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[東京 12日 ロイター] 日米欧などの金融監督当局で構成する金融安定化フォーラム(FSF)は11日、ワシントンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に、サブプライムローン(信用力の低い借り手向け住宅融資)で混乱する金融市場の再発防止策を盛り込んだ最終報告書を提出した。1)新自己資本比率規制(バーゼルII)の強化、2)証券化商品の公正な価格評価、3)格付け機関での証券化商品と社債の格付け区別、4)各国金融監督当局での主要銀行の共同監視、5)各国中央銀行での国境を超えた担保使用――などを提言している。
FSFの最終報告書は、世界的な金融市場の混乱の再発防止を狙い、中長期的に各国の金融監督当局や国際機関、金融機関が取り組むべき課題を列挙。G7の要請に基づいてFSFが2月の東京G7に提出した中間報告に続いてとりまとめた。
最終報告書は第1に、金融機関の自己資本の健全化策として、各国がバーゼルIIの実施を予定通りに進めるべきと強調。さらにバーゼル銀行監督委員会が2008年中に債務担保証券(CDO)など複雑な証券化商品やオフバランス取引のリスクウエートを引き上げる提案を公表するとした。このほか、各国の保険監督当局は、証券化商品のモノライン保険への規制と自己資本の枠組みを強化すべきと指摘。金融機関の流動性リスクの管理・監督のため、バーゼル委員会が7月までにガイドラインを公表する、としている。
第2に、金融市場の流動性不足によって証券化商品の価格評価が困難になる例がでたことから、国際会計基準審議会(IASB)は市場の取引が低迷した際の金融商品の価格評価について、2008年中に専門家の諮問機関を設立。さらにIASBは、投資ビークルなどオフバランス機関についての会計と開示を改善する。各国の金融機関が2008年の中間決算で、FSFの情報開示項目に従うよう要請した。
第3に、信用格付け機関に対しては、社債格付けと証券化商品の格付けの区別を求めたほか、証券化商品の格付けでデータが不足する場合は格付けすべきでないとした。また、投資家には格付けへの過度の依存を是正すべきと訴えた。さらに、各国の当局に対し、監督上の枠組みで信用格付けを利用している場合は、投資家の格付け依存を招いていないかを検証すべきとした。
このほか、各国の金融監督当局の連携強化のため、世界の大手主要銀行を共同監視する会合を2008年末までに設置。さらに各国の中央銀行は外貨の流動性に対応するため、1)各国間で常時発動可能なスワップ枠の設定、2)国境・通貨を越えた担保の使用――を検討すべきとした。
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