてのルーツ(背景)9の6
6:Hungry is Normal(18-20:27)
  18.サバンナのブロア湖でHungry is Normalに気づく
  19.ブラジルの教科書をつくろう
  20.MBOD法の発想

18.サバンナのブロア湖でHungry is Normalに気づく
 1974年にブラジルの研究者と一緒に仕事をした場所は、サンパウロ州の真ん中、サバンナ地帯にあるブロア湖です。平均水深2から3メートル、長さ7キロしかないダム湖です。発電用に建設されたのですが、当時、長さ100キロとか200キロという巨大なダム湖を建設しているので、こんなに小さいダム湖は、ものの数に入っていませんでした。大学に、研究用に自由に使って良いとのことで提供されたダム湖です。
 熱帯のサバンナ地域にある浅いダム湖生態系はどのようなものかを、一斉に調べ、教科書的なデータを取ろうと、学科のスタッフに呼びかけました。この調査のために、それまで、何度も中本は個人的に予備調査をし、準備していたが、調査の2日前の夕方、雨が降ってしまいました。それまで乾期で、雨がほとんど降っていないのに、典型的なデータが取れないと思い、調査を中止しようかと思案しました。でも、皆に準備をしてもらったので、「まあ、仕方がない、試し調査でも仕方がない」と思いました。
 このダム湖を調査して気づいたことは、顕微鏡でプランクトンを調べてみると、水中に浮いている植物プランクトンは死骸だらけなのです(前出、図41-44)。日本の湖沼のプランクトンは、生きている細胞なのにと驚きました。水質を調べてみると、極端に貧栄養であったのです。沿岸部で繁殖していた珪藻が沖合に流れていて、また、浮遊性珪藻メロシラの細胞コロニーが短く、その細胞数が、偶数でした。雨が降って、周囲から栄養塩が流れ込み、栄養塩飢餓状態であった植物プランクトンが一斉に分裂し、増えだしたのでした。Hungry is Normal栄養不足は普通であり、細胞が一斉に分裂し、盛んに増殖するのは、特別状態であるということに気づきました。自然界の生物群集は、いつもチャンスを狙って構えているのが正常であり、普通だと気づきました。日本の湖沼で、植物プランクトンが常に大繁殖しているのは、異常な状態であるのに気づきました。

図46.ツンジシ夫妻は、2007年10月久しぶりに来日し、上田にも来てくれた。そこで、中本が伏流水取水で維持管理が楽で、理想的な長野県須坂市西原浄水場を案内した。

19.ブラジルの教科書をつくろう
 当時のサンカルロス大学の若いスタッフは、欧米に留学し、欧米で学んだ知識を熱帯のブラジルで、教えていました。「私は英国に留学した、私はアメリカに、私はフランスに、私はオランダに、私はドイツに留学した」と自慢していました。私は馬鹿野郎と思いました。「私たちが何故、熱帯にくるのか?それは、温帯での教科書に書かれていない現象があるから、それを見つけにくるのだ」とスタッフに言いました。欧米の先進国は、温帯や亜寒帯であり、気候は熱帯とは違うので、現象が違いました。また、日本の様に島国で山国と、山がない南米大陸とは現象が違いました。スタッフたちに、何で、日本からブラジルに来るのか、それは、「日本と異なる現象を見つけたいからだ」と言いました。「ヨーロッパの教科書を真似してはダメ」と言いました。スタッフたちに、「欧米の教科書にない現象を見つけたら儲け」、「ブラジル人によるブラジルの教科書をつくらないといけない」と言いました。
 ものが無いから調査研究ができないのではなく、貧乏な大学でも、何が、何でも、知恵を絞り、工夫をして結果をだすのが必要と教えてきました。
 たった3ヶ月間でしたが、最後に帰る時に、学科全員をツンジシに家に招いて、さよなら大パーティーを開いてくれました(前出、図45)。必ず、また来いと言ってくれました。そのツンジシ夫妻が、昨年(2007年)10月に上田を訪ねてくれました。そこで、私が現在、一番、理想的な浄水場と思っている須坂市の西原浄水場を案内しました。この浄水場は、濁りがない伏流水取水でした。砂層表面の削り取り作業は、建設してから2年間以上なにもしていない浄水場です。維持管理は何もしないで良い浄水場です。

