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マイケルの双子たち 

マイケルと双子たちシリーズ完結編です。
 
前回の記事でマイケルがベートーベンのクリエイティビティーをどのように
自分の創作の中に取りいれたかについて私の考えを書かせてもらいました。
 
なんといっても「楽聖」ベートーベンですから
「マイケルはアステアのあの動きをダンスに取り入れたよ〜〜〜」
というノリでは書けないのですが、できる限り調べて書いていますので
ご了承くださいね。音楽の専門家ではなくても、「こうやったらより音楽を楽しめるん
じゃないか」というスタンスで書いています。
 
 
マイケルの双子たちの中でも「Jam」と「Heal The World」、「Shout」と「Cry」のつながりについてはベートーベンの「第五」と「第六」の関係で結ばれているのではないか。
ということで、まずはベートーベンの話から。
(それぞれの曲のつながりは過去記事でどうぞ)(JAM HTW SHOUTとCRY)
 
ベートーベンの第五交響曲に「運命」という表題をつけるのは日本だけですが、
有名なジャジャジャジャーン(●●● )のリズムパターンが
「運命の動機」として後世の音楽家たちにも認識されているというのは
定説のようです。
ヴェルディー「運命の力」、マーラー「第五交響曲」、そしてメンデルスゾーン
の「結婚行進曲」などかそうだと言われています。
 
結婚も「人生における最大の運命の時」っていうことでしょうか(笑)
 
この短いメロディーというよりフレーズを畳み掛けるように
何度も何度も変奏しながら積み上げられ作られたパワフルな曲が
「第五交響曲」です。
 
クラシック音楽は、特に交響曲などはあまり「意味づけ」をせずに聞くべき(音そのものの美しさを聞くべき)と言われますが、やは聴く者には明確なイメージが焼きつくもの。
 
これらの曲から共通して受け取られるメッセージは「生きることの厳しさ、苦悩
哀しみや怒り。」と同時に「困難から立ち上がる不屈の精神」だと思います。
 
ベートーベンの生涯にも苦悩がついてまわりました。
才能に恵まれ、少年時代から音楽教育を受け開花していきますが、
教えていたのは厳しい父親。きつい折檻を受けていたとも言われます。
 
そしてなんといっても一番彼を苦しめたのは音楽家の命とも言える「聴覚」の障害。
ある一時期からは音の無い状態で作曲をし、完成された曲がオーケストラ
で演奏されて喝さいを浴びても、それを聞くことができなかったと伝えられています。
 
一方で「第六交響曲」はベートーベン自身が「田園」という表題をつけ、
のどかな田園の牧歌的な情景を描いた穏やかな喜びに満ちた曲。
こちらもだれもが一度は耳にするポピュラーな曲です。
 
広々とした牧場で暮らす羊飼いの平和に満ちた生活、というのは西洋世界では
ある種の理想とされ、「パストラル」と呼ばれています。
「パストラル」はギリシャ時代から詩、絵画、音楽のそれぞれの分野で取り上げられ、ベートーベンもその一つに数えられているわけです。
 
イメージ 2wikiより
手つかずの自然の中で豊饒な自然の恵みを受け、心安らかに生活をする。
そういえば、マイケルの「ネバーランド」は「ランチ=牧場」です。
 
「第五」と「第六」をひとつながりに考えるというのはどういうことか。
これが答とは言えませんが、「現実」と「理想」、「苦悩」と「喜び」を対比させているのかなというのが私の感想です。
 
それぞれ独立した曲としてばらばらに聞くのが普通だと思います。交響曲
一つってそれだけで相当長いですからね。二曲続けて聞かないといけないということではないのですが、二曲まとめてメッセージや感動を受け取れるとなると
一曲だけのときより二倍どころか、何十倍も喜びは増えますよね。
 
この二曲がひとつながりだよというのは今まで知識としてはあったのですが、
こうやってつながりをイメージすることで初めてその感動を味わっている私です。
 
クラシック音楽のブログを書いているある方の分析では、「田園」の有名なメロディー
ミファラソーファミレソ」の部分が運命の動機のリズムを踏襲しているのでないか
ということで、そう思ってて聞いてみるとつながりがより明確に感じられます。
 
ただ楽しげな音楽というだけではなく、困難に打ちひしがれそうになったときに
さっと差し込む「希望の光」であったり、どんな時にも失いたくない「理想」
であったりという深いメッセージがあるのでないか。
そんな聴き方もできるわけですね。
 
さて、マイケルの双子に話を戻すと、
マイケルはなんとも神々しく、優しさと愛に満ち溢れた「HTW」や「Cry」と
人間社会のあらゆる困難や苦悩とマイケルの怒りを描いた激しい曲調の
「Jam」と「Shout」に繋がりを与えることで、より「大きなメッセージ」を伝えようとした。そこにはベートーベンの思想があった。
 
これは「音楽のジャンル(境界線)」を打ち破ろうとしていたマイケルなら
十分に考えられることだと思います。
 
尊敬する音楽家は?と聞かれてベートーベンと答えているインタビューは
なかったと思うのですが、おそらく「ベートーベン」と答えたらどれだけ
バッシングされるかはマイケルが一番よく知っていたでしょう。
 
「でも一番言いたいこと。」は作品の中にある。
曲の中から聞き取ってよいのでないでしょうか。
 
「HTW」の中に「銃を捨てて、鍬に持ち替えよう」という歌詞があるのですが、
もちろんメタファなのですが、そこに「パストラル」に通じるものが感じられます。
 
「Jam」、「Shout」というフレーズが曲の中でどれだけ繰り返されるでしょうか。
「第五」の中でどれだけあの「運命の動機」が繰り返し繰り返し現れるでしょうか。
 
 
マイケルに逢えたら、聞いてみたいです。
「そんな風に思える?だったらそう思っていいよ〜。ベートーベンって素敵だよね♪」って答えてくれそう。
 
マイケルがHTWなどのアンセム系の曲を歌うと「救世主気取りっ?!」みたいな
意地悪を言う人がいるわけですが、「JAM」の歌詞を見てもらえば、そしてそれが繋がっているとわかれば、マイケルはあくまで「問題から顔を背けるのではなく、苦しみぬいて」その上でHTWを書き、歌うのだということがわかるでしょう。
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 これで「マイケルの双子」シリーズをひとまず終了します。
なんだか自分でも書いていて楽しくなる双子探し。今まで解釈が難しかった曲が
かなり見えてくるんです。まだまだ見つけられそうなのでまた見つかれば、記事にしたいと思っています。
 
次はちょっと「難関」。「Blood On The Dance Floor」を書いてみたいと思います!
確かに解釈難しそう。ジャケからして意味深ですもん。
イメージ 1
 
でも、ネット検索してオカルト、イルミナティー解釈ばっかり出てくるのも
いかがなものかと。。。。。ファンタジーは私も好きですけどね^^
 
このジャケットの絵をあくまで現実的に解釈すると。
 
マイケルがステップを踏む透明な床は「Glass Ceiling」です。法的に制度的に禁じられても根強く残る差別、それも目には見えない差別を表す言葉をイメージとして描いています。
 
それをダンスで打ち破ろうとする、マイケル。
全身赤づくめの衣装なのは、楽曲としての「Blood On The Dance Floor」
で歌った血を流すマイケルを象徴します。
 
そう、傷つきながらも差別と闘うという意思を表しています。
動きはブラダンよりもゼイドン。力強いステップで見えない天井=差別を
踏み抜きます。
 
詳しくは次回以降に。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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