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太平洋戦争の開戦直後に激戦の後に陥落したウェーク島での攻防を描いた戦中プロパガンダ映画。開戦直後の日本軍との絶望的な戦闘を戦う兵士たちの映画は『バターンを奪回せよ』『バターン特命隊』などがありますが、「壮絶な戦い」と紹介文に書かれている割には直接対決の場面は少なく、ドラマ的にもあまり面白くない作品です。メインは島を砲撃と空爆で攻める日本軍とそれに耐える米兵で、ひたすら砲撃されるばかりなのであまり盛り上がりません。中盤に残存戦闘機で艦艇に爆撃するシーンや空中戦があり、それなりのハイライトとなっています。

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レアな点としてF4Fワイルドキャットの登場場面が多いです。記録フィルムではなくしっかり映画用に撮影されています。日本軍機は何かの練習機か旧型機をいじったもので、足が出っ放しなあたり、96式っぽい?また例によって戦前の邦画『燃ゆる大空』からの流用フィルムがあちらこちらに(笑)。日中戦争が舞台の『燃ゆる大空』は本作以外にも『フライング・タイガー』『空軍極秘作戦』『血戦奇襲部隊』など、戦中アメリカ映画では流用フィルムとして引っ張りだこでした(笑)。本作でもF4Fと改造日本機の空中戦が実際に撮影されているにも関わらず細切れで流用されている辺り、間接的に空中戦の完成度が高いとハリウッドに評価されていたのかもしれません。流用される度に憎き日本兵の象徴としてアメリカの観客に映ったであろう灰田勝彦が戦後日米合作の『東京ファイル212』に出たりするので世の中何があるか分かりません。

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85分の上映時間中、戦争が始まるのは30分経ってから。開戦前に「天皇陛下からの書状」を持ったアヤシイ日本の大使がウェーク島に立ち寄り、胡散臭い顔で「陛下は日米の友好を願っております」と会食で述べる場面(もちろん直後に真珠湾攻撃が起き、主人公たちがJAPめ!と怒るわけです)など、戦中映画にふさわしい味付けがされています。部分部分の見どころはありますが、主人公たちに非常にオツムの悪い兵士がいたりして、あまり楽しい作品ではありませんでした。

監督:ジョン・ファロー
出演:ブライアン・ドンレヴィ
かつて彩プロから「バトル・フォー・スターリングラード」と戦争アクション大作のように宣伝され、画質・音質共に劣悪なDVDが出ていましたが、今年IVCからHDリマスター版が発売されました。同マスターを使用したものをCS放送で鑑賞し、ソ連映画としては破格の綺麗な映像に驚きました。フィルムの傷は皆無で、本作の目玉である美しい自然描写、絵画的で幻想的ですらある戦闘シーンの炎を細部まで見ることができます。
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独ソ戦の緒戦で、ドイツ軍の攻勢に敗退し、スターリングラードまで撤退する兵士たちの行軍と戦闘を描いたソ連映画で、同時期に作られた「大祖国戦争」モノの中でも地味なストーリー展開ながら、個性的なキャラクターと映像である意味最も印象深い作品であります。原作はソビエトの大作家ミハイル・ショーロホフで、監督は同作家の「人間の運命」を監督第一作とし、後にあのトルストイ4部作「戦争と平和」を見事に纏め上げたセルゲイ・ボンダルチュクなので、風景の描写は超一級です。果てしなく広い草木や花が咲く緑色の大地と、爆発と炎の対比。特に勇気や能力のある訳でもない、ごく普通の元農民、元公務員たちが愚痴を言い、女にちょっかいを出し、ヘトヘトに疲れながらも大地を歩き、物量兵器に優れるドイツ軍と震えながら戦っていく様を特にダイナミックな盛り上げも無く描いています。

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当時のスター俳優を総動員したプロパガンダ映画ながらも、一定の言い訳を付けた上で非共産党員の兵士が戦闘中神に祈ったり、女の話題ばかりしたりと、巧みに検閲の穴をくぐって独創的な表現を実現しています。泥臭く、しぶとく生きるロシア人の強さが伝わってくるので、プロパガンダとしても一定の効果を上げていると思われます。なお映画は主演のワシーリー・シュクシンが撮影中に心臓発作で急死したために、本来の物語の途中で終わっていますが、違和感なく一本の映画として見ることができます。

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2時間半の上映時間の内、戦闘シーンは15分程度で、それを期待する人には向いていませんが、国策映画らしく迫力は満点です。10両以上の戦車が兵士と丘陵を突撃し、砲爆撃の着弾で地面は轟音を立てて火を噴き、爆撃機が集落を丸ごと吹き飛ばす実写映像の数々は幻想的撮影も相まってお見事。

