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回想録 〜復帰への道

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【回想録 〜デイケア卒業時の思い】


昨年、8月31日。
デイケアを卒業しました。
そのときにシタタメタ文章をPCで発見した。
ひさしぶりに読んでみた。
1年前と思いは変わらないと思った。
「宝物」は「宝物」であり続けている。
自分に一本、筋がとおったような気がした。
この思いを忘れずに、これからもマイペで気楽に楽しく生きていくよ。

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卒業するにあたって    2007年8月31日(金)

  デイケア生活は3ヶ月間でした。自分の人生全体から考えるとわずかな期間ですが、中身のとても濃い時間を過ごすことができました。大変お世話になり、ありがとうございました。
  この3ヶ月で、ぼくは確実に変身しました。毎日、毎日、成長しているという実感を持ちながら過ごすことができました。小学生の頃は、こういう感覚を持って毎日楽しく生活していたなと思い、久しぶりにそういう自分に出会えたような気がしました。

  休職する前は、毎日、自分がイヤでイヤでたまらなくて、自分が大嫌いで、毎日苦しくて、しんどい思いをしていて、いっそのことこのままフッと消えてしまえたらどんなに楽になるだろうと考えていました。ポジティブな考え方になるための本を読んだり、コーチングの勉強をしてみたりと、自分なりに工夫はしていたのですが、なかなか楽な気分になることはできませんでした。

  院長には「不安障害が素地となりうつを発症した」と診断されていたので、一人で図書館に通っている頃は、「不安」や「自信を持つ」という言葉をキーワードにして、何冊か本を読みました。すると自分が陥りがちなネガティブ思考や嫌なことを避けてしまうという回避行動についてズバズバと書いてある本に出会いました。

  「この本なら自分を何とかしてくれるかもしれない」と思い、自分を改善するための方法を読み、ノートに書き写し、それをまた何度も読み、そして対処法を実践していく準備をしました。自分にとっては、「認知療法」と「エクスポージャー法(行動療法)」との出会いは、とても大きなものでした。エクスポージャー法(行動療法)というのは、不安に感じることを計画的に段階を踏みながら実行していき、行動によって恐怖心をやわらげていきましょうという方法です。



  5月30日にデイケアが始まり、自分なりの目標を2つ作りました。「周りの人とできるだけコミュニケーションをとり、自分にとって居心地のいい空間にすること」「復帰してからも、仕事や人間関係でへこたれない思考と行動パターンを身につけること」でした。



  コミュニケーションに関しては、はじめはなかなか人と話しをすることができませんでしたが、今日できた話しを1つでも2つでもいいからノートに書いておくようにしました。それを眺めていると、「よし、次はもう少しがんばって話しかけてみよう」という気持ちが湧いてきました。少し話しかけられるようになると、話しの最中に雑念がわくようになりました。

  「話しのキャッチボールがうまく続かなかったらどうしよう」「周りの人に自分はバカだと思われしまうのではないか」といったものでした。その雑念のせいで、声は小さくなり、語尾もゴニョゴニョと聞き取りにくいものになっていくのが分かりました。そこで毎朝、ノートに「今日のデイケアでの目標」として「話しの内容に集中する」「はっきりとした口調で話しをする」ということを書き続けました。そのうち、話しをしている最中に雑念がわいてくると、「集中、集中」「はっきりと話そう」と自分で自分を励ますことができるようになりました。雑念を気にせずに話せるようになりました。コミュニケーションでの不安が薄れていくと、デイケアが少しずつ自分にとって居心地のいい空間に感じるようになっていきました。

  復帰後、仕事や人間関係でへこたれない思考と行動パターンを身につけるために、「認知療法」と「エクスポージャー法」に取り組みました。

  認知療法については、何冊か本を読み、そこに書いてあるサンプルを参考にしながら練習を重ねていきました。初めは時間がかかるし、考えるのが大変だし、とっつきにくい感じがしました。なかなか作業が進みませんでした。作業を始めるのもとてもおっくうに感じていました。ですが、自分のネガティブ思考を改めるためにはこれは絶対に必要なことなのだと思い、粘り強く、自分の言葉でしっくりとくる「適応的反応」を考え続けました。

