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フランスVISSEAUX RADIOのTLL4を紹介しよう
全く情報の無い謎の出力三極管です。
フランスのVISSEAUX RADIOは、1920年代の末から1930年代の中頃までバリウム昇華型フィラメントの球を製造していたようですので、この球は1930年代の末頃の製造かもしれません。
当時VISSEAUX RADIOの受信用三極管はRO****の番号が付けられるのが通例です。
RO以外の球は軍用或いは業務用の可能性が高そうです。
フランス軍用の低周波増幅用用三極管は、TMBF**とナンバリングするのが通例のようですからTLL4は業務用管の可能性が高そうです。
この球は、RE604族の球であるとして購入しました。
FUNKE W19型チューブテスタでRE604の設定で良品の判定とのことです。
TLL4の型番からして4V管であることは間違いなさそうなので、定電圧電源を繋いでフィラメントの点灯試験を行いました。
少しずつ電圧を上げて行くと4Vで通常の酸化皮膜フィラメントの光度と同じ位の明るさになり、フィラメントは4Vであると確信しました。
現在3.5V程でフィラメントエージングを行っています。
おそらく当時のVISSEAUX RADIOの民生球に同等管があるのではと予想しています。
いかなる結果になりますことやら楽しみです。
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久しぶりに球の紹介です。
ハンガリーの管球メーカーTungsramは米系の球も製造していたことで知られています。
今回はUX171Aと同規格のPX1710を紹介します。
なんと私の大好きなバリウム昇華型フィラメントです。
UX171A相当のバリウム昇華型球がPhilipsのC603だけと思っていた私にとって大収穫です。
しかもC603が6VフィラメントでEpMax150Vであるのに対してPX1710はUX171Aと全く同じ規格ですから自由に差し替え出来ます。
とても光沢のある綺麗なプレートです。
Tungsram社のP460等のバリウム昇華型球と内部構造が共通していて、UX171Aには無い魅力があります。
UX171Aと比較してみるとプレートの寸が短いことに気付きます。
しかし、PX1710はフィラメントが三往復していて十分な電子放射面積を確保しています。
単なるコピー球でないところにTungsram社の技術力の高さを感じます。
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真空管の程度をどのように評価すべきかは人によって意見が分かれるところかもしれません。
私がどのような考え方で真空管の程度を評価しているのか公表することで多少なりとも真空管愛好家の参考になればと思います
これまで数回に渉ってTV−7について述べてきましたが、TV−7で球を測定した際その数値をどのように考えればよいのでしょうか。
TV−7の測定結果は指数表示ですが測定レンジ毎の適切な係数で換算することによりGm値へと変換できます。
TV−7がGm型チューブテスタと呼ばれるのはそのためです。
TV−7のテストチャートを見ると廃棄値のみが設定されています。
これは、TV−7が軍の最前線で今使えるのか使えないのかを簡便に測定するためのチューブテスタだからです。
十分な寿命が球に残っているかは問題ではないのです。
もちろん同一管種を測定してGm値が高い方が残存寿命が多く残っている可能性がありますが絶対的なものではありません。
それは被験球のGm値が新品時にどの程度であったかを知る由がないからです。
私たち球の愛好家にとっては、使えるか使えないかはもちろん十分な残存寿命があるのかどうかが第一の関心事であることを考えると、残存寿命を的確に判定できるパラメーターが欲しいと思うのは当然でしょう。
まずここで確認しておきたいのは、ある球の規格表上のGmが2mA/Vであるとします。その球の新品2本のGmを測定するとそれぞれ1.9mA/Vと2.1mA/Vでした。
この場合2.1mA/Vの球の方が残存寿命の期待値は長いでしょうか。
常識的に考えれば2本とも新品ですから残存寿命の期待値は同じです。
つまり、私が言いたいのはGmを測定しただけでは残存寿命を推定できないと言うことです。
