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いよいよアカデミー賞の授賞式である。
今年もWOWOWで夜に再放送された放送を観た。
今年の授賞式は司会に内定していたケヴィン・ハートが過去の人種差別的発言が問題となって辞退。
司会者なしというのは1989年以来だそうである。 オープニングは大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」からクイーンによる演奏。
アダム・ランバートを新しいボーカルに加えて、「We will Rock You」「We are the Champions」を披露した。 司会がいないこともあり、50名以上のプレゼンターが次々とステージに上る演出となった。
最初のプレゼンターは、エイミー・ポーラー、ティナ・フェイ、マーヤ・ルドルフの3人。 助演女優賞の受賞者としてレジーナ・キング(「ビール・ストリートの恋人たち」)の名を読み上げる。 こうした各賞の授賞の合間に、作品賞のノミネート作品の紹介が織り込まれる。 例えば、「ウェインズ・ワールド」の1シーンが映し出されてから、マイク・マイヤーズとダナ・カーヴィが登場し、「ボヘミアン・ラプソディ」を紹介するというのは、何とも懐かしかった。 バーブラ・ストライサンドは「ブラック・クランズマン」の紹介をしたが、なぜ彼女の主演作「スタア誕生」のリメイクである「アリー/スター誕生」を紹介しなかったのだろうか?
また、主題歌にノミネートされた曲の披露もあった。
残念ながらグラミー賞に続いてケンドリック・ラマーが欠席で「ブラックパンサー」の主題歌「All the Stars」の披露はなかった。 だが、グラミー賞を欠席していたブラッドリー・クーパーもさすがにオスカーには出席し、レディー・ガガと共に「アリー/スター誕生」の主題歌「Shallow」をデュエットしていた。 個人的には「メリー・ポピンズ リターンズ」の主題歌を「The Place where Lost Things Go」を73歳のベット・ミドラーが歌ったのが嬉しかった。
一方の賞レースの方は、「ブラックパンサー」が脚本賞、美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞。
「ボヘミアン・ラプソディ」が編集賞、音響編集賞、録音賞。
「アリー/スター誕生」が歌曲賞。
「バイス」がメーキャップ&ヘアスタイリング賞。
「グリーンブック」が脚本賞といった具合に、作品賞にノミネートされた有力作品が次々と受賞していく。
「ROMA/ローマ」は撮影賞と外国語映画賞を受賞した。
外国語映画賞にノミネートされていた「万引き家族」は残念ながら受賞を逃した。 同様に、長編アニメーション作品賞も、「未来のミライ」ではなく、「スパイダーマン:スパイダーバース」の受賞であった。
助演男優賞は下馬評通り「グリーンブック」のマハーシャラ・アリ。 脚色賞は「ブラック・クランズマン」となり、スパイク・リーが5度目のノミネートで初受賞となった。 リーはスピーチで政治的な内容を話した後に、「Do the right thing.」と締め括った。 これはもちろん、リーの出世作「ドゥ・ザ・ライト・シング」を意識している。 1989年のアカデミー賞で、「ドゥ・ザ・ライト・シング」が高く評価されたにも関わらず作品賞にノミネートされなかったことは物議を醸した。 主演男優賞は「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック。
エジプト系アメリカ人としての初受賞。 主演女優賞は「女王陛下のお気に入り」のオリビア・コールマン。 最多10部門ノミネートにも関わらずここまで受賞の無かった「女王陛下のお気に入り」がようやく一矢報いることとなった。 監督賞のプレゼンターは「シェイプ・オブ・ウォーター」で昨年監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ。 同じメキシコ人の「ROMA/ローマ」のルフォンソ・キュアロンの名を読み上げる。 キュアロンは撮影賞に続いての受賞である。 そして、いよいよ作品賞。 プレゼンターはジュリア・ロバーツ。 ここまで最多4部門受賞の「ボヘミアン・ラプソディ」か、それとも3部門受賞の「ローマ」、「ブラックパンサー」か。 僕の予想は「ブラック・クランズマン」だが…。 果たして読み上げられたのは「グリーンブック」であった。
