緩速ろ過から生物浄化法ーおいしい水を求めて

現場から学んだ知恵と技術 生物屋 中本信忠の奮闘。目からウロコの話

一次生産

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水域の一次生産力は高い、High production in water   Part 2
 
諏訪湖での現場法(24時間の明暗瓶法)と水中の溶存酸素の日変化で推定した一次生産力は、桁違いがある。
緩速ろ過池での溶存酸素の日変化と、収穫法で推定する一次生産力は、もの凄く高い。
河原での付着藻類の一次生産力を現存量法で測定したら、高かった。
YOUTUBEにも投稿した。
掲載した図を示したい。
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水域の一次生産力は高い、High production in water   Part 1
諏訪湖での現場法(24時間の明暗瓶法)と水中の溶存酸素の日変化で推定した一次生産力は、桁違いがある。
緩速ろ過池での溶存酸素の日変化と、収穫法で推定する一次生産力は、もの凄く高い。
河原での付着藻類の一次生産力を現存量法で測定したら、高かった。
YOUTUBEにも投稿した。
掲載した図を示したい。
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続きは、河原での現存量法とまとめ。
 
 

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Primary Productivity by Diurnal Variation Method in Lake Suwa, Rep. Suwa Hydrobiol. 7:91-97(1991)
A high gross production of about 40 g O2/m2/d (15 g c/m2/d) was recorded in an eutrophic lake in summer. It was calculated from the diurnal variations in dissolved oxygen and in total carbon dioxide content in the water column of Lake Suwa. The gross production estimated from in situ method was only 6.0 g O2/m2/d. The community enclosed in a bottle in eutrophic lakes gave an extremely low activity in comparison with the activity under the natural condition. The light utilization efficiency of phytoplankton was 2.6% in Lake Suwa.

諏訪湖での溶存酸素濃度の日変化から植物プランクトンの生産量(光合成活性)を計算すると、約 40 g O2/m2/d (15 g c/m2/d) と非常に高い値になる。一方、通常、一般に行われている明暗瓶法だと、たった6.0 g O2/m2/dしかなかった。
明暗瓶法での測定結果は、とんでもなく、過小な値である。
 
学会誌に投稿したが、この論文は、審査員から、一般に広く行われている明暗瓶法を否定するのかと、クレームがついた。そこで、反論するには、もっと証拠をつくる必要があったが、大変なので、信州大学理学部付属の諏訪臨湖実験所報告に投稿した。印刷物にしないといけないと思ったので。

緩速ろ過池での溶存酸素の日変化から光合成活性を計算すると、上記の値と、ほとんど同じであった。また、それならと、収穫法で浮いてくる藻を取り上げてみたら、やはり、高い値であった。

一般に、日本だけでなく、世界で測定されている明暗瓶法の結果は、全て、間違いであったと確信した。

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水域の一次生産力は高い 4の4
緩速ろ過の魅力にとりつかれた生物屋のこだわりのルーツ
明暗瓶法の値へ疑問の執念

11.河原の湧水での糸状珪藻メロシラの繁殖
12.河原の湧水を再現、糸状珪藻の連続培養
13.炭水化物合成と栄養塩吸収と細胞分裂
14.生物の立場で考える必要、根本から見直しを