  1つ1つを大切に考え、時間をかけて練習を積み重ねていったら、いつの間にか「適応的反応」を考えることが苦にならなくなっていました。逆に、「このネガティブ思考に関しては、どんな適応的反応が出てくるかな」と楽しみに感じるようにもなりました。今では、ネガティブ思考がわいたとき、頭の中に思考記録表の表のイメージが出てきて、「自動思考」の欄に「ネガティブ思考」を書くイメージをし、「さぁ、どういう風に考えていこうか」と考えることができるようになりました。

  ネガティブな思考をそのまままともに受けることなく、ひと呼吸おくことができるので、それだけでもすごく楽になりました。最近は簡略化した思考記録表をエクセルで作り、そこに書き溜めています。時間のあるときにそれを眺め、適応的反応に対する確信度が何%になっているか、ということをチェックするようにしています。よりしっくりくる言葉が見つかったときには、適応的反応を書き直すこともしています。

  エクスポージャー法(行動療法)についてですが、本には事前に計画を立ててからやる方法が書いてありました。が、計画を立てるのをめんどくさく感じてしまい、なかなか取り組むことができませんでした。「これをしてみたいけど、相手にどう思われるかが不安だ」「やってみたいけど、失敗したら恥ずかしいな」という思いがわいてくることはよくありました。

  事前に計画を立てるのは大変だけど、そういう思いがわいてきたときにそれをキャッチして、勇気を出してそれをやってみることを心がけようと考えました。そして、実行することができたらその内容、結果、感想をノートに書いておき、後でどれだけ自分ががんばっているかということが分かるようにしておきました。

  不安が強く躊躇しそうになったときは、自分で自分を励ましました。だいたいが本を読んで共感を得た言葉なのですが、「何かに挑戦しようとするときは、少し不安を感じるくらいがちょうどいい」「自分の本心からの言葉は相手には伝わる」「実験、実験。何事もやってみなければ相手がどう思うかなんて分からない」「自分は完璧主義的すぎる。たまに失敗してみるくらいでいいんだ。他の人にとっては大したことでないことの方が多いのだから」といった言葉を心の中でつぶやいていました。エクスポージャー法は不安が当初の半分になるくらいまでくり返し練習をする必要があり、また、不安はやればやるほどやわらいでいくということなので、これからも引き続き練習を続けていこうと思います。


  当初設定したデイケアでの2つの目標は、見事達成することができたと思います。自分に対して「よくやった」と心から誉めてあげたいと思います。


  もう一つ自分が続けていることがあります。それは日記を書くことです。自分では「箇条書き日記」と呼んでいるのですが、自分の頭に浮かんだ思考をなるべく書き留めておくということをしています。いいこと、悪いこと、前向きな考え、ネガティブな考え、認知療法に関するアイデア、仕事に対する思い、家族に対する思い、心に染みたいい言葉、朝 口づさんだ歌の曲名、気に入った歌詞、好きなテレビ番組、人のいいところ、自分のいいところ、今日の体重など、書いておいた方がいいなと感じたことは記録をするようにしています。

  人は一日に5万個の考えが浮かんでいるのだそうです。何もしないとそのまま忘れ去られてしまうことが多いと思います。でも、記録をしておくことで、自分の振り返りをすることができるようになります。自分に向き合い、より自分を知ることができるようになります。文字にした自分の考え・行動を読むことで、新たな気づきややる気が湧いてくることがあります。無駄な日などなく、一日一日少しずつ歩を進めているなということを実感することができます。このノート、この習慣はぼくの宝物となりました。これからも、この宝物を大切にしていきたいと思います。



  デイケアのこの空間はとてもあたたかく、とても楽しいところでした。たくさん、たくさんいいところがあるのですが、その中でも自分にとっては2つ、一番好きな時間があります。

