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長らく見たいと思っていた映画が遂に「東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション」に登場し、見ることが出来ました(歓喜)。

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大蔵貢時代の新東宝で製作・公開された最後の戦争映画。1960年6月11日に公開され、同年12月1日に大蔵が社長を辞任、翌年8月に完全倒産するという、末期的時期に製作された映画ながら、製作体制の悲惨さを感じさせない、手堅く纏まった佳作に仕上がっています。もちろん新東宝的な手抜き感、エログロ感は健在です。

お話はスパイ捜査中の憲兵が心中に見せかけて殺害され、沼田曜一演じる憲兵中尉が捜査を開始するというもの。『憲兵』『憲兵とバラバラ死美人』『憲兵と幽霊』など、新東宝独自の「憲兵映画」のフィナーレにあたりますが、今回は憲兵側の捜査だけでなく、スパイ側の細川俊夫が三田泰子演じる純粋な女性を愛してしまい、心ならずも彼女をスパイにしてしまうという悲恋ドラマにも大分物語が割かれています。

毎度おなじみのお色気役をスパイ側の万里昌代が一手に引き受け、下着姿で吊るされて御木本伸介に鞭打ちされたり、水をかけられたりと散々な目に遭うなど新東宝的な要素はあるものの、全体的にはマジメな作りで、安心してみることができます。逆に言えば、ネタ映画としては物足りない(笑)。『陸海軍流血史』で映画史に残るキチ○イ演技を見せた沼田曜一は、今回は大変おとなしく主演しており、『貞操の嵐』でトンデモない悪男を演じた細川俊夫は、今回も素人の女性に手を出してしまいますが(笑)、一応本当に彼女を愛してしまうスパイ役と、全体的に大人しいキャラクターとなっています。まぁ沼田曜一の憲兵が国の為に働くヒーロー的に描かれる一方で、普通に取り調べではボッコボコにしまくるなど、何だかよくわからない部分はありますが、新東宝的と考えればオールOKでしょう。

監督は山田達雄。恐らく全く知られていない監督ですが、アラカンこと嵐寛寿郎が監督としての腕を高く評価している人物です。予算が少ない中でも、洗練されたカメラワークとロケ撮影の雰囲気で楽しませてくれます。映画の設定は昭和14年ですが、1960年当時の東京で普通にロケをしております。違和感バリバリとなりそうですが、撮影場所を上手く選んでおり、戦争前夜の発展していた東京として登場させるのに耐えられるものになっています。60年当時の両国駅ホームでのゲリラ撮影、神宮外苑球場、御茶ノ水あたりと思われる街並みなど、「東京」の映画としても楽しめます。

ちなみに、本作に実銃の14年式拳銃が出てくるという情報を、以前拙誌『栄光の新東宝』を書いている際にどこかで見たのですが、今回作品を見て、実銃のような稼働をする銃は無いように見えました。ガセだったのかな…

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これは傑作ですね。デアゴに感謝。題名は意味不明ですが、脚本、テンポがよく全く飽きさせません。主演の沼田カッコよすぎます。おっしゃるとおり汚れ仕事は全部、御木本に(笑)。拷問もそうですが、三田の身体検査のときだけ入念にエロかったような。
大和の設計図まで盗むとはスパイすごすぎます。オトリが列車で捕まったときに作戦中止すべきでしたね。最後の大捕物で小銃や機関銃くらい使わせてもらえないんですかね?でも拳銃だけで被害ゼロ、負傷者すらいないって憲兵強すぎ。御木本だけ死ねばいいって思ったのは私だけ?
細川は悪に徹しきれてなくてダメダメ。天知茂を見習いなさい(爆)。江見も甘すぎます。
いずれにしても満足の作品でした。

2016/9/4(日) 午前 10:31 [ まなぶん ]

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> まなぶんさん
確かに大和の設計図は凄腕です!『謎の戦艦陸奥』の3馬鹿スパイとは大違い(笑)新東宝恒例の海岸チープ銃撃戦は確かにもう少し銃が欲しかった感が…会社も末期で銃の小道具売り払ってしまったのかもしれませんね(笑)御木本伸介は「悪い憲兵像」を一人で背負ってましたね、、、

意味不明な題名は大蔵貢の独断では(笑)

2016/9/5(月) 午後 10:41 [ last panzer ]


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