仏教

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ヒンドゥー教と仏教-3

ヴィシュヌ神というのはヒンドゥー教の最大のヒーローで三十三の変化身を取って現れる。

観世音菩薩というのはこのヴィシュヌ神をモデルにして創作されたそうだ。

観世音菩薩というのも有名な法華経の観世音菩薩普門品第二十五のなかで

三十三の姿に変えて現れて人々を助けるとある。

これなぞ、まさにヴィシュヌ神の有り様と全く同じである。

『わかる仏教史』より


大乗経典の創作者がライバルであるヒンドゥー教から人気のある神をかたどって

菩薩を創作して経典をつくり、ヒンドゥー教対策で教えを説いて信者を得ていたのだろう。

他に挙げる。

帝釈天---ヴェーダ聖典の最大の神インドラ。
梵天---ブラウマー。ヒンドゥー教の三大神のひとつ。世界を創造する。
大自在天---シヴァ神。世界を破壊する。
阿修羅---インドの神「デーヴァ」(天)に対抗する悪魔「アスラ」の音写。
閻魔---ヤマ。死者の王で後に疑獄に住む死神となり死者の裁判を行なう峻厳な神。
馬頭観音---ヴィシュヌ神が馬の首をもつようになったときの姿を取り入れたもの。

水天---ヴァルナ。天の法則や人倫の道を護る神。
大黒天---シヴァ神が世界を破壊する恐ろしい姿をあらわしたときの名前マハーカーラ。
火天---アグニ。火の中にくべられた供物を神々に届ける役目。
弁才天---サラスヴァティーという女神。川、水の女神、のちに学問、芸術の女神。
毘沙門天---梵天の孫か曾孫。
吉祥天---ヴィシュヌ神の妻。
迦楼羅---ヴィシュヌ神が乗る巨鳥ガルダ。
愛染明王---愛の神カーマ。
韋駄天---シヴァ神とその妃の間に出来た子供の軍神スカンダ。
聖天---シヴァ神の息子ガネーシャ。
荼吉尼---シヴァ神の恐ろしい妻カーリーに使える魔女達、ダーキニの音写。
摩利支天---マリーチ。蜃気楼やかげろうのこと。
鬼子母神---ハーリーティー。地母神の一種。
金比羅---クンビーラ。わにのこと。

地蔵菩薩---バラモン教の地神プリティヴィーに起源すると思われる。
         サンストリック語はクシチガルフナ。クシチ(地)ガルフハ(胎、子宮)。
         大地の徳の象徴。地価の極卒を救い、冥府の支配者閻魔と同体とされる。
   
         『観音・地蔵・不動』より

不動明王---ヒンドゥー教のシヴァ神を仏教に取り入れたという説がある。
        不動のサンストリック名アチャラはシヴァ神の別名一つと同じ。

        『観音・地蔵・不動』より

阿弥陀如来---”寿命無限の光り輝く仏陀”という意味です。
          今日の研究によるとその実体はインドの西方のイランに広まっていた
          ゾロアスター教の神アフラ・マズダでそれが仏教化したものだそうです。
          また、極楽はチグリス川河口に実在した小島といわれる。
          あるいは、極楽浄土は岩本裕氏に代表されるイラン高原のオアシス楽園
          -エデンの園-にイメージの祖型を求める仮設がある。

          『世界がわかる宗教社会学入門』より

          イランのゾロアスター教と仏教と入り混じって
          無量光仏というのが出てきたという考えがある。

          『仏教 流伝と変容 (上)』 P258
 
弥勒菩薩---ミトラ教のルーツは、古代ペルシア人(アーリア民族)のミトラ信仰にある。
        ミトラ神は契約神・戦神・太陽神などの多彩な顔を持ち、
        古くからイラン・インド両民衆の間に絶大な人気を誇ってきたのであった。

        紀元前7世紀頃に実施されたゾロアスターの宗教改革によって、
        一時期、ミトラ信仰の熱は下火になったが、ゾロアスターが世を去ると、
        彼の後継者たちは民衆のミトラ人気に抗えず、
        すぐさまミトラ神をゾロアスター教に取り込んだ。
        とはいえ、この時点ではまだミトラ神の階級は
        「最高神アフラ・マズダ」の神格からすれば第2位であったが、
        後には最高神アフラ・マズダと同格にまで引き上げられた。
        そして最終的には、アフラ=ミトラとしてこの唯一神と習合し、
        冥府で死者を裁く審判者の役割を獲得したのである。
       
