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灰とダイヤモンド

名前はよく聞いていたしBS2で放映していたので。

アンジェイ・ワイダ監督の1959年の作品でモノクロです。
今とは演出もだいぶ違うのか、私は主人公のマチェクの動き方に違和感を感じましたが、
なんともやりきれなさの漂う辛い映画です。

第二次世界大戦の終戦を迎えた日のポーランド。反ソ派テロリストのマチェクとアンジェイはモスクワ帰りの社会主義者シチュカを
暗殺するべく待ち伏せしていたが、間違えて別人を殺してしまう。
その後もシチュカをつけ狙い、暗殺しようと機会をうかがっているが、そんな中マチェクはホテルのウエートレス、クリーシャを
本気で好きになってしまう。マチェクはテロから抜けてクリーシャと新しい生活を始めたいと思うのだが…。


82歳になるワイダ監督が、自分の作品について語っていたのですが、検閲が厳しく、社会主義とソ連批判は
絶対に不可能だったとのこと。
しかし、脚本は検閲があるものの撮影には立ち会うわけではなかったので、撮影現場で色々意見を出し合い
変えていったそうです。

象徴的なのは、シチュカがマチェクに撃たれた後、よろめきながらマチェクに抱きつくシーンです。
この対立する二人が抱き合ってしまう場面も脚本にはただ「撃たれる」としかなく、現場で出来上がった
シーンだったようです。
ワイダ監督は善と悪の戦いではなく、善と善の戦いこそが悲劇だ、と言っていましたが、今起きている戦争も
テロもまさにその通りだと思いました。


この映画のタイトルは、マチェクとクリーシャがお墓で見つけた墓標に刻まれたツィプリアン・ノルヴィトの詩
「灰のそこには星のごとく輝くダイヤモンド。永遠の勝利の後に…」
からつけられたのでしょう。

一見お調子者に見えて実は繊細であり、高校までは出て大学へも行きたいと希望し、ノルヴィトの詩を暗唱
するように学もある若者が、虫けらのようにゴミ置き場で死んでしまう…あまりの虚しさに愕然としてしまいます。



ワイダ監督は「カティンの森」が公開になります。
これもポーランドの悲劇がえがかれているようです。かなり重い内容のようですが見てみたいと思っています。

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