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                  《写真は会合の場となった福島市瀬上町の島貫邸》         

     
       「解体か、保存か」で心が揺れる

 2年前の東日本大震災を契機に、東北から福島県から、そして我が住むマチ、福島市内からも多くの歴史建造物が姿を消した。特に竹屋旅館、桜の聖母学院旧ノートルダム修道院の解体は歴史ある街並みや建築物が少ない福島市内だけに、多くの市民にショックを与えた。
 
 行政は東日本大震災で被災した建物解体に費用を出した。それによって温泉街のホテルや旅館、そして市街地の歴史ある建築物がいとも簡単に壊された。マチを歩けば、歯の欠けた櫛のように更地だけが目立った。こうした方針に異議を唱える建築士は「壊せば二度と基には戻せない。歴史ある建造物を壊すことは福島の歴史も消すことだ」と訴え、所有者に保存の道を進めたが、「壊せば金が出る。直すには自己資金がない」とあっさり行政指導に従った。中には、歴代当主として、後世に遺す道を選ぶがため二の足を踏む人々もいた。多くの所有者は資金繰りと継続的保存の難しさが横たわりいまなお、「解体か、保存か」で心が揺れ動いている。
 
 こうした所有者の共通した悩みを話し合う会合が今月4日、福島市瀬上町の島貫邸で開かれた。図らずもその進行役を仰せ付かり、有志約30名のご意見を交通整理しながら進め、自ら勉強する機会を得た。2時間という限られた中で、得たことは「個人だけの力だけでは改修・改造は難しく、資金をどのように産み出すか」が最も大きなテーマとなった。また、解体に金を出す行政指導にも異論が出たのは当然で、遺すための行政指導は消極的だという声も挙がった。
 特に名指しは無かったが、福島市役所は(当社調査では福島市教育委員会の芸術文化事業及び文化財及び埋蔵文化財調査と保存などに関する仕事をする文化課) 職員の意識の薄さと対応の遅さが問題だという。福島市が観光開発を積極的に進める一方で、こうした歴史建造物を売り物にする「観光地としての誘致意識」の低レベルは火を見るより明らかだ。自らも一員として活動を続けているNPO豊かなふる里築く研究会を通して、活動の和を広げていきたいと思っている。

 歴史建造物が豊富な新潟県新潟市の北方文化博物館には、伊藤家八代当主の伊藤文吉と日本画家・東山魁夷が夫人と共に撮った写真が飾られ、その傍に、『古い家のない町は、思い出の無い人間と同じである』という言葉が添えられている。同じように「歴史ある建造物を壊すことは、その歴史も壊すことだ」という心に残る言葉を行政も、所有者も肝に銘じて欲しい。福島市内がせめて、点在する建造物を線で結ぶ観光地になってこそ、「福島に歴史あり」である。


■ふくしまから歴史建造物を守れ!
http://www.medianetplan.com/2013/012.html

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