20.MBOD法の発想
 ブラジルのサンカルロス連邦立大学は、貧乏でした。でも栄養塩やクロロフィルの分析をしていました。水中の溶存酸素を測定するガラス瓶も多数ありました。そこで、ブロア湖の水を評価するために、BOD法で、水中の生物利用可能の有機物量を測定しました。BOD値は小さく、栄養塩も本当に少ない水でした。サンカルロスは、白い砂地が多く、その砂はメノウで、石英質で、溶けだすミネラル分が少ないのです。そのため、周囲は、マメ科植物がほとんどでした。窒素分、リン分も少ない環境でした。
 当時は、水域の富栄養化度の指標として、潜在藻類生産力測定(AGP Algal Growth Potential)というのが流行していました。透明なガラス瓶に入れた試験水に藻類を摂取し、どれだけ藻類が繁殖するかを評価する方法でした。私は、藻類培養をしていて、藻類を瓶で培養しても、直ぐに、光、栄養塩、炭酸などが足りなくなり、直ぐに制限要因として働いてしまい、定量的な評価をするのは難しいと感じていました。
 そこで、リービッヒの最少律の考えを忠実に守り、ブロア湖の湖水にグルコース(光合成産物として一番簡単な糖:炭水化物)を添加した場合にどれだけ、細菌が繁殖するか、その際の酸素消費を測定し、繁殖量を評価しようと考えました(図47-51)。また、グルコースを添加し、さらに藻類繁殖の最も基本的な無機栄養塩培地から窒素だけを除いた培地を添加した場合はどれだけ、細菌が繁殖するかで、元々あった栄養塩を定量的に評価しようと思いつきました。これが、MBOD(Modified BOD)法の開発のきっかけでした。
 植物の成長制限要因、栄養塩不足を説明するリービッヒの最少律の説明には、良く、樽モデルが使われています。でもこの樽モデルは、誤解を生むモデルです。一番短い板きれの高さまでしか水が樽に溜まりません。このモデルでは、普通は、板きれの幅は同じです。でも、生物の構成元素組成の元素の組成量は、異なるのです。実際は、板きれの幅は、元素の組成量に比例した幅なのです。そこで、誤解されやすいモデルでなく、三角モデルを考えました。
 日本に帰国し、この方法は、素晴らしいと盛んに学会などで宣伝をしました。この頃、琵琶湖での富栄養化防止で、潜在中のリンを規制するために、AGP試験を滋賀県の研究所の人がしていましたが、上手くいかなく困っていました。この人が、琵琶湖の湖水の水質評価にMBOD法を使って下さりました。簡単に水質評価ができ、リンが制限要因であると、結果がハッキリでて喜びました。結果的に、滋賀県議会で、洗剤規制を行うための条例作成にこのMBOD法が使われました。この条例が元になり、湖沼法が制定されました。この方法は、北海道から九州の大学で使ってくれました。水道関係機関や大阪湾の水質評価でも使ってくれました。さらに、韓国でもこの方法を使って、何人かが学位をとってくれました。しかし、JISなどでは、まだ採用されていませんので、公定法にはなっていません。でも、水質を評価する新しい方法であるのは確かです。私が開発した、この新しい水質評価法を、自信をもってまとめて、やっと、都立大学から理学博士の学位をもらいました。それまでの研究は、ただ、研究しただけで、学問を大きく進展させたと自信をもてませんでした。でも、このMBOD法だけは、まるっきり、新しい発想で、これだと思いました。

図47.リービッヒの最少律は、肥料の制限要因を説明するのに用いられている。この法則を説明するために、樽モデルで、栄養塩の制限要因を説明している。しかし、この板の幅は同じであるが、実際は、違い、誤解を与えるモデルである。
図48.生物が必要とする元素は、生体構成元素組成に比例する量が問題。
図49.三角モデルを提唱した。横軸は必要元素の必要量を元に考える。勾配が繁殖量、生物量を考える。この三角モデルで、元素により必要量が異なることがわかりやすく説明できた。
図50.山岳地域の水は、生物の必要量という観点で考えると、窒素制限で、リンが相対的に余っていた。また農耕地の肥料の影響が大きい場所は、窒素の割合が多く、リン不足になる場合が多かった。都市廃水の影響が大きいところは、窒素でもなく、リンでもなく、その他の元素が制限になりやすいことがわかった。
図51.MBOD法で水質を評価すると、窒素制限、リン制限が量的に把握できる方法で、BOD試験ができる人なら、誰でも簡単にできる方法である。しかし、新しい水質評価法として注目に値すべき方法であるが、まだ、公定法として採用してくれていないのが残念である。

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