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少し前の発売になりますが「オノ・ナツメ」さんの新作「逃げる男」が発売されました。
その直前に「つらつらわらじ」の2巻も発売となっていた為、連続刊行って感じです。
帯に「森と少女とひとりの男。その事情。」とある様に、その三者が織り成す短編ストーリー。
一見するとファンタジーや御伽噺にも思える様な展開となっているのが特徴となっています。
しかし実際は、傷ついた大人達のリアルな物語の上に乗っかった逃避という名の寓話であり、
一般的に言われるファンタジーや御伽噺の類とは少々、趣の異なった物語が綴られている。
ですから、熊と一緒に暮らしているなんていう非日常的なシーンはあれど、
根底は現実とリンクしている部分が主である為に結構、リアリティがあったりします。
オノさんの独特なタッチの絵柄と相まって、優しいけれど心がチクリとする様な
不思議な雰囲気のある作品に仕上がっているのではないでしょうか。
また、文章が少なく「画」で魅せる様な構成になっているので、全体的にさらりと読めるのも良い感じ。
理屈でなく心で感じる事が出来るスタイルなので、何度も読み返す事でより深く心に沁みてくる気がします。
ここの所、「さらいや五葉」から「つらつらわらじ」と時代劇モノが続いていたので、
久々の現代劇となる本作は新鮮に感じられた事もあり、個人的にはオススメの逸品。
画のタッチや全体的な雰囲気などがbasso名義の作品に通ずるモノがあり、
そちらの作品が好きなファンの方にもツボにハマる要素は多いかもしれません。
気になった方は、ぜひ書店などでお手に取ってみて下さいませ。
ジワジワと感動が押し寄せてくる様な感覚を楽しめると思いますよ。
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