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※サスペンス作品だがネタバレあり。

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<あらすじ>
ノルマンディー上陸前夜、作戦の詳細を知るアメリカ軍情報将校(ジェームズ・ガーナ―)がリスボンでナチスに拉致される。拉致された男が目覚めるとそこは1950年のアメリカ軍の病院だった。米軍の軍医(ロッド・テイラー)は男が戦争中に記憶喪失に陥り、長期間昏睡状態だったと話し、記憶を取り戻すために作戦前後の記憶を話すよう促す。だがそれは架空の病院をでっち上げ、芝居を打ち、上陸作戦の日時を聞き出そうとするナチスの罠だった。病院内の人間は全て英語で演技をしているドイツ側の人間で、米軍の軍医もまたドイツ側の軍医将校であった。最初は状況を信じていた主人公だったが異変に気付き…

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戦車など走行車両は一切登場せず、偽病院での駆け引きのサスペンスに徹した一風変わった戦争映画。戦闘シーンも一切ありませんが、中盤まではドラマの面白さで魅せます。本作の魅力の一つはガーナーから情報を聞き出そうと奮闘するドイツ軍医を演じたロッド・テイラーのキャラクターの素晴らしさです。親衛隊からの圧力に苦しみながら、ドイツ軍人としての職務を守りつつ、自身の道徳と信条に従って行動するイイ奴ぶりが胸を打ちます。どうみてもアメリカ人ですが、16歳までアメリカ育ちという設定なので違和感は少ないです。

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正反対に、親衛隊の悪党を演じたウェルナー・ピータース(同年のバルジ大作戦にも出ていた、悪そうな顔したハゲ)もこれはこれで憎たらしく、名演です。

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ドイツ側の描写も良いです。65年の映画ながら、ドイツ軍が場面によってしっかりドイツ語で会話しています。連合軍がカレーに上陸するという仮説に囚われ、せっかく尋問でノルマンディーという回答を聞き出したのにも関わらず、ノルマンディー上陸という可能性を信じようとしないドイツ側はとても愚かに見えますが、戦争に限らず企業などでも当てはまる普遍的なものでしょう。何か全体で一つの意思や思考が固定されてしまうと、少数の対案を安易に否定してしまい、大損害を招く。会社の不祥事でもお馴染みです。

そんな訳で設定は良く、中盤までは面白いのですが、少々作戦が回りくどいのと、後半がありきたりな男と女の脱走劇になってしまったのが評価できません。偽病院で看護婦を演じているアンナ(エヴァ・マリー・セイント)とガーナーが、協力して偽病院から逃げるのですが、あまりに展開がお粗末で、生き延びるために偽看護婦の仕事を選んだアンナの描写も弱め。収容所で人間性を喪失した女性が、最後はあっけなくアメリカ的なラブストーリー展開になってしまうのは、ハリウッドの悪い癖のように思えてなりません。その分、欧州のガチで暗い作品と違って気楽に見れるということもできますが…


監督・脚本共に「三十四丁目の奇跡」「大空港」など傑作を生みだしたジョージ・シートン。音楽はディミトリ・ティオムキンです。

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ガーナーおじさん、意外な作品に出演してたんですね♪
(まぁスティングレーも意外ですが・爆)
この間、吹き替え版大脱走を観ましたが、家弓さんの声がはまっていて素敵でしたね(^^)

2016/5/15(日) 午前 2:35 [ Mighty O ]

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> Mighty Oさん
ガーナ―おじさんは「卑怯者の勲章」「グランプリ」など何とも言えない変化球出演をしますね。スーパーマリオネーションは反則な(笑)
そうですね!大脱走の家弓さん最高です!雰囲気もピッタリでした。

2016/5/16(月) 午後 10:41 [ last panzer ]


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