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オプションARMは「嘘つき」ローン、支払い負担が爆発的に上昇
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=aL1kGD8HKelA&refer=jp_commentary
2月7日(ブルームバーグ):ミネアポリスの塗装職人ジョー・リップリンガー氏(66)は2006年に18万4000ドル(約2000万円)の住宅ローンを組んだ。以来、毎月返済をしているが、現在の借金は19万2000ドルに増えている。
同氏のローンはオプション付き変動金利型住宅ローン(オプションARM)だった。毎月の返済額565ドルは利子の1300ドルよりも少なく、差額は元本に追加されていく仕組みだ。そして元本が21万2000ドルに達するか、5年が経過すると、月々の最低支払い額が2800ドルに急増することになっている。リップリンガー氏にはとても、払うことはできない。「今だってぎりぎりなのに」と同氏は言う。
米国では100万人がオプションARMを利用し、残高は5000億ドルと推計される。これらの住宅保有者は、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がどんなに利下げをしても救われない。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの借り手ですら、金利切り替え時の支払い増は平均で8%以下だが、オプションARMの月々の返済額は2倍に跳ね上がる。
USエクスプレス・モーゲージ(ラスベガス)のブローカー、ブロック・デービス氏によれば、業者らはこれを「中性子融資」と呼ぶ。「中性子爆弾のようだからだ。3年後に行って見ると家はまだあるが、住人はいなくなっている」と同氏は説明した。
センター・フォー・リスポンシブル・レンディングの上級法務顧問キャスリーン・キースト氏はこのようなローンについて、「導火線の長い爆弾のようなもの」として、「今まで消費者に提供されたなかで最も複雑な商品だ。まさに『嘘つき』ローンだ」と話す。
頭金ゼロでも融資
業界ニュースレターのインサイド・モーゲージ・ファイナンスによると、オプションARMは06年に米国で実行された約3兆ドルの住宅ローンの8.9%を占める。UBSの1月22日付のリポートによれば、07年に住宅ローン担保証券に組み込まれたオプションARMの20%は、融資額が担保物件価格の90%を超え、借り手の収入証明も不要なローンだった。2%は頭金ゼロのローンだったという。
住宅金融大手のカントリーワイド・ファイナンシャルが保有する06年のオプションARM債権で90日以上の延滞となっているものの割合は07年10−12 月(第4四半期)に5.7%と、前年同期の0.6%から増えていた(当局への届け出)。
調査会社インターナショナル・ストラテジー・アンド・インベストメント・グループのマネジングディレクター、アンドルー・ラペリエール氏は、オプションARMの借り手の85%は負債額がローンを組んだ時点よりも増えていると見積もる。同氏は「オプションARMを30年物固定金利型ローンに借り換えても、金利5.5%で毎月の返済額は150%増える」として、「これは厳しい」と指摘した。
前述のリップリンガー氏のオプションARMの返済額は2011年に跳ね上がる(それまでに元本が上限の21万2000ドルを超えなければの話だが)。リップリンガー氏はオプションARMについて、「あれは最悪の方法だった」と悔やんでいる。
原題:Exploding ARMs Disrupt Bernanke's Drive to Calm Credit Mark(抜粋) {NXTW NSN JVUS2R0YHQ0Y <GO>}
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