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自由の名のもとに戦い、苦しんだすべての人々に捧げる
(エンド・クレジットより)
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<あらすじ>
1940年からソ連に支配され、41年からナチスに占領されたエストニアは、ドイツ軍、ソ連軍両方からの蹂躙、そして徴兵を受けていた。1944年、全てに於いて優勢なソ連軍は再度エストニア領内に侵攻。その最前線、タンネンベルク線では、エストニア人によるドイツ軍武装親衛隊と、エストニア人によるソ連軍部隊が激突していた…

現在は報道の自由度が高く、スカイプを生み出すなどIT分野で高く評価されるバルト三国の一つ、エストニア。その歴史はポーランドやハンガリー同様、つい最近まで暗く、悲しい色に彩られていました。恐らく滅多に日本に輸入されることのないであろうエストニア映画である本作は、エストニアの悲劇的な歴史を、独軍ソ連軍両方のエストニア人の視点から、洗練された脚本とカメラワークで魅せることに成功しています。本作の主人公は複数おり、しかも交互に出てくるのではなく、前半後半で入れ替わるという珍しい構成になっています。

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一人が家族をソ連にシベリア送りにされた責任は自分にあると苦しむドイツ側の青年カール、もう一人がソ連側として同胞と戦い、殺してしまうことに苦しみ、またソ連軍将校からの「反ソ分子」をあぶり出せという要求に苦しむ青年ヨギです。その他にもそれぞれの側に戦争映画の定石に沿ったキャラクターが配され、そして二人の主人公を繋ぐ女性が登場します。正直、とても上手い人物配置で、エストニアの悲劇を分かりやすく、非エストニア人にも伝えることに成功しています。「自由の名のもとに戦い、苦しんだすべての人々に捧げる」というエンドクレジットの言葉が重く響きます。しかも一定の娯楽性があり、上映時間が100分と長すぎない。アカデミー外語賞のエストニア代表に選ばれたのは当然と言える出来です。

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なお、ナチス・ソ連両方に苦しめられたエストニアではありますが、1991年まで抑圧的な支配が続き、かつエストニア人全体への容赦ない弾圧がスターリン時代に行われたソ連への印象は極めて悪く、本作ではドイツの方がソ連より遥かにマトモな国として登場します。歴史における体験者だからこそ描けるであろう、弾圧される側の「非ロシア人国家」から見たソ連の描写は地味ながら恐ろしいものがあります。ある意味、反ロシア姿勢をとっている映画です。(というか、最近の東欧戦争映画など地味に殆ど反ロシア映画な気がします)

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戦闘シーンもところどころ予算の限界が見えるもののお見事。前半、中盤、後半と見せ場をしっかり設け、『戦争のはらわた』『スターリングラード』(ドイツ版)を彷彿とさせるT−34/85とドイツ軍(エストニア人部隊の)との戦い、塹壕での撃ち合いが描かれます。特に注目なのが軍装へのこだわり。STG-34やGewehr 43など比較的珍しい銃が活躍するのも必見。飛行機のCGとかはショボいですが、ロシア映画よりはマシです。
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ちなみに原題は「1944」。彩○ロのパチモン邦題ではなく、珍しくオリジナルです。

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俄然興味が湧きましたp(^^)q!
CGた多少ショボくてもストーリーや演出がしっかりして小道具が決まっていれば言うことないです(^^)

2016/7/29(金) 午前 6:00 [ Mighty O ]

> Mighty Oさん
名作です!CGがしょぼいと書きましたが、殆どの戦闘シーンは実写でドカドカやってるのでご安心ください。最近の戦争物で上位ランクインです(^^)

2016/7/29(金) 午後 0:41 [ last panzer ]

いつもの19⚫⚫シリーズだと思ってスルーしてました。なかなかよさげですね。買います。

2016/7/29(金) 午後 8:25 [ まなぶん ]

> まなぶんさん
オススメです〜

2016/7/29(金) 午後 11:22 [ last panzer ]

買います。関係ありませんが、コンバットマガジンの最新号は戦争映画特集ですね。登場する戦車の記事などがあります。あまり新鮮味はありませんが一応買おうか悩んでます。

2016/7/30(土) 午後 4:37 [ まなぶん ]


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