今回僕は8部門で受賞作を予想していた。
そのうち監督賞、助演男優賞、助演女優賞、外国語映画賞、長編アニメーション作品賞の5部門が的中した。 しかしながら肝心の作品賞、主演男優賞、主演女優賞の予想を外してしまった。 それはともかく、今年のオスカーはグラミー賞同様に非白人が躍進する結果となった。
作品賞を受賞した「グリーンブック」が黒人ピアニストと白人運転手の友情を描く作品だったが、ライバルとされた「ブラック・クランズマン」も同様に黒人問題をテーマとしていたし、「ROMA/ローマ」はメキシコ映画であった。 監督賞のルフォンソ・キュアロンはメキシコ人、主演男優賞のラミ・マレックはエジプト系アメリカ人、助演男優賞のマハーシャラ・アリと助演女優賞のレジーナ・キングは黒人である。
2016年の第88回アカデミー賞において俳優部門の候補者20名全員が白人であったことを批判されたことは記憶に新しい。 その反動だろうか、それ以降は非白人の受賞者が少しずつ増えてたのだが、今年はそれを上回る躍進ぶり。 グラミー賞同様、アカデミー賞の会員というのも世論に流されやすいのかもしれない。 今回の「グリーンブック」の作品賞受賞は少なからず批判を集めているという。
アカデミー賞の各賞は会員の投票の結果最も多くの票を集めた作品・人物が受賞するシステムであるが、作品賞のみ2009年以降選出方法が変更となっている。 投票する会員はノミネート作品に、1位、2位、3位…と順位を付ける仕組みになっている。 1位の順位が付けられた作品が過半数であった場合は、その作品が受賞となるが、そうでない場合は次の手順に進む。 最下位の作品を除外し、その作品を1位とした票はその票の投票者が2位とした作品に加えられる。 最終的に過半数となる作品が出るまでこれを繰り返すのである。 そうすると賛否両論の分かれる作品は受賞しにくくなり、無難に万人に受け入れられる作品が受賞しやすくなる。
「ブラック・クランズマン」で作品賞を逃したスパイク・リーもこの結果には不満であったそうだ。
もっとも、リーの場合は1989年に「ドゥ・ザ・ライト・シング」でオスカーを逃した際の作品賞受賞作が「ドライビングMissデイジー」であったことのほうが大きいのではないか。 何しろ、「ドライビングMissデイジー」は白人の老婦人と黒人運転手の友情を描いた作品で、ちょうど今回の受賞作「グリーンブック」を逆にしたような内容であるのだから…。 歴史は繰り返すというのか。 「ドライビングMIssデイジー」も「グリーンブック」同様、監督賞にノミネートされずに作品賞を受賞した珍しい作品(オスカー史上5作品のみ)であった。 「グリーンブック」の日本公開は3月というので、まずは作品を観てから改めて考えてみたい。
第91回アカデミー賞受賞一覧
〈作品賞〉
「グリーンブック」 〈監督賞〉
アルフォンソ・キュアロン「ROMA/ローマ」 〈主演男優賞〉
ラミ・マレック「ボヘミアン・ラプソディ」 〈主演女優賞〉
オリヴィア・コールマン「女王陛下のお気に入り」 〈助演男優賞〉
マハーシャラ・アリ「グリーンブック」 〈助演女優賞〉
レジーナ・キング「ビール・ストリートの恋人たち」 〈脚本賞〉
「グリーンブック」 〈脚色賞〉
「ブラック・クランズマン」 〈長編アニメーション作品賞〉
「スパイダーマン:スパイダーバース」 〈外国語映画賞〉
「ROMA/ローマ」 〈長編ドキュメンタリー映画賞〉
「Free Solo」 〈短編ドキュメンタリー映画賞〉
「ピリオド/羽ばたく女性たち」(Period. End of Sentence.) 〈短編映画賞〉
「Skin」 〈短編アニメーション映画賞〉
「Bao」 〈作曲賞〉
「ブラックパンサー」 〈歌曲賞〉
「Shallow」(「アリー/スター誕生」) 〈音響編集賞〉
「ボヘミアン・ラプソディ」 〈録音賞〉
「ボヘミアン・ラプソディ」 〈美術賞〉
「ブラックパンサー」 〈撮影賞〉
「ROMA/ローマ」 〈メイクアップ&ヘアスタイリング賞〉
「バイス」 〈衣装デザイン賞〉
「ブラックパンサー」 〈編集賞〉
「ボヘミアン・ラプソディ」 〈視覚効果賞〉
「ファースト・マン」 |

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