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<あらすじ>
優秀な指揮官、高志航の下で中国、南昌で訓練を重ねてきた中華民国空軍は、第2次上海事変の勃発を受けて杭州の寛橋飛行場へ進出。日本軍を相手に大戦果を重ねていく。だが敵の航空戦力の増強を受け、
高志航は部下を次々と失っていく…

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台湾(中華民国)では1970年代に実在の英雄を主人公にした抗日戦争映画が次々と封切られました。第二次上海事変の地上戦を描いた『八百壮士』、日中戦争で大戦果を挙げた張自忠の半生を描いた『英烈千秋』、台湾での抗日を描く『梅花』などが製作されています。この背景には1972年の日本との断交もある程度影響していると思われますが、同時に外省人率いる国民党支配の正当性を訴え、台湾生まれ台湾育ちの本省人に「中華民国国民」としてのマインドを植え付ける意味合いもあったのでしょう。
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さて今回ご紹介する『筧橋英烈傳』も正にそんな一本。厳しくも部下思い、家族思いのパーフェクトな司令官、高志航↓率いる航空隊が襲い来る日本機を圧倒的キルレシオで撃墜しまくります。演じるは台湾の大スター、梁修身。昔の特撮映画に出てきそうな顔立ちです、結構カッコいい。

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抗日映画なのでしゃーないですが、史実はかなり無視してます(笑)。毎回の空中戦で20機くらいバタバタ落としていきます、日本軍弱すぎです(笑)。中盤からは96艦戦、終盤はゼロ戦と史実に沿って増強されてはいくのですが、お構いなしに複葉機のカーチス・ホークⅢに落とされます。ラストはソ連製のI-16が切り札のように登場し大活躍。どうみてもゼロ戦より弱そうですが…。

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日本軍が弱すぎるのが残念ですが、アクション映画として見ると完成度はかなり高いです。無駄なドラマは省き、特撮と実写を組み合わせた戦闘シーンを大量に盛り込むことで中だるみがありません。一応銃後で支えるパイロットの妻たち云々のシーンもありますが、長すぎません。空中戦の撮り方、ホームドラマ要素の挿入、指揮官目線など、往年のハリウッド戦争映画をかなり参考にしているように思われます。

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全編を彩るミニチュア空中戦は実は日本人スタッフによるもの。三上睦男(特技監督)、川崎龍治(特技撮影)、鈴木昶(特技操演)がしっかりクレジットされています。本編の画質が悪いせいか、ミニチュアの粗も殆ど見えず、相当な完成度です。96式陸攻、ホークⅢ、96艦戦、I-16、ゼロ戦(これだけ全く似てません)と、豊富に飛び回り、日本機だけ盛大に炎上します(´;ω;`)。77年当時の日本では既に特撮映画も過去のものとなっており、抗日モノとはいえ、スタッフはかなり楽しんで腕を奮ったのではないでしょうか。
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更に圧巻なのは艦船攻撃シーンと地上攻撃シーン。上海事変を援護するために日本軍艦艇を爆撃する場面では何と本物の船を盛大に爆破。完全に西部警察PARTⅢのノリです。
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友軍を援護するために単機攻撃を仕掛けるシーンはM18ヘルキャット演じる日本軍戦車を展開しつつ、エキストラを大量動員し、空中戦以上の迫力と言えるかも。ヘルキャットは同時期の他の台湾映画でも日本戦車を演じており、本物より強そう。それを固定機銃もないセスナ同然の機体で蹴散らす中華民国軍ェ…

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日本軍はもちろんパラシュート脱出した敵を狙い撃ちする悪役で、日本語も片言ですが、投降を拒否して自決したパイロットを丁重に葬ったりと中共の抗日映画に比べたらまだマシです。

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見どころは失敗を責められた日本軍将校が唐突にハラキリをする場面。バックに流れるのは「さくら」、爆笑必死です。

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実際の練習機がゼロ戦として登場。うーん似てない。てか複座式。




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<あらすじ>
ヴァージニアの地主として尊大に振る舞っていたサムは、太平洋戦争の勃発とともに、叔父の部下として出征する。順調に昇進していったサムだったが、あることで上官を殴打し、札付きの面々で構成された「ならず者部隊」に転属させられる。太平洋の小島でかつての小作人たちと共に戦うことを通して、サムは人間的に成長していく。

リチャード・フライシャー監督の戦争ドラマ。地主の世界しか知らなかった人間が、過酷な戦場に赴き、かつて苦しめていた使用人たちと共に戦うことで彼らの苦しさと自分の無自覚に気づき、反省し、人間として成長するお話で、
「天国と地獄の間」という原題の意味を考えさせられます。反面、「軍隊が男を成長させる」という典型的な当時の価値観が垣間見えるのに違和感を禁じ得ませんが…。90分程度の小品で、戦闘シーンは少なめです。日本軍もチョコチョコ出てくるだけで、存在感は控えめ。死んだふりをしたりブービートラップを仕掛けたりと相変わらず「卑怯な敵」ではある一方、英語を駆使して奇襲を試みたり、迫撃砲をかなり景気よく打ち込んで来たりと、しっかり強い敵として描かれています。もちろん日本人が演じているわけではなく、軍装や言葉は違和感バリバリ。ただ終盤だけ正しい日本語を話したりします。日本軍が徹底的に弱体化していた1945年という設定はメチャクチャ。43、4年くらいならリアリティがあったと思います。