        ミトラ神は歴代のペルシア王朝において
        国家の守護神として厚く尊崇されてきた。
        また一方では、1世紀後半に西北インドに興ったクシャーナ朝に伝えられて
        「太陽神ミイロ」となり、後にはこれが仏教に取り入れられ「弥勒菩薩」となる。

        ミトラ教と神智学 参照

        ミトラ教はゾロアスター教と同根の宗教だそうです。
        一般に両者を合わせてゾロアスター教と総称される。
        現在のイラクに相当する地域をバビロニアという。
        ここを中心にイラン西部には、ミトラ崇拝という信仰があった。
        後にバビロニアの神官団(カルデア人)は、自分たちの神聖科学と
        預言者ザラシュストラの教義を融合して、ミトラ教と言う宗教に発展させた。

          『ミトラ神学』(東條真人) P58


        弥勒の源流がイラン=イラクを中心に多くの信仰を集めた
        光の神ミトラであることは以前から述べられていたそうだ。

        『ミロク信仰の研究』(宮田登)
        『弥勒菩薩』(石上善応)
        『ゾロアスターの神秘思想』(岡田憲明)

        『ミトラ神学』(東條真人) P49


                という訳でゾロアスター教、ミスラ教が
       阿弥陀仏、弥勒仏に影響を与えているようだ。
       場所的に言っても、
       大乗仏教が流行った西北インドの隣の辺りで流行っていた宗教だし
       影響を受けるのは当然だ。

ヒンドゥー教の神様から来ているものが多いことが分かります。
インドの地で生まれ発展していった仏教だから
ほとんどヒンドゥー教からきているのだろう。
あと、同じアーリア民族で隣のイランの影響もあるようです。

参考文献
『バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済』(上村勝彦)
『わかる仏教史』(宮元啓一)
『観音・地蔵・不動』(速水侑)
『世界がわかる宗教社会学入門』(橋爪大三郎)
『ミトラ神学』(東條真人)
『仏教 流伝と変容 (上)』 

