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若さゆえに自分に正直で気真面目すぎたクリス。
あえて過酷なアラスカの地を目指し、大自然の中一人で立ち向かっていった青年の姿を綴った
ジョン・クラカワーの「荒野へ」を俳優ショーン・ベンが監督し映画化した作品です。


両親への不信感から物質的な幸福を拒否し、お金も物も持たずにアラスカを目指すクリス。
両親への反抗心から始めた旅だったが、生きていることを確認する為の旅でもあった。
農場の雇い主、放浪生活を送る中年夫婦、ヒッピーの集うコミューンで出会った少女。
一人暮しの革細工職人のおじいさん。彼らはみなクリスにとても優しい。
革細工の老人には「人を許すことができれば愛せるようになる」と諭されるし、同じように一人息子
の行方がわからないヒッピーの女性は親に連絡を取って欲しいと願う。
そして少女の恋心もクリスを現実社会に引き止める力を持たない。

クリスの物質的なもの以外の幸福を追い求める気持ち、わかります。ここまでストイックに自分を
追い込むことこそないものの、多くの若者が二十歳前には同じように感じていたことがあるのでは。
それを本当に実行してしまったクリスは凄いですが、もはや私も彼の両親の気持ちのほうが理解できる
ようになってしまい、ずっと辛かったです。
どちらかというと男の子のほうがロマンチストなので(女性はどうしても現実的です)息子を持つ親
としては心配なような複雑な気持ちです。

様々な人達の温かい心に触れながらも彼が頑なに信念を曲げなかったのはなぜなのか…若さゆえ、
ということなのでしょうが、哀しいです。
彼が何度も見上げる空には、いつも文明の象徴である飛行機が一機青空の中を飛んでいきます。
でも最後にバスの中から見上げた空には、飛行機は一機も入飛ばずどこまでも抜けるような青空が
続いているばかりです。
クリスの求めた大自然は人がたった一人で生きていくにはあまりにも過酷な環境でした。

唯一の救いは、彼が一人ぼっちで死んでいくときに想像した光景が家族のもとへ帰る場面であった
こと、そして「幸福が現実になるのはそれを分かち合える時だ。」と気付いたことです。
もう遅いのですが…。
是非原作を読んでみようと思いました。





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