十三のネオン街は、男を磨く“道場”だ

ネオン街遊びの4原則は、威張るな、大ボラ吹くな、ホステスに触るな、度を越したスケベ話をするな。これが出来れば貴方も十三で人気者。

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名刺代わりに

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※十三(じゅうそう)のネオン街のメインストリート・栄町商店街のアーチ







十三の大先生――。

友人や大学の後輩たちは、オレをこう呼ぶ。

大阪・十三のネオン街がどうしようもなく好きで、

いつしか、自分の人生と切っても切れない間柄になってしまった。



大先生といっても、口先だけの手合いといっしょにされては困る。

身ゼニを切り、カラダを張っての体当たり。

そりゃあ恥じもかき、自分のアホさ加減に嫌気がさしたこともある。



それでも通いつめた十三のキャバレー。

ネオン街の酒とホステスは、オレに多くのことを教えてくれた。

社会へ出てから男を磨く格好の“道場”だったと思っている。



そんなわけで、

仕事のお得意さんや大学の同窓生、後輩たちは、

“オレ”といえば即“キャバレー”を連想するらしい。



「遊び方を教えておくんなはれ」

「どうしたらモテまっしゃろ」



こんな質問をよくされるのだ。



夜の街で上手に遊べるようになるのは、男の夢である。

そのためには、身ゼニを切って経験を積むのが一番いい。

しかし、湯水のようにカネと時間があるわけじゃない。

遊ぶためには、仕事に精を出さなければならない。



だから、私のつたない経験から、

次の基本テクニックをお教えすることにしている。



まず最初は、

酔ってくるまで早く飲め。

シラフでかしこまって女と話をするなら、喫茶店で十分。

高いカネを払って遊ぶのだから、大いにストレスの発散をしなけりゃ損というもの。



ウチや会社ではちょっと言えんアホな話をどんどんやる。

そのためには、早く酔っていい気持ちにならないといけない。

すまして飲んでサマになるのは、北新地の高級クラブだけでいい。

十三のような庶民的な街では、早く酔っ払った方が勝ちなのだ。



大学の後輩を連れて飲みに行ったときには、

席につくなり何回も乾杯をさせて、早く酔わせる努力をする。

中にはいい気分になって踊り狂ったり、席から転げ落ちるのもいる。



まわりの客は、なんてアホなヤツらやという顔でこっちを見るが、

気にすることはない。

店で一番楽しんでいるのは、オレたちなのだから。



経験豊富なホステスなら、こういう客を“かわいい”と思うものらしい。

コツは、酒にまかせて素直に酔っ払うことである。

少々ぶざまでもいいではないか。

かえって、そのぶざまさがウケることもある。



ホステスに、自分の印象を強くするというメリットもある。

後輩のSなど、そのテで成功した。

ネが純情で、武骨な男ということもあるが、

指名したホステスに大いに気に入られた。



「あのコかわいいわ。また連れて来てあげて」



とオレに耳打ちするではないか。

世話好きで姉ゴ肌の女。

オレがいくら誘っても、



「そのうちに」



と肩透かしされていた恵子というホステス。

1週間後、再びSを連れて行った。



「わあ、うれしいわ」



恵子はSを離さない。

いつも通りに早々に酔っ払い、へたなカラオケを歌って盛り上がった。

この店はそこそこに切り上げ、2軒目のキャバクラへ行き、そろそろ帰るころになった。

するとSは、



「先輩、先に帰ってください。ボクちょっと・・・」



とモジモジしている。

何のことはない。

きっちり話は出来上がっていたのである。



「しゃあないな。まあ、頑張れよ」



と背中をたたいてSを送った。

こんなとき、同じ男としてムカムカするが、

かわいい後輩の健闘を祈るしかなかった。



翌日、Sから電話がかかってきた。



「おかげさまで、いい思いをさせてもらいました。よかったです、ハイ」



2人は深夜喫茶で待ち合わせ、ホテルへ直行したという。

道ひとつ渡ればホテル街ってのが十三のいいところ。

若くて元気なSは、早打ち連射で勝負する。



「ハイ、3ついきました。最高は6つですが体調が・・・」



内容より数を言う。

恵子もどちらかといえば、ムードより迫力でセックスするタイプだろう。

元気なSのカラダをたんのうしたに違いない。



当時、恵子は離婚して独り身。

決まった男はいなかったはずで、Sはちょうど手ごろなツナギ役だったのかも知れない。

今から思えば、Sが好かれたのは、

素直に酒の酔いに身をまかせたかわいさが、決め手になったのである。



それから1年。

恵子から案内状が届いた。

故郷の高松でスナックを開いたという。



「十三のころは、いろいろあって楽しかった・・・」



と書き添えてあった。







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キャバレー“サンローラン”の“おねえちゃん”を応援するために立ち上げたこのブログ、

「十三のネオン街は男を磨く“道場”だ」は、20014年10月20日を持って投稿を終了しました。

9年半の長きに渡ってお付き合をいいただき、ありがとうございました。

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