参考URL
ヘブライの館2 宇宙研究室 ミトラ教と神智学

ヒンドゥー教と仏教-2

日本に広まった仏教は大乗仏教と密教の一部である。

ところで明治以後、西洋の研究成果が伝わり、

大乗仏教は釈尊が直接語った経典ではなく

後世作られた偽典であることが分かった。

日本で広まっている仏教はほとんど大乗仏教であるからこの衝撃は大きかったであろう。

いや、現在でもその衝撃から逃れていないと思う。

大学の宗教や仏教の講義でも大乗仏教は

後世、釈迦入滅後五百年後ぐらいから作られた経典であることを教えている。

これは宗門の大学でもそうなのだ。

日本では大乗仏教は後世作られた経典であることを教えている。

ということは日本で正式に僧侶になる人は学校での教育により

大乗経典は非仏説、釈尊が直接語ったものでないことを知っている。

これに対して新興宗教では大乗経典でも釈尊の直説であるように語っているようだ。

日本の新興宗教といえば日蓮系の団体が多いが、

日蓮系の団体が依拠している経典は『法華経』だ。

『法華経』は釈迦入滅後500年くらいに作成された経典であるといわれている。

ところがある宗教団体の代表の方の本を読んでいると

釈尊の直説であるように書かれていた。

正式なお坊さんは学校での勉強により大乗非仏説ということを知っているが

それを直接信徒の方にいうことはないようだ。

そんなことをすれば、その宗派の権威というのが持たないだろう。

ある真言宗の僧侶の本を読んでいると

大乗経典、密教典は釈尊の直説ではないが

そういうことは聞かれもしないのに在家の方に話すことはありません
と書いていた。


大乗仏教は何時出来たのか。

以前言われていた説は下記の通り。

お釈迦様のお骨は出家僧侶にとって敬う対象ではなかったが

在家信者にとっては価値のあるものでありそのお骨を納めたストゥーパ、塔を建てた。

そして塔を守ったり、功徳を求めて在家信者が塔にお参りに行ったりした。

そうした塔を守っている在家信者の中から大乗仏教が生まれたというものだ。

それは、釈尊の教えの中から文字に残されていないものが伝わり発展したものや、

あるいは霊的な経験をして霊示を受けて教えを受けたりしたり、

あるいは塔を守っている中で教えを作っていったというものだ。


また、それにプラスしてヒンドゥー教の影響がある。

仏教はアショカ王のとき保護され各地に広まっていった。

そのとき、在来のバラモン教は当然廃れていったが

このとき民衆の支持を得るために

被支配民族のドラヴィタ族や各地の神や神話、習俗を受け入れて

大衆化してヒンドゥー教となっていった。

このヒンドゥー教が一般人の支持を得て仏教の対立勢力となっていったというのだ。

この対抗勢力のヒンドゥー教が仏教のライバルとなり、また影響を与えていったのだ。


ところで大乗仏教は仏陀の直説ではなく創作であるといわれる。

そして、そうした創作は、

戒律により僧侶がそのように釈尊が語ったという嘘をつくことを禁じているため

これは正式な僧侶ではなく在家の人、

あるいは僧侶を辞めて還俗した人が行なった行為であろうとされる。


初期の小乗仏教では現れなかった仏菩薩が大乗経典に沢山現れる。

この神や仏・菩薩はヒンドゥー教の神をモデルにして出来たそうだ。

たとえば観音菩薩はヴィシュヌ神をモデルにしているそうである。


ヒンドゥー教と仏教-1

ヒンドゥー教
(Wikipediaより参照、抽出し見やすいように改行を加えました。)

ヒンドゥー教はバラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、
土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教である。
紀元前2000年頃にアーリア人がイランからインド北西部に侵入した。
彼らは前1500年頃ヴェーダ聖典を成立させ、これに基づくバラモン教を信仰した。

紀元前5世紀ごろに政治的な変化や仏教の隆盛がありバラモン教は変貌を迫られた。
その結果 バラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教へと変化して行く。
ヒンドゥー教は紀元前5 - 4世紀に顕在化し始め、
紀元後4 - 5世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになった。
その後インドの民族宗教として民衆に信仰され続けてきた。

神々への信仰と同時に輪廻や解脱といった独特な概念を有し、
四住期に代表される生活様式、
身分(ヴァルナ)・職業(ジャーティ)までを含んだカースト制等を特徴とする宗教である。

三神一体(トリムルティ)とよばれる近世の教義では、中心となる3大神、すなわち

    ブラフマー:宇宙の創造を司る神
    ヴィシュヌ:宇宙の維持を司る神
    シヴァ:宇宙の寿命が尽きた時に世界の破壊を司る神

は一体をなすとされている。 
しかし現在では、ブラフマー神を信仰する人は減り、ヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され、
多くの信者がいる。
ヴィシュヌ神を信仰する派をヴィシュヌ教、またシヴァ神を信仰する派をシヴァ教と呼ぶ。

ヒンドゥー教は多神教であり、また地域や所属する集団によって非常に多様な信仰形態をとる。
それゆえヒンドゥー教の範囲は非常に曖昧である。
インド国内の広義の定義においては、
キリスト教やイスラム教などインド以外の地域で発祥した特定宗教以外のすべての宗教が相当する。
一例として、インドにおいて仏教はヒンドゥー教の一派とされる。
インド憲法25条では、(ヒンドゥー教から分派したと考えられる)シク教、ジャイナ教、仏教を信仰する人も広義のヒンドゥーとして扱われている。

バラモン教はインドを支配するアーリア人の祭司階級バラモンによる祭儀を重要視する宗教であった。
紀元前5世紀頃に、バラモン教の祭儀重視に批判的な仏教とジャイナ教が成立した。

更にインド北西部は紀元前520年ころにはアケメネス朝ペルシア、
前326年にはアレクサンダー大王に支配された。
その後仏教はアショーカ王(在位紀元前268年頃 - 紀元前232年頃)の帰依などにより一時期バラモン教を凌ぐ隆盛を示した。
この時期にヴェーダを基本とする宗教であるバラモン教は「支配者の宗教」からの変貌を迫られ、
インド各地の先住民族の土着宗教を吸収・同化して形を変えながら民衆宗教へ変化していった。
このため広義のヒンドゥー教にバラモン教時代を含める場合もある。

ヒンドゥー教にはバラモン教の全てが含まれているが、ヒンドゥー教の成立に伴って、
バラモン教では重要であったものがそうでなくなったり、その逆が起きたりなど大きく変化している。

紀元後4世紀頃、グプタ朝がガンジス川流域を支配した。
グプタ朝はチャンドラグプタ2世(在位紀元385年 - 413年)に最盛期を迎えるが、
このころに今もヒンドゥー教徒に愛されている叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』がまとめられるなど、
ヒンドゥー教の隆盛が始まった。

