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宮澤賢治は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はありえない」と記しました。私は「世界ぜんたい」とは、人間のみを指すのではないと思います。人間を含めたこの世界全体が幸せになることを、賢治さんは願っていたはずです。またそう考えなければ、この地球という星を守ることはできないところにまで私たちは追い詰められてしまったと思います。 *****************************************
今世界65億の人口のうち、先進国に住んでいる人は4分の1、約16〜17億人です。残りの50億の人たちは、未だにエネルギーをほとんど使えない生活を強いられています。そのなかでも特に11億の人たちは、「絶対的貧困」と国連が定義する状況に置かれています。1日に1ドル、つまり約120円以下しか使えない人が 11億人いて、そのうち5億人は飢餓に直面しています。劣悪な衛生・健康状態のなかで、2〜3秒毎に子どもが死亡しているのです。 未だに多くの人たちが飢えに苦しんでいるにも関わらず、私たちはそれを顧みることなくさらに大量のエネルギーを使って贅沢を享受する社会をつくろうとしているのです。この極めて差別的な世界を一体どうすればいいのでしょうか? 宮澤賢治は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はありえない」と記しました。私は「世界ぜんたい」とは、人間のみを指すのではないと思います。人間を含めたこの世界全体が幸せになることを、賢治さんは願っていたはずです。またそう考えなければ、この地球という星を守ることはできないところにまで私たちは追い詰められてしまったと思います。 賢治さんは続けてこう記しています。「個性の優れる方面に於て、各々止むなき表現をなせ」。 たまたま原子力の世界に入ってしまった私は、なんとか原発を止めるために自分が持っている力を出し尽くします。みなさんも、それぞれが取り組んでいる場所で、それぞれの力を発揮してください。 私たち誰もがそれぞれに「止むなき表現」をする場所があるはずです。 (2007年8月12日、高尾山での小出裕章さんの講演より 全文はhttp://actio.gr.jp/2007/11/19061359.html ) PROFILE▼こいで・ひろあき 1949年生まれ。京都大学原子炉実験所。被曝や放射能汚染の実証データをもとに日本の原子力行政を鋭く批判。著書に『放射能汚染の現実を超えて 』、共著に『人形峠ウラン鉱害裁判』『原子力と共存できるか 』『浜岡原発の危険 住民の訴え』など。 こちらもぜひご覧ください。 2011年4月30日週刊現代 「迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2462 |
たたかい
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