11.河原の湧水での糸状珪藻メロシラの繁殖

 濁りがない湧水の水溜まりでは、糸状珪藻メロシラが優占的に繁殖する。

図11-1.河原の湧水で糸状珪藻メロシラ繁殖

水温が高い夏は、水生昆虫の幼虫などにより捕食され、細胞が堅固で食べられにくい糸状緑藻に遷移する。

図11-2.糸状珪藻は糸状緑藻に遷移する
図11-3.冬期でも、濁りがない湧水の溜まりでは、メロシラは盛んに繁殖している。

12.河原の湧水を再現、糸状珪藻の連続培養

自然界の中で、糸状珪藻が自然に繁殖している場所を探ったところ、河床の端で浅い所にある礫の上や、河原で伏流水が湧き出る場所に糸状緑藻が繁茂していた。

図12-1.河床の脇の浅瀬を注意深く観察すると、礫の上に糸状珪藻メロシラが繁茂。

そこで人工の伏流水をつくり糸状珪藻メロシラの培養を試みた。千曲川取水の潅漑用水:養魚場への水路に濁り対策でタマネギネットを置く、更に上向き粗ろ過で濁りと、藻を食べる虫の流入を防ぐ工夫。水路に敷いた濁り対策用タマネギネット上で藻が繁殖し栄養塩を吸収してしまう。そこで水路に簾(スダレ)と黒布で遮光した。タマネギネットに捕捉された濁りは時々、洗って取り除く。

図12-3・4.濁り物質が少ない水をつくる工夫。タマネギ収穫ネット、暗幕で遮光、汚泥ポンプで揚水、水圧調整槽、上向き粗ろ過。

プラスチック水槽でメロシラの連続培養系を作成した。自動収穫の工夫もした。

図12-5.プラスチック水槽での培養
図12-6.上向き培養系で、繁殖する藻も自動収穫
図12-7.コンパネ1枚(91cmx182cm)の培養槽に河原のメロシラ採取し、種付け(2007.10.17.)
図12-8.2007年夏は、培養開始5日目で連続培養状態になった。流出する藻の収穫は洗濯ネットを用い、そのまま、風通しの良い場所で、風乾する。

 プラスチック水槽で、下向きの流れの培養系で、収穫量と日射量の関係を調べた。

図12-9.下向式培養系で収穫量と日射量の関係.

上向き培養系と下向き培養系を比べたところ、上向きの方が収穫量が多いことがわかり、現在、関係を調べている最中である。この収穫量より数割高くなる可能性がある。

 山田ほか(2005):糸状藻類培養系における藻類生産能と日射量の関係、日本陸水学会甲信越支部会報31:16.

13.炭水化物合成と栄養塩吸収と細胞分裂

藻類が盛んに繁殖している夏期にプラスチック槽の培養系で、に酸素生産量とリン濃度変化の日変化を測定した。日射が当たっている日中は光合成を盛んにしている。日中は有機物合成と酸素生産をする。

図13-1.培養系での酸素純生産速度(夏)

河川水中の流入栄養塩のリンはほとんど日変化しないが、培養系から流出する水中のリン濃度は、大きく変化し、夜間はリン吸収が大きい。日中、栄養塩吸収はない。
 
 中本(2006):糸状藻類繁殖系利用による水質浄化、「光合成微生物の機能と応用、上原赫 監修」、CMC出版、303頁、:207-212

図13-2.流入水(河川水)中のリンと流出水中のリン酸態リン濃度の変化。
図13-3.リン酸態リンの取込速度の変化
図13-4.細胞状態の日変化。白:分裂中、黒は通常細胞。細胞分裂は、夜間に行われていた。

基礎生産(太陽エネルギーの固定=有機物生産)→酸素生産
6CO2+6H2O → C6H12O6+6O2↑
栄養塩吸収とは同時進行でない。→有機物の再合成(栄養塩の吸収)

14.生物の立場で考える必要、根本から見直しを

数値がでる。過去のデータと余り矛盾しない。 →過去と矛盾しないのが正しいか?

河川は分解の場、河川は湖沼より生物活性が高く、基礎生産量が大きい? (常に栄養塩の供給、炭酸ガスの供給、生産された物が流れ去る=常に新しい環境)

 Pratt, D.M. and H.Berkson (1954):Two sources of Error in the Oxygen Light and Dark Bottle Method, Limnol. Oceanogr. 4:328-334.瓶に詰める影響を指摘。生物群集の変化の指摘。
 Vollenweider, R. A. A manual on methods for measuring primary production in aquatic environments. IBP Handbook No. 12. Blackwell Sci. Publ. Oxford (1969).明暗瓶を用いる現場法は自然群集の一部を隔離し、瓶に閉じこめるため、水の動き、栄養状態、光条件、捕食関係など大きく異なると指摘。

本当の生産力は、Odum(1971)がSilver Springの河川、河口域、珊瑚礁で測定した日変化での推定値が正しい値に近い。

Primary production is realy high activity.