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一部の戦争映画ファンにはおなじみのT44改造4号戦車が初登場した映画であり、縦横無尽に大地を走り回り、火炎瓶や対戦車ライフルで次々と撃破されます。T34改造4号戦車もひっくり返ったりと大活躍(?)。今回きれいな映像で見返して、映像の美しさやドラマの作り等、かなり評価が上がりました(笑)。
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独ソ戦緒戦でロシア軍が勇敢な抵抗を繰り広げたミンスク近郊、ブレスト要塞での戦闘を、一人の少年を主人公に置きつつ、複数のソ連人の視点で描いた戦争アクションで、ロシア政府が全面出資し、過去最大の製作費をかけたとかかけなかったとか話題の大作です。ただ実態は…いつものソビエトロシア映画です(笑)。戦車は登場するけど置物・輸送手段扱い同然で(そして収束手榴弾で撃破)、ドイツ軍はステレオタイプな残虐な存在、ロシア兵・ドイツ兵とも接近戦では銃を放り出して殴り合い合戦(そしてロシア兵だけ強い)等々、ソ連時代の国策映画のスタイルを踏襲しています。

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一方で子供や青年、女性といった複数の準主人公を置き、独ソ戦緒戦の悲壮な負け戦を伝えようという意気込みは感じられ、また戦闘に関わった者たちが敗北者を手酷く扱ったスターリン政権のために意図的に忘却され、後年名誉が回復されたことが字幕で表示されるのが製作者たちの最大のメッセージのように思われました。その点ソ連映画のスタイルを踏襲しながらも、21世紀ロシアの戦争アクションとして評価できる作品に仕上がっております。戦闘シーンはCGのチャチさはさておき砲撃着弾シーンでは悲惨する破片で倒れる女性の描写等にリアリティと新鮮味が感じられます。近年のロシア映画の常で場面は少ないですが改造Ⅲ号や実車Ⅳ号が登場、MGの発射音、着弾は相応にリアルです。過度な期待は禁物ですが、寓話的で見る人を選ぶ「ホワイトタイガー」等よりは一般の人にも受け入れられるロシア映画でしょう。
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あの「戦場にかける橋」32年ぶりの続編!を思わせますが、まさかの無関係イギリス映画(笑)。お話としてはビルマの鉄橋工事に動員されていた英軍捕虜たちが戦況の悪化から労働力として日本に輸送されることとなり、現地のゲリラが襲撃したり、捕虜が小規模な抵抗を行うも無事に(?)サイゴンから輸送船に乗せられてしまい、彼らは最後の手段として船の奪還に挑むが…。というお話です。冒頭で連合軍の爆撃で橋が爆破される場面のみ「戦場にかける橋」です(笑)。物語としては一部は事実に基づいており、映画と同名の本も出てはいるのですが、当然ながらタイトル詐欺の本作の評判は頗る悪く、加えて元祖「戦場にかける橋」サイドから訴訟を起こされ、その為アメリカやカナダでは上映されなかったようです。

悪評だらけの本作ですが、別の映画として見れば(というかホントに1作目と関係ないので繋げて見るのは不可能。笑)それなりに見ごたえのある娯楽作品です。日本のテレビ局や広告代理店が制作に加わったようで、日本側の描写は元祖の比にならない程度にマトモです。事ある毎に捕虜を殺そうとしたり、拷問したりの悪役タナカ中尉を演じたジョージ・タケイ(スタートレック!)は日系人ですが、かなり頑張って日本語のセリフをこなしており、彼に反目する人道主義者のハラダ少佐を堂々演じた仲代達也、輸送船船長の高橋悦司、その他日本人が演じている日本兵らは言うまでもありません。セリフがない日本兵は明らかに日本人じゃないのが混じっていたり
捕虜を日本に輸送するボロ船になぜか民間人が子連れで乗り込んでいたり、日本側に敗戦間近の必死さが全く無いのはアレですが、野暮というものでしょう(笑)。当たり外れは大きいものの、硬派な男のドラマを好むアンドリュー・V・マクラグレン監督らしく、捕虜も日本軍もお互い使命と責任を持つ存在として描かれ、必ずしも悪役一辺倒な存在になっていない点は評価できるのではないでしょうか。悪役成分はすべてジョージ・タケイが引き受けているので実に分かりやすい(笑)。