  1つ目は、新しい人が入ってこられたときの自己紹介タイムです。自分が初日の日に自己紹介をした後、他のメンバーの方が、自分一人のためにわざわざ時間を取って一人ずつ自己紹介をしてくれました。励ましの言葉やアドバイスももらいました。「なんてあったかいところなんだ」ととても感動したことを覚えています。自分が新しい方を迎える立場になってからも、この時間帯はとても好きでした。この部屋がみんなの優しさであふれかえっている感じがしました。

  2つ目は、卒業生を送るときの五本締めです。手拍子をしながら、「復帰してからもマイペースでがんばっていってね」「おう、がんばるよ。みんなもあせらずにゆっくりと復職に向かっていってね」という思いがこの部屋中を飛び交っているような感じを受けました。毎回、涙が出そうになりました。たくさん感動をもらって、とても得をした気分になりました。



  さて、自分がここまでがんばってこられたのは、スタッフのみなさんがつかず離れずのいい距離感であたたかく見守っていてくれたからだと思います。ご苦労も多いと思いますが、本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。

  それから同じ苦しみを抱えたここにいるメンバーの方たちが、自分のペースで真摯に自分・己と向き合ってがんばっている姿に励まされたからだと、強く、強く感じています。本当にありがとうございました。

  毎日ここに来るのが楽しみでした。その楽しみを味わえなくなってしまうのはとても残念ですが、次のステージでも、ボチボチと新たな楽しみを見つけられるようにがんばっていきたいと思います。不安はあります。でも今は、その不安を拒絶するのではなく、うまく付き合っていこうと心から思うことができます。

  スタッフのみなさんもメンバーのみなさんも、自分のペースで自分の信じる道をゆっくりと歩いていってください。応援しています。さようなら。

回想録 〜復帰への道

【回想録 〜復帰への道  ぼくの場合。】


2005年3月、うつを発症し、2007年3月〜8月まで休職。

2007年3月、メディカルケア虎ノ門に転院。5月末、同病院が提供している復職支援プログラム
(リワークカレッジ、通称 デイケア)に参加し、回復。

2007年9月、職場に復帰。


最近、とても調子がいいです。
休職してから復職に至るまでの過程をまとめていきます。
(随時、Update予定。今後、他の記事とリンクを貼っていこうと考えています)


<2007年3月>

・転院 : 2年間、いろいろと試行錯誤してきたが改善が見られない。たまたまネットで
 「デイケア」のことを知り、「これを試してみたい」と思ったのがきっかけ。

・本『うつからの脱出 / 下園壮太』 : うつのメカニズムを一番しっくりくる形で知る
 ことができた。医者とのつきあい方(カウンセリング的要素は期待しない)も学んだ。
 「プチ認知療法」を知り、少しずつ取り組むことができた。


<2007年4月>

・休職決定 : 有休を使いながら1ヶ月間悩み続けたが、会社の信頼できる上司、医者、
 カウンセラーから勧められ、自分でもこれまでと違った方法を試してみたいと思い、
 休職を決断した。悩んでいる1ヶ月はとても辛かった。

・「数息観(数え呼吸法)」(プチ認知療法)を始める。

・「いいこと探し30」(プチ認知療法)を始める。

・日記をつけ始める。今でも自分のペースメーカー。きっかけは「成功日記」(プチ認知
 療法)。

・「自分の調子チェックリスト」をつけ始める。本『うつからの完全脱出 / 下園壮太』を
 参考に。今でも続けている。

・図書館通いを開始。


<2007年5月>

・本『仕事がデキル人の8つの性格 / 菊入みゆき』 : 自分の否定的な考え方の理由、
 対処法を知った。理由が分かったら、少し「楽」になった。

・「To Do リスト」を作ってから行動する練習。(『仕事がデキル・・・』を参考に)