いかにも金持ち・世間知らずのボンボンであるサムを、ロバート・ワグナーが好演していますが、それ以外の登場人物はネームバリューに欠ける俳優が名を連ねているため、キャストに精彩を欠くのが残念。次々と同僚が死んでいくことにサムは苦しむのですが、誰が死んだのかも全く印象に残らず、映画としては致命的と言えます。
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それでも神経質で、ホモソーシャルの塊のような「ならず者部隊」の上官、ウェイコ(ブレデリック・クロフォード)や、最後まで行動を共にする小作人ウィリー(バディー・エブセン)、妙に色っぽいラブシーンが印象に残る妻(テリー・ムーア)が印象に残ります。音楽は私的にお気に入りの作曲家、ヒューゴ・フリードホーファー(『ならず者部隊』『我等の生涯の最良の年』『めぐり逢い』)。バリバリのミリタリースコアと後のジェリー・ゴールドスミスを思わせるサスペンスタッチのスコア、美メロの共演が最高で、57年度のアカデミー賞にノミネートされています。


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<あらすじ>
1956年、カリフォルニア、キャッスル空軍基地。勤続20年のベテラン整備士、チャック軍曹(カール・マルデン)は、6年前の朝鮮戦争以来敵視していたハーリー大佐と再会する。チャックは大佐が共産軍の攻撃の中、女に会うため無理やり東京へ帰還しようとチャックらに夜間整備を命じ、敵の攻撃で同僚が命を落としたことからハーリーを憎んでいた。クイズ番組で大金を獲り、友人からは軍を辞めて彼の会社に入るよう勧められるなど、人生の進退に悩むチャックだったが、その最中に愛娘(ナタリー・ウッド)がハーリーと恋仲になってしまう。軍を辞めようとするチャックだが、優れた腕をハーリーや基地司令に見込まれ、退役手続きが終わるまでの間、大佐と新型爆撃機、B52の試験飛行に取り掛かる。だが飛行中に機体異常が生じ…

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年頃の娘を持ち、長年軍に勤めてきた男のドラマを、ダイナミックな飛行場面を交えて描く航空ドラマの傑作。邦題ではまるでバリバリの戦争アクションですが、戦闘シーンは冒頭に一瞬あるのみで、冷戦期の米軍を舞台にしたホームドラマがメインです。人生の進退に悩み、年頃の娘に悩む父、それを支える母、情熱に動かされる娘、反目しつつも共に任務に挑む大佐、そしてすべてを圧倒する巨大新型機B52が織りなす、古き良きアメリカを思わせるドラマの展開に心が安らぎます。一方で核戦争時代に「戦争を防ぐため」、敵を圧倒する軍事力を持つことを基地司令官が熱弁する場面があったり、ガンガン空軍力を映像で見せつけるなど、プロパガンダ映画の側面もかなりありますが、ドラマがマトモなのであまり「臭さ」を感じずに楽しめます。

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航空機マニアには溜まらない映像が盛りだくさん。基地にはB47がズラリと並ぶほか、真打ちB52、B29を改造した空中給油機KB29(給油シーンもあり)、シコルスキーS55ヘリが登場。監督は「勇者のみ」(西部劇の方)、「放射能X」などジャンルを問わず多くの作品を手掛けた職人監督ゴードン・ダグラス。その腕前を存分に味わえる映画と言えましょう。最近になって日本でもオンデマンドDVDが出ました(筆者はスペイン版で鑑賞)。

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※サスペンス作品だがネタバレあり。

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<あらすじ>
ノルマンディー上陸前夜、作戦の詳細を知るアメリカ軍情報将校(ジェームズ・ガーナ―)がリスボンでナチスに拉致される。拉致された男が目覚めるとそこは1950年のアメリカ軍の病院だった。米軍の軍医(ロッド・テイラー)は男が戦争中に記憶喪失に陥り、長期間昏睡状態だったと話し、記憶を取り戻すために作戦前後の記憶を話すよう促す。だがそれは架空の病院をでっち上げ、芝居を打ち、上陸作戦の日時を聞き出そうとするナチスの罠だった。病院内の人間は全て英語で演技をしているドイツ側の人間で、米軍の軍医もまたドイツ側の軍医将校であった。最初は状況を信じていた主人公だったが異変に気付き…

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戦車など走行車両は一切登場せず、偽病院での駆け引きのサスペンスに徹した一風変わった戦争映画。戦闘シーンも一切ありませんが、中盤まではドラマの面白さで魅せます。本作の魅力の一つはガーナーから情報を聞き出そうと奮闘するドイツ軍医を演じたロッド・テイラーのキャラクターの素晴らしさです。親衛隊からの圧力に苦しみながら、ドイツ軍人としての職務を守りつつ、自身の道徳と信条に従って行動するイイ奴ぶりが胸を打ちます。どうみてもアメリカ人ですが、16歳までアメリカ育ちという設定なので違和感は少ないです。

