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////////////////////////////////////////////////////////////////// // // かわら版・ジャパンユニオン 2010/12/1 第258号 // ////////////////////////////////////////////////////////////////// <今号のきめゼリフ>---------------------------------------------- −奴隷根性− ビジネスホテル「東横イン」で深夜に1人勤務のフロント女性が宿泊客から性的暴行を受けたのは安全配慮義務違反の会社に責任がある、という内容の記者会見を被害女性とともに開いた。その際の記者からの言葉が引っかかっている。 「この問題を報道すると、東横インでは深夜に女性1人で勤務していることが知れわたり、新たな犯罪を誘発するのでは」 善意から発せられたものだろう。報道する側には大所高所からの配慮も大切なのかもしれない。しかし被害女性が声を上げない理由にはならない。被害女性は泣き寝入りも考えた。でも第2・第3の被害者を生まないために声を上げたのだ。社会的に問題を明らかにし、犯罪が起きるような職場環境を変えることこそが必要ではないのか。 似たような言葉をあちこちで聞く。たとえば派遣法改正の議論。派遣法を規制すると派遣労働者が失業して今よりもっと困るという意見である。 労働者を使いたい会社が直接雇用すれば済む話で、法改正を妨害したい業界のデマ・脅しの側面が強い。ただ、派遣労働者の立場に立っているつもりの「善意」の意見もある。 これらは一見良識に見えても、その実は不当な制度や環境を温存する役割しか果たさない。声を上げた当事者の足を引っ張る。奴隷は奴隷らしくおとなしくしろ、騒ぐと逆に損するぞと。「奴隷根性」のススメである。 <主人に喜ばれる、主人に盲従する、主人を崇拝する。これが全社会組織の暴力と恐怖との上に築かれた、原始時代からほんの近代に至るまでの、ほとんど唯一の大道徳律であったのである。> (大杉栄『奴隷根性論』) 法律や制度を変える以上に、私たちの意識にある「奴隷道徳」をぬぐい去ることは困難を極めるだろう。が、着実に前進させなければならない大事業だ。 <こんな時どうする>---------------------------------------------- 労働相談センター・メール相談より 「固定残業代」 <質問> 時間外手当についてお聞きしたいことがありメールさせて頂きました。 私の勤める会社で主任になると、主任手当がつく代わりに残業50時間までは全く手当がつかず、51時間から初めて1時間の残業手当がつくといった給与規定があるのですが、これは違法ではないのでしょうか? <回答> メール拝見しました。 いわゆる「固定残業代」「定額残業代」の場合、賃金の中に例えばあらかじめ30時間や50時間分などの残業時間分の残業代を賃金の中に含めて支給するというものです。 しかし、前提となる条件として、 1.労働者の代表者と会社が残業に関する36協定を締結していること。この36協定を労基署に届けて始めて残業を行うことができます。 厚生労働省は月の残業時間を45時間以内と指導していますから、36協定で月50時間と協定することは考えにくく、となれば月50時間の「固定残業代」の規定も怪しくなってきます。 2.就業規則・労働契約書等に「残業時間何十時間分を定額として支給する」ときちんと明記されており、かつ労働者にあらかじめ周知徹底と了解されていなければなりません。 3.「固定残業代」を超えて働いた労働時間に対しては、全額残業代を支払わなくてはなりません。 4.残業時間が「固定残業代」分以下であっても(労働時間が少なくても)、「固定残業代」は支払わなくてはいけません。 5.会社は労働者の労働時間は対しては、正確に計算し、記録を保持しておかなければなりません。 以上の要件が満たされていない場合、会社が主張する「固定残業代」は根拠がない、ということになります。 NPO法人労働相談センター <ほっかほか・ほーこく>------------------------------------------ =ニチガスの協力会社「東陽ガス(株)」で労働組合結成= プロパンガス販売大手で東証一部上場の「日本瓦斯」(ニチガス)の協力会社で、ニチガス株の5.6%(出資率第二位)を保有する「東陽ガス」(本社:埼玉県春日部市)のプロパンガス配送員は前時代的な「借金漬け労働」をなくすため、11月10日、全国一般東京東部労組東陽ガス支部を結成しました。 東陽ガスにおいては、「雇用契約」と「業務委託契約」という「二本立て」の契約のもと、配送員が非常に劣悪な待遇の労働を強いられてきました。会社の指揮命令のもと業務に従事しているにもかかわらず、配送にかかる経費を収入から差し引かれ、また、通常であれば企業の経費として計上されるべき車輌のリース代やガソリン代、はては車輌に搭載するカーナビ代まで労働者負担とされています。 そして、その毎月の経費負担が配送の歩合収入を上回った場合、手取りが数万円、また、収入が「マイナス」となり、会社にいわば「借金」をしている状態となっている労働者もいます。 このように、月の収入が著しく低く、生活のできない状態の労働者は、会社と金銭貸借契約を結び、年金利6%で生活資金を借りるという有様です。そしてこの借金は、退職した場合、一括して返済しなければならないというものなのです。借金を返済できなければ、東陽ガスがどんなに劣悪な労働条件であっても次の職を探すために退職するということは困難になってしまいます。 このような「借金漬け労働」をなくすため、東陽ガス労働者は組合を結成、11月18日、会社の状況を社会的に訴えるため、加藤晋介弁護士同席のもと、厚労省記者クラブで記者会見を行いました。 その矢先、会社は組合員が記者会見に出席したことを「業務放棄」として、翌日以降の仕事を一方的に停止、支部はこれに抗議するため、社長宅・ニチガスへの要請行動を連続的に行いました。 http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/e38ddf78a5ede86dc9d0ee495c31dcce その結果、11月24日の団体交渉で、この「配信停止」の撤回をかちとりました。 http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/f0515c2dbae43e3d12404a051ea18411 「借金漬け労働」をなくし、労働者の生活と権利を守るため闘う東陽ガス支部にみなさんの激励・ご支援、お願いいたします! |
労働相談
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大杉栄『奴隷根性論』は知りませんでした。なるほどと納得です。
転載をさせてください。
2010/12/2(木) 午前 6:23 [ 風太郎 ]