上述の理由でIpについても同様なことがいえます。
標準動作時のIpが40mAの球について新品2本を測定してそれぞれ35mAと45mAのIpであった場合も残存寿命の期待値は同じと考えるのが妥当でしょう。
なぜなら、Ip35mAの球はエミ減でIpが標準動作より少ないのではなく製造時のバラツキでμが大きいがRpが大きいだけだからです。
では、私がどのような方法で残存寿命の期待値の多寡を判定しているかといいますと、ライフテストの測定結果です。
ライフテストは聴きなれないテストという方も多いと思いますが、HICKOK社の533型以降の530番台のチューブテスタ等に装備されています。
ライフテストがどのようなものか簡単に説明します。
まず、規定動作のGmを測定し、次にフィラメント電圧を10%減じた動作時のGmを測定します。
それぞれのGm値を比較してその減少率で判定し、Gm値が25%以上減少した場合不合格となります。
ライフテストではフィラメントやヒーターがどれだけ元気かを判定しているのです。
Gmテストは被験球の新品時のGmが不明のため明確な比較対象が無く残存寿命の期待値の推定が困難であるのに対して、ライフテストは残存寿命の期待値が長ければ長いほどGmの減少率が小さいと言うという絶対的な基準があります。
最後に私がライフテストに辿り着いたきっかけを記しておきます。
それは、真空管の特性のバラツキについてメーカーの許容値が非常に大きいことに気付いたからです。
以下に電子機械工業会(メーカーの団体)の受信管技術委員会で申し合わされた「規格値に対する許容変動率」を示します。
プレート電流:±30%(電圧増幅管と周波数変換管:40%)
第2グリッド電流:±50%
相互コンダクタンス(Gm):±25%
出力:±30%
非常に大きいことにビックリされたことでしょう。
この範囲に収まっていれば出荷時の検査に合格します。
海外のメーカーも大同小異の許容変動率であったようです。
たとえば私の大好きなテレフンケンRE604の標準動作時のIpは40mAですが、±30%を適用すると28〜52mAが合格となります。
つまりIpが28mAであっても新品の可能性があるということです。
このRE604(Ip28mA)が新品であれば、ライフテストした場合新品同様の数値(極めて低いGmの減少率)を示すはずです。
では、新品時のIp52mAが40mAまで低下した中古のRE604をライフテストしたらどうなるでしょう。
当然ながら新品同様の結果が出ることは無いでしょう。
しかしこれら2本のRE604がIpの測定データとともにオークションに出品されれば残存寿命の短い中古(Ip40mA)の方が高値で落札されるでしょう。
残存寿命(フィラメントやヒーターの元気度)を推定する場合、GmやIpを測定するよりもライフテストの方が好適なのですが、残念な事にライフテストを行う人は殆どいません。
私が真空管の評価にあたってライフテストに拘る理由をご理解頂ければ幸いです。 |
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今回はTV−7型の校正についてです。
通常TV−7型の校正は軍のメンテナンスマニュアルに従って行います。
ところが、ダン・ネルソンというTV−7型のスペシャリストが独自の校正方法でGmの測定精度を上げることに成功しました。
Gm測定型チューブテスタの中では測定精度が劣ることで知られるTV−7型のオーナーたちが、挙ってダン・ネルソン氏に校正を依頼したことはいうまでもありません。
Ebayでは現在もダン・ネルソン氏の校正したTV−7型は高価で取引されています。
TV−7型にとって福音のように思える話だが、冷静になって考えると問題点があることに気付きます。
HICKOK社の技術者がTV−7型の測定精度が悪いことを承知していたことは当然であり、測定誤差を前提に測定時のパラーメーターを設定していたことは想像に難くありません。
つまり、ダン・ネルソン方式で校正したTV−7型と軍のマニュアルに従って校正したTV−7型とは測定結果が異なる訳ですから、ダン・ネルソン方式で校正した場合、HICKOK社が設定したテストデータ(廃棄値等)を適用できない可能性が出てくるのです。
なんとも皮肉な話です。
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