・本『内気と不安を軽くする練習帳 / ロナルド・M・ラペイ』 : 認知療法に積極的に
 取り組むきっかけとなった。

・「1週間振り返りシート」をつけ始める。カウンセラーから勧められて。

・本『他人がこわい / クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン』 : 「不安
 障害」に関する話が体系的に書かれている。不安に感じてしまう理由が分かり、それを
 解消するための練習法を学び、取り組むきっかけとなった。

・デイケア開始(5月30日より) 週2日から始まり、段階的に週3・4・5日と頻度が
 あがっていく。8月31日卒業。

・「デイケア日記」をつける。その日の目標、プログラム内容、自分のプログラムへの
 取組状況、人との交流状況、人と話したこと、感じたことを毎日書いた。自分の
 成長を感じられる「日記」となった。


<2007年6月>

・「人のいいところ記録」を始める。

・「自分のいいところ記録」を始める。

・本『ダメな自分を救う本 / 石井裕之』 : 「行動」による暗示は「言葉」による暗示
 よりパワフル、ということを理解し、実践していくきっかけとなった。

・本『Here and Nowの心理学 / 海原純子』 : 今やっていることをていねいに扱い、
 1つ1つ堪能していこう。「ながら」はもったいない。効率だけが全てではない。
 1つ1つのことを感じ、味わい、その時間を大切にする、ということを学んだ。
 これを意識して行動することで、あせる気持ちが小さくなっていきました。

・公園の階段から落ちて、両足首をねんざ。3日間、歩けず。復活後、ゆっくり
 歩く「楽しみ」に気づいた。


<2007年7月>

・本『試練が人を磨く / 桑田真澄』 : すべての出来事は、自分を磨くための「砥石」
 だと考え、人生に無駄なことなど1つもない、ということを学んだ。ぼくの口ぐせ
 になりました。

・本『フィーリングGoodハンドブック / デビッド・D. バーンズ』 : 「やる気」と
 「行動」は「やる気」が先なのではない。「行動」「小さな行動」が先なのだ、という
 話は「目からウロコ」だった。「とにかくまず、何かをやってみる」という自分の
 行動パターン形成のきっかけになった。

・「思考記録表(簡略版)」をつけ始める。認知療法で使用するワークシートを自分の
 書きやすい形に変え、記録し、何度も読み返した。この記録表に自分は何度も
 助けられた。

・ヨガの「呼吸法」が自分にとっても合っていて、頭を「無」にして心地よくなれる
 方法を身につけた。

・週の始めに「今週の目標」を決めた。それを毎朝ノートに書き続け、意識して1日を
 過ごした。週の終わりに5段階評価をした。


<2007年8月>

・「エクスポージャー法」をやり始める。不安に感じることを計画的に段階を踏みながら
 実行していき、 行動によって恐怖心をやわらげていきましょうという方法。不安に感じる
 ことに少しずつチャレンジしていき、少しずつ自信をつけていった。

・本『本気の言葉 / 松岡修造』 : 自分の心の奥底からの言葉は、相手に必ず伝わる。
 自分なりに一生懸命準備をして本番を迎え、それで失敗したとしても、それは誰にも
 責めることはできない。など、多くの言葉に励まされた。勇気をもらった。

・本『心のブレーキの外し方 / 石井裕之』 : 潜在意識との正しいつきあい方を学んだ。
 何事も最初はゆっくり、ていねいに少しずつ取り組んでいく必要があることを知った。

・毎朝、うでたて10回、腹筋10回をやることにした。12月30日現在、1日だけ
 やり忘れてしまったが、その日以降95日間欠かさず続けている。今は、25回ずつ
 できるようにもなった。継続は力なり。

・自分の考えを素直に人に話す練習をした。

・会社に復帰するまでの日をカウントダウンしていき、心の準備をした。

・「不安」「緊張感」はあって当たり前のもの。これまでは、それを100%排除
 しようとし、それができず落胆していた。でも、これからはその存在を認め、うまく
 つきあっていこうと決めた。


そして、9月3日に復帰しました!


おしまい。

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