1作目や外国の太平洋戦争モノで顕著なヘンテコ日本軍描写はかなり少なくなっており、撮影では全編フィリピン軍協力の下で現地ロケが行われ、南方の機関車、自然、町の映像にはロケでは生み出せないリアリティーがあります。ゼロ戦に見立てたフィリピン軍の戦闘機や、ホンモノの潜水艦などミリタリー要素も十分。

銃器については以下サイトを参照
http://www.imfdb.org/wiki/Return_from_the_River_Kwai

またやっつけ仕事だったようですが、ラロ・シフリンの「エアポート80」っぽい軽快なテーマ曲もなかなか良く、記憶に残ります。

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本作のダメな点といえば…日本人の視点だと主人公サイドの弱さが目立ちます。ティモシー・ボトムズ、デンホルム・エリオット、そして続編映画に高頻度で出現するエドワード・フォックス(笑)ら全然パットしない面々。日本側の方が親しみがある分豪華に見えます(笑)。



長年見たいと思っていた戦争アクション、CS放送でようやく鑑賞が叶いました。

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<あらすじ>
8月15日に終戦を迎えた日本。戦争は終わったが、しかし外地、特に中国大陸の日本軍には内地へ帰還するという困難が待ち構えていた。満州と朝鮮の国境付近で終戦を迎えた日本軍の小部隊と日本人避難民が満州から日本内地への脱出に挑むも、迫り来る抗日ゲリラの嵐!裕次郎一行は
駅に放置されていたオンボロ機関車を修理し、無事に脱出することができるのか!?

映画全盛期には競合する映画会社が毎週のように新作映画をローテーションで流していました。これら東宝、東映、日活、大映、松竹、新東宝の内、戦争映画を最も多くを製作したのは恐らく東宝ですが、逆に少なかったのは?と考えると、日活が挙げられるのではないでしょうか。最終期に左翼映画の金字塔「戦争と人間」をモスフィルムの協力まで得て作ったものの、全盛期日活の戦争映画は「零戦黒雲一家」くらいであまり思い浮かびません。若者受けしていたのは無国籍アクションや青春モノであって、戦争映画はあまり売れないという会社の判断があったのかもしれませんね。

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さて「逃亡列車」は66年という映画斜陽化が進んでいた時期の日活では珍しい戦争映画であると同時に、日活らしいアクション描写・キャラクター設定が輝く隠れた良作です。まずタイトルバックに裕次郎の主題歌が流れる時点で他社の戦争映画とは全くの別モノと感じさせてくれます(笑)。もはや戦争映画というより完全な日活アクションです。その後も一癖も二癖もある兵士を束ね、襲い掛かるトラブルに挑む裕次郎(小太りで栄養状態良すぎ、軍人には全く見えないです笑)、最初は反目するも次第に信頼してゆく部下、どこからともなく現れるヘンな中国人(伊藤雄之助)。もちろんヒロインも登場し、ちゃっかり抗日ゲリラに捕まったりします。娯楽戦争映画の王道の脚本であると同時に、どこか妙に明るい雰囲気は日活ならでは。正直中盤あたりのドラマは結構どうでもいいのですが、終盤のアクションは完全にインディアンの襲撃を迎え撃つジョン・ウェインのノリで、軽機関銃や手りゅう弾も繰り出し撃ちまくり、爆発ありの殆どマカロニコンバットです。満州、朝鮮、中国を舞台にした邦画アクションといえば岡本喜八の「愚連隊」二部作がありますが、喜八監督が明確な戦争へのメッセージを打ち出したのに対し、本作はイデオロギー的なものや反戦精神すら形式的なものに留まっており、駅を時間内に脱出するべく奮闘する男女たちのドラマとアクションに終始しています。故に抗日ゲリラは完全な野蛮人として登場し、遠くでアイヤーと主人公の銃弾に倒れていくだけです。

MP40様やATF観戦武官長様らの研究、調査で判明しておりますが、撮影は小海線で国鉄の協力の下、蒸気機関車を動員して行われています(私は小学生の時に小海線を旅行していたせいか風景に妙に見覚えがあり、カラー撮影のお陰で全然朝鮮・満州に見えませんでした笑)。全編に登場するC56の雄姿は鉄道ファンでも相当に楽しめるでしょう。また殆ど違和感の無い特撮シーンと実写場面の繋げ方は必見です。あと主題歌も良いです、CDとか入ってないのかな…

本作は結構面白いにも関わらず単品のDVD化がされていません。裕次郎と雄之助以外はヒロインの
十朱幸代はともかく当時の一線級スターは出ておらず、キャストの弱さはあるでしょうが、邦画では希少な娯楽アクション精神に徹した映画として存分に楽しめる快作です。

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