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服装が変わってくることになると
薄字の挨拶状をいただくことになる
昔からの知り合いのおじいさん、おばあさんが多い
私よりも年上であったこともない人ばかり
そういうときでも名簿にチェックしてみる
もちろんそういう人から新年の挨拶はない
不思議なことに次の年からもこなくなる
入院していたことを知っていたお友達の
ご両親から丁寧な挨拶が来ることもある
お見舞いに行くつもりだったのにと悲しくなる
最後のお別れにも今の私にはいくことができない
せめてその方の思い出だけでも写真を整理する
いつか私の名前の入った挨拶状を出すことがある
ほんのささやかな私の思い出になってくれればいい
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古めかしい建物と手入れされた木々
ただただ歩いていただけで気づかなかった
季節がいくつも通り過ぎたはずなのに
初めて知った黄金色(こがねいろ)の化粧
別の季節は別の眺めだったのに
気持ちが変わると景色も変わる
歩いているだけで何も見えなかった
いくつの姿を知らずにすごしたのか
はじめて気づく建物さえ別の色
私の心と気持ちが変わってしまった
見かける人が穏やかな姿に見える
いつも使っていたアドレスと番号を消して
新しく使うアドレスと番号が増えて
それだけで私は変わってしまった
歩くだけでなく見えないものが見える
私の気持ちと心が変わってしまった
つまりすばらしい人をありがとう
気持ちの余裕を与えてくれてありがとう
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晴れた天気はいい日ですか
美しい人は正しいのですか
病はどうしていけないのですか
苦しいことはつらいことですか
悲しいことは悪いことですか 穏やかなことはいいものですか 違うことは間違っているのですか アイドルはみんな素敵ですか
頭がいいことはいいことですか
友達はたくさんいるべきですか 美しいものは美しいのですか 泣いている人は慰めますか
人の代わりになれますか 登り坂は下り坂ですか 私が違っていていいですか
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あなたがこの家に来てもうすぐ一ヶ月
まだ何もできないあなたはこの家の光
私とお父さんの子だから素晴らしい
私とお父さんの子だから愛している
あなたはすぐに大きくなってなんでもできる
だから私たちはあなたに教えることはない
子供の頃は人生の本当にひと時だけ
だから私たちはあなたを大人と見る
人生は通り過ぎたら実に短いもの
そのすべてはあなた一人が決める
私たちは話は聞いてあげるけど
転んで悩んで泣くのはあなた一人
私たちがあなたと一緒にいるのは短い
あなたが私たちのようになりたいのか
あなたが私たちを嫌ってしまうのか
そのときには私たちはこの世にいない
美しいこと正しいことあなたが身につけて
私たちはそれを見習うだけかもしれない
あなたは生まれながらにこんなに美しい
なぜならお母さんとお父さんの子供だから
だから私たちは何もあなたにすることはない
あなたは自分で必ず見つけていける
何も手助けをすることはないでしょう
なぜならお母さんとお父さんの子供だから
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誰も幸せになるはずがない
だから私はそのまま去っていく
誰も気がつかないように
通り過ぎてはじめてわかる
私は幸せだということに
通り過ぎてはじめてわかる
夢はとっくにかなえられたことに
晴れたときにも傘を忘れず
忘れないことで晴れに気づく
いつかは終わることと思わずに
気がつけば終わりになっている
それでも私は生きている
新しい夢を持つこともなく
歩き続けていることだけで
夢が行き過ぎていることがわかる
感受性を失っているわけでなく
人生が選ばれてしまっているだけ
だから小さなことには通り過ぎて
大切なことだけに揺さぶられる
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