バラモン教は上記のように具体的な目的に対して神に「供犠」を捧げる、
いわば「ギヴ・アンド・テイク」の宗教であったのに対し、
ヒンドゥー教ではヴィシュヌ神のような至高の神への絶対的帰依(「バクティ」と呼ぶ)に基づく信仰態度が多くの大衆に受け入れられ始めた。
この時期に六派哲学と呼ばれるインドの古典哲学が確立し、互いに論争を繰り広げた。


インドでは仏教はヒンドゥー教の一派と見られるというところが興味深い。

インド憲法25条では、(ヒンドゥー教から分派したと考えられる)シク教、ジャイナ教、仏教を信仰する人も

広義のヒンドゥーとして扱われている、そうだ。

何でも仏陀、釈尊はヴィシュヌ神の9番目の化身となっているそうだ。

釈尊在世時はバラモン教が支配的な時代であって、同時期にジャイナ教と仏教が興った。

アショカ王の帰依により一時は仏教がバラモン教をしのぐ隆盛を示した。

バラモン教はこうした仏教の隆盛や政治変化により民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教となっていった。

広義のヒンドゥー教にバラモン教時代を含める場合もある。



具足戒と梵網戒

ネットで具足戒について調べていたら、一つ一つ紹介しているページがあった。

福井県小浜市にある臨済宗南禅寺派の瑞雲院(ずいうんいん)のページだ。

この中に具足戒についての記事があった。具足戒について一つ一つ紹介している。

大乗戒についての記事もあった。大乗戒について一つ一つ紹介している。

他に『傍訳 梵網経』(四季社)というのを借りて読んでみた。

こちらの本は実際の経典の訳であり、WEBの記事は要点の紹介である。

上記のWEBの大乗戒の記事とこの本では戒律の名称、内容が違っている所も多かった。

何なのだろうか?いくつかの種類があるのだろうか。

読んだ印象としては、具足戒については戒律の内容がはっきりとしているのに対し

大乗戒については内容が抽象的で具体性に欠け

しかも要件が多くややこしいという感じだ。

具足戒については守るべき内容がはっきりとしているので、

一つ一つ守っているかどうかはっきりとする。

内容はかなり細かい規則であり精神的な内容でないのが多い。

これに対して大乗戒は具足戒のような

細かい行動、動作、しきたりの指針のようなものでなく

抽象的、精神的な内容がほとんどのようだ。

これについて先に紹介した大乗戒についての記事ではこう書いてある。
出家者のための具足戒は一般の法律と同じように罰則規定を備えた戒であるため、
あいまいな部分が残らないように内容や適用範囲がきっちりと定義されているが、
その点、努力目標である大乗戒にはかなりあいまいな面があるように思う。
梵網経や瑜伽師地論などの経や論の中で戒が説かれること自体、変則的なことである。
また努力目標であるだけに完全に実行するのが困難なものが多いようにも思う。
大乗戒ができたことで具足戒は小乗戒と呼ばれるようになったが、これは大乗側からの呼び名である。

まさにその通り。

大乗戒の内容は一つ一つ要件が多く、全ての大乗戒を守ることなんて無理だと思います。

いや、一つの戒でも守るの難しいのが多数ありそうだ。


現在の大乗戒を受戒しているお坊さんで守っていないと思われるのは下記の通り。

十重戒
第一重戒 殺戒
全員ではないでしょうが肉を食べているお坊さんは多いのではないでしょうか。
肉を食べる人が居るから、畜産業すなわち屠殺が行なわれるわけで縁にはなるでしょう。