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正反対に、親衛隊の悪党を演じたウェルナー・ピータース(同年のバルジ大作戦にも出ていた、悪そうな顔したハゲ)もこれはこれで憎たらしく、名演です。

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ドイツ側の描写も良いです。65年の映画ながら、ドイツ軍が場面によってしっかりドイツ語で会話しています。連合軍がカレーに上陸するという仮説に囚われ、せっかく尋問でノルマンディーという回答を聞き出したのにも関わらず、ノルマンディー上陸という可能性を信じようとしないドイツ側はとても愚かに見えますが、戦争に限らず企業などでも当てはまる普遍的なものでしょう。何か全体で一つの意思や思考が固定されてしまうと、少数の対案を安易に否定してしまい、大損害を招く。会社の不祥事でもお馴染みです。

そんな訳で設定は良く、中盤までは面白いのですが、少々作戦が回りくどいのと、後半がありきたりな男と女の脱走劇になってしまったのが評価できません。偽病院で看護婦を演じているアンナ(エヴァ・マリー・セイント)とガーナーが、協力して偽病院から逃げるのですが、あまりに展開がお粗末で、生き延びるために偽看護婦の仕事を選んだアンナの描写も弱め。収容所で人間性を喪失した女性が、最後はあっけなくアメリカ的なラブストーリー展開になってしまうのは、ハリウッドの悪い癖のように思えてなりません。その分、欧州のガチで暗い作品と違って気楽に見れるということもできますが…


監督・脚本共に「三十四丁目の奇跡」「大空港」など傑作を生みだしたジョージ・シートン。音楽はディミトリ・ティオムキンです。
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ハワイへの移動命令を受けたB17の9機編隊はその途上、ハワイが日本軍に奇襲されたことを知る。安全の為に散開した中の一機、「メアリー・アン」は着陸したマウイ島で日本兵の攻撃を受ける。その後島を脱出した機はウェーク島、フィリピンと激戦地を渡り歩き、数々の戦果を挙げる。バラバラだった乗員も固い絆で結ばれていくのであった…

名匠、ハワード・ホークス監督が手掛けた戦意高揚映画。日本で知られた俳優は殆ど出ていません。しかしながら観客を盛り上げる要素を全力で盛り込んだ脚本・演出のパワーは凄まじく、リアリティーの欠如をものともしないパワフルな娯楽作になっています。真珠湾攻撃時に本土からの移動してきたB17部隊がいたことは「トラ・トラ・トラ!」でも出てきますが、あくまで本作はそれを導入部のネタとして使い、その後はオリジナル脚本でガンガン進んでいきます。

冷静に見れば本作は嘘八百です。そもそもハワイで日系人はアメリカ人を攻撃していないし、ウェーク島にB17は寄っておらず、日本軍の大艦隊はオーストラリアに侵攻していないし、そもそも緒戦にB17で艦船を撃沈した記録はありませんし、ゼロ戦という呼称は緒戦では使用されていません。以前ご紹介した「ボンバー・ライダー」同様、一部の史実を元に作ったフィクションです。

ただ、「観客を楽しませる映画」として考えれば、この映画の嘘八百も実にライトな選択になります。日本兵の卑劣さと、対照的なアメリカ兵の勇猛果敢さの対比はこの時期の戦争映画で毎回見ることが出来ますが、本作はその中でも特にこの演出と盛り上げ方が優れていると感じました(あくまでプロパガンダとして、ですが)。ジャップ・ニップ・モンキーを執拗に使う登場人物たちや、「ミスター・モト」と聞くと大声で吠える日本嫌いの犬など、小道具も上手く効いています。もちろん戦闘機から脱出した米兵を執拗な程撃ち続ける日本機パイロットなど、憎き日本描写は相変わらずです。ど派手な戦闘シーンの数々と、観客の愛国心に訴えかけ、敵愾心を煽ることに終始した脚本は実にお見事。ハワード・ホークスらしい、豪快そのものです。

ミリタリー要素もまた「空軍」というタイトルに相応しい豪快な仕様です。冒頭から9機のB17の飛行から始まり、フィリピンでは世にも珍しいベル社のエアラコブラが多数登場し、飛行場面も見せてくれます。味方機からゼロ戦まで作中で幅広く役をこなすテキサン、そしてカットによって機種が変わる(笑)ゼロ戦、
また実写フィルムになりますが、B25、F4F、デバステーターなども多数見ることができます。ラストに日本機動部隊の攻撃場面では、全機出動した色とりどりの空軍機が、非常に大型の模型を盛大に破壊し尽し、当時のアメリカの観客が喝采したであろう名場面になっています。一部の空母の描写などは、同年公開の「デスティネーション・トーキョー」に再利用されています。

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