特集 アジア通貨危機の再来か?

[ リスト ]

第8回 中国の通貨政策

まず、昨日の中国の流れから、昨日の上海市場は先週のNYの下落を受けて大幅な下落で寄りつき、その後上げ下げを繰り返しながら終値にかけて戻す展開

人民元:ペッグ制廃止後の最高値−中国中銀がインフレ対策強化を模索
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003011&sid=a9LBREFVV5Q4&refer=jp_asia
6月23日(ブルームバーグ):中国の外国為替取引で、人民元の対ドル相場は 2005年のペッグ(連動)制廃止後の最高値を更新した。中国人民銀行はインフレ抑制に向けて、一段の引き締め策を模索している。
 人民元は今年に入って対ドルで6.3%上昇しており、昨年1年間の上昇率である7%に近付いている。中国政府が先週、予想外にガソリンやディーゼル油価格を最小17%引き上げたのを受けて、人民銀の周小川総裁は20日、インフレを抑制するため、「一段と強い措置」を打ち出す可能性を明らかにしていた。
 中国銀行の為替トレーダー、ツァオ・リエ氏(上海在勤)は「人民銀は選択肢があまりないことから、輸入インフレの抑制に向け人民元上昇に一段と依存するだろう」と述べ、「人民元はドルに対し年内は堅調なペースで上昇していく」との見方を示した。
 中国外国為替取引システム(CFETS)によると、人民元は上海時間午後5時半(日本時間同6時半)現在、前週末比0.09%高の1ドル=6.8740元。前週末は6.8801元だった。4−6月(第2四半期)に入ってからは2%高となっている。

中国の場合、ペッグ制を廃止しバスケット制に移行していますが、バスケットの内容はドルへの依存度が高く、事実上のドルペッグです。

ペッグ通貨、通貨切り上げに関する解説
ペッグ通貨の場合、自