第三重戒 婬戒
お坊さんで結婚している人は多いでしょう。

四十八軽戒
第二軽戒 飲酒戒
お酒飲みますね。

第三軽戒 食肉戒
肉食べますね。

第四軽戒 食五辛戒
ねぎ、らっきょう、にんにくを食べますね。

本来、仏教は正式な僧侶となるために受戒を行うように、戒律は大切なものであった。

これは現在でも他国の仏教ではそうである。

日本では仏教伝来以来、鑑真和尚が来日するまで正式な受戒が行われなかった。

日本では自分で出家を宣言した私度僧の僧侶がが多かったり、

自分で自分に授戒する自誓授戒が行われるなど、

正式な授戒の重要性が長らく認識されていなかった。

正式に受戒を行うには出家して戒律を保持している正式な僧侶が10人必要なのである。

これがインドの仏教教団で決められていた規則なのである。

そのため、奈良時代に鑑真らに日本に来てもらい

正式な受戒を行うことになった(753年から)。

ところが最澄の死後、

比叡山延暦寺で大乗菩薩戒の戒壇の設立が822年に認められた。

認めたのは勿論、朝廷である。仏教界ではない。

カトリックのような国際的な仏教の機関というのはなかった。

日本では勝手に国の支配者が仏教のルールを歪めてしまった。

大乗菩薩戒というのは在家信者に対する戒律で

出家者が住持する具足戒に比べて大変ゆるく、規則は無きに等しいものだそうだ。

ちなみに中国では延暦寺の大乗菩薩戒を認めていず、正式の僧侶とはみなさなかった。

だから中世、中国に留学に行った比叡山で受戒した日本人の僧侶は

東大寺で正式な受戒したとの証明書を偽造して持っていたそうだ。

最澄の大乗戒壇設立によって天台宗は戒律が無きがごとくなり

日本の仏教界は右に倣えになった。

このことを主張していたのは故小室直樹博士だ。

これについて思い出すのはキリスト教だ。

キリスト教の元の宗教はユダヤ教は煩瑣な戒律がある。

これに対してイエス・キリストはこのうち

「主なるあなたの神を愛せ」「自分を愛するように隣人を愛しなさい」

の二つの戒律を残し他のものは必要ないというかこの二つに全てが含まれているとした。

大体、ユダヤ教、イスラム教、仏教、儒教など

戒律というのはどの宗教でも大変重要である。

しかし、このキリスト教と日本の仏教は戒律をほとんどないものと無し

自分で律するための規律を自分で定めるというようになした。

これは西洋と日本の特異性であり、この点で西洋のキリスト教国と日本は類似している

というのが故小室直樹博士の主張であった。

大川氏は小室直樹氏の書物はほとんど読んでいたそうだから

このことも知っていたかもしれない。

日本と西洋とは封建制の存在で似ていることは知られている。

中国では封建制がなく、地方の領主というのがなかった。

地方の支配者は中央の政界から送られてきた官吏であり

その地方とは縁がなかった人物である。

地方の知事は必要な税金さえ中央に送ればよく、それ以外が自分の懐に治められる。

そのため地方の知事を勤めれば大変な金銭が溜められたという。

もともとその地方にかかわりのあった人物であったわけではないのだから、

その地方のことを考えるのでなく賄賂など搾取することに勤めたという。

だから中国の人民は官吏など信用せず自分の身内、親族を頼りにしていったのだそうだ。

これは中国の制度を受け入れていた朝鮮半島やベトナムなどでもそうだ。

日本はこの封建制の点で他の東アジアの国と違う発展をとげていて

逆に西洋と似たような社会体制となっていった。

それにプラスして宗教の点でもこのように無戒律的な宗教というのでも似通っている。

日本の国教である神道などは全然戒律のない宗教であることは言うまでもない。


現在日本の大学で仏教を教えている先生には僧侶の資格を持っている方が多い。

海外から仏教を学びに留学に来ている人も居るのだが、

そうした留学生から尋ねられるのは次のような点だ。

僧侶なのに何故結婚していて子供も居るのだ。

僧侶なのにお酒を飲んだり、肉をたべていいのかと。

こうしたことを尋ねられて答えられなくて困るそうだ。


こうした問題、最澄による大乗戒壇の設立、天台本覚思想

そしてその後天台宗が日本では最大勢力となり

多くの優秀な僧侶が育ち新宗派を設立していった。

親鸞による肉食妻帯、明治維新後による「肉食妻帯勝手なるべし」との号令による

ほとんど(多分全ての宗派?)の宗派が肉食妻帯を許した。

これも仏教界ではなく支配者である明治政府の認可により行なっている。


この問題は日本の文化の傾向を考える上で大問題であると思うし

現在でも影響があると思うのだがあまり追求されないことですね。



ところで、幸福の科学ではかなり早い時期、

1990年頃に最澄は間違っており地獄に落ちていると語っていた。

法華一乗、大乗菩薩戒の誤りを説いていた。

このころ比叡山延暦寺で千日回峰を行なっていた酒井雄哉氏がテレビに出ていた。

そして幸福の科学と名指しでは言っていなかったが、

最澄が地獄に行ったとか、

同業者が仲間の悪口をいってはいけないとか語っていた。

だから天台宗側は初期の頃から幸福の科学のことを知っていたし

最澄に対する批判も知っていたようだ。


もし最澄が大乗戒壇を主張し、朝廷もこれを認めることがなければ

日本の文化はかなり違ったものになったのではないかと私は思うので興味深いことです。

戒壇

大乗戒

鑑真

天台宗 延暦寺

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