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水域の一次生産力は高い 4の3
緩速ろ過の魅力にとりつかれた生物屋のこだわりのルーツ
明暗瓶法の値へ疑問の執念

7.流速の違いによる付着藻類の発達の違い
8.水深の違いと付着藻類の発達
9.水路での付着藻類の発達の季節的相違
10.千曲川での現存量変化法による測定


7.流速の違いによる付着藻類の発達の違い

千曲川の河川水を導水している中央水研内水面利用部の用水路で7月14日から8月9日にかけて実験を行った。水中ポンプを使い人為的に流速を変え、緩く付着する藻(Loose),堅固に付着する藻(Adnate)に分けて、付着藻類の発達を調べた。流速はSlow:23cm/s、Middle:121cm/s 、Fast:224cm/sの3段階で調べた。

図7-1.水路にポンプで流速を変えての実験
図7-2.雨樋に付着板として透明塩ビを固定。
図7-3.洗瓶の水で洗い流されるのはLoose.ブラシで削り取るのはAdnate.
図7-4.流速の違いによる付着の発達の相違
表.Loose, Adnate, Totalの倍加日数

洗浄瓶の水で洗い流される藻をLoose。歯ブラシで落として採取できる藻をAdnateとした。付着藻類は1〜2日で分裂をして増えることがわかった。
堅固に付着藻類の発達は流速に大きく影響されないが、緩く付着する藻は、流速が遅いと増加が速い。付着しやすさに関係していると考えられる。
対数増加をし、やがて平衡状態になる。つまり、礫面に付着する量がほぼ一定になる。その現存量は、人工水路の場合、Chl.a量として約80mg Chl.a/m2であった。仮に、倍加日数は1日なら、純生産速度は80mg Chl.a/m2である
Nakamoto, N. and M.Sakai (1994)での収穫量(1日1m2の収穫量(純生産量)は湿重量173g、乾燥重量26g、有機物量7.81g、酸素生産8.33g、呼吸量は8.53gO2で、総生産量(O2)としては16.86gになった。)はChl.a量44.4mgで、この値から計算してみる。Chl.a量は倍であるから、生産量は、約倍で、総生産量(O2)としては32g程度になる。

桜井ほか(1997):千曲川における付着藻類に関する研究3.千曲川中流域での異なる流速による付着藻類発達過程の相違。日本陸水学会甲信越支部会報23:25-26.

8.水深の違いと付着藻類の発達

 千曲川で長靴での調査できる深さを想定し実験を行った。水深の違いが付着藻類の発達の影響を調べた。網戸に、塩ビ板を付着し、水路の中、水深10cmと35cmに設置した。なお、付着板は、塩ビ、ガラス、スレートで、付着状況は変わらなかった。

図8-1.人工水路に付着板を網戸に設置
図8-2.水深を変えての付着の発達実験
図8-3.深い付着板には魚による被食痕

 水深10cmと35cmの違いでは、初期増加はほとんど変わらないが、長期間では、浅い方が現存量は大きくなるが、深い方が現存量は少なくなった。深い所に置いた付着板には、付着藻が魚による被食痕が著しかった。浅いと魚による被食は小さい。それは、魚は鳥などにより捕食されるのを警戒し、浅いところの付着藻を被食しないようにしているのかも知れない。

図8-4.水深の違い:被食圧の違い?

9.水路での付着藻類の発達の季節的相違
 付着藻の現存量(平衡状態)は、捕食、天候に影響される。夏は被食圧が大、大雨による濁りで削りとられる。冬は被食圧が小さく、濁りが少なく安定するので、現存量は大きくなる。
初期増加速度は、水深35cm程度までなら、水中での光の減水による影響が小さい。しかし、夏と冬の日射量の変化は光合成速度に大きく影響し、夏は速い。

図9-1.付着藻類の発達に関しての季節的相違

10.千曲川での現存量変化法による測定

 付着の発達を調べるために、明らかに異なるタイルなどは、釣り人などにイタズラされることが多い。そこで、現場の礫を用いた。桜井ほか(1997)と同じ方法で、鼠橋地点で流速20cm/cmと120cm/cmの場所に、現場の礫を約100個ずつ採取し、洗浄し、現場に設置し、付着藻類の発達を測定した。
 千曲川の総合研究(平成13年12月、河川生態学術研究会千曲川研究グループ)、桜井ほか(1998):千曲川中流部の河床における藻類発達速度と生産力について。日本陸水学会甲信越支部会報24:51-52。

 現場に、礫を置き、定期的に取り上げて、礫面上で発達する付着藻類の現存量を測定する。

図10-1.河原の礫をブラシで清浄にする。ラッカーで印をする。

図10-2.礫を河原に設置

河原に設置し、1週間の初期の現存量の増加は対数増加する。潜在的な増加速度である。

図10-3.瀬(Fast:流速120cm/s、深さ10cm)と淵(Slow:流速30cm/s、深さ35cm)での礫面での初期発達量(Chl.a)の変化。
図10-4.初期発達速度と平衡状態の現存量から生産量を推定法の説明図

 初期の潜在的な増加速度は、持続するが、被食や剥離するので、現存量は、増える量と減少する量が釣り合う平衡状態になると考える。潜在増殖速度に現存量を乗ずることで、潜在的な生産量が計算できる。
鼠橋付近で6月、7月の初夏の礫面での発達速度(倍加日数)は1日以下である。瀬は0.7日だが、淵は0.5日であった。平衡状態の現存量は水路での結果と異なり、瀬の方が現存量は多かった。
初期速度に平衡状態の現存量を乗じて、総生産量を計算したところ、ろ過池での実測値よりも倍以上になった。現存量法では、過大の値と思われる。
表1. 現場の礫面での初期発達速度(倍加日数:DT)と平衡状態の現存量(ST:Chl.a)から計算した総生産量(Pg)

緩速ろ過池で測定した値から換算を試みた。
1mg Chl.a:68mgC:170mg(有機物):181mg O2
の換算値を用いた。

表2.鼠における瀬と淵での付着藻類の1日当たりの純生産量

 しかしながら、この値は、ろ過池での実際の収穫法での純生産量と比べると過大である。過大な値が計算される原因は、平衡状態の付着藻類中に、死骸や活性の悪い藻が存在し、全ての藻類は光合成に関与せず、一部しか関与していないことである。顕微鏡観察すると、体積割合でも、死骸の細胞が2割程度ある。仮に半分の藻類が光合成に関与するとしても、まだ、過大である。

図10-5.河原の礫面藻類を採取

千曲川の河原の礫面の藻類は単細胞で礫面に付着する藻類が多い。しかも、細胞質が抜け、明らかに死細胞の藻類がある。礫面での藻類で、本当に活性が良い藻を、把握する方法を開発する必要がある。

図10-6.礫面での藻類(体積割合)
図10-7.優占種の生細胞と死細胞の割合

Keywords: 中本信忠 Nakamoto 生物浄化法 Ecological Water Purification System 緩速ろ過法(緩速濾過法) slow sand filter  slow sand filtration 急速ろ過(急速濾過) rapid sand filter 地域水道支援センター Community water support center おいしい水 delicious water  小規模水道施設 浄水施設 浄水場 water works 糸状藻類 filamentous algae 糸状珪藻 filamentous diatom メロシラ melosira 食物連鎖food chain 省エネEconomical system 生態系 ecological system 低炭素社会 low cost

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