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※十三・“サンローラン”
きのうはオレ、まっすぐ家に帰るつもりだった。
けれども、
十三から阪急に乗ってすぐ、ケータイが鳴った。
“サンローラン”のおねえちゃんからだった。
「アンタ、いま、どこ?」
「家に帰ってるところ」
「いま、M社長が来てくれた」
「ホンマ!」
「アンタを呼んでくれって」
「ホンマ?」
「来れる?」
「いまオレ、三国を通過したところ。折り返してすぐ行く」
9時前に、
“サンローラン”に到着したら、
M社長が30番テーブルに座っていた。
前にも書いたけれど、
M社長は、日本人なら100人中99人が知っている有名会社の
系列会社の社長。
創業者の直系だ。
「大先生、前に言ってた“おねえちゃんをねぎらう会”は、いつにする?」
「社長に合わせますよ」
「いつがいいかな」
「場所は、“平八”でいいでしょ?」
すると、
おねえちゃんが、
「“平八”?」
「おお」
「もっといいところでやってよ」
「おねえちゃんは、“平八”がええのと違うの?」
「まあ〜オレはどこでもええけれど。それで社長、先ず、日にちですね」
「私は、11月中は海外出張が続くんです」
「そしたら10月中か、12月に入ってからですね」
「他のメンバーとも相談してくださいね」
「そしたら日にちは、社長の都合を優先させて、みんなで決めるとして」
「はい」
「次は、場所ですね」
「はい」
「“サンローラン”から100Mのところに、いい中華料理屋があるんですけど」
「はい」
「オレも、何度か利用したことがあるんですけど、そこは、どうですか?」
「中華料理もいいですね」
「大小個室がたくさんあって、仲間うちの宴会にはピッタシです」
「あっ、そうだ」
「なんですか?」
「中華料理だったら、十三駅の東側に、いい中華料理店があるそうですよ」
「東側にですか?」
「A氏がよく行くそうです」
「えっ、A氏が」
「はい」
「A氏なら、きのう、“サンローラン”に来てましたよ」
「A氏、きのう、“サンローラン”に来てたの?」
「きのう午後に、電話で呼び出しがあって、一緒に来ました」
「そうだったの」
「A氏の行きつけの中華料理店でもいいですね」
「そうですね」
「そしたら、オレ、A氏に頼んでおきます」
「アカン〜〜〜!!!」
「なんや、おねえちゃん」
「場所は、“平八”にして」
「おねえちゃん、さっき、“平八”は嫌って言ったやないか」
「場所は、“平八”にして」
「やっぱりや」
「なにが?」
「結局は、“平八”と言うと思ってた」
「なんで?」
「おねえちゃんは、“平八”のママが大好きやから」
「社長、すいませんね」
「あははははは」
「ホンマに〜、これなんですよ、おねえちゃんは・・・」
「あははははは」
「そしたら、場所は“平八”と言うことで」
「そしたら、場所は“平八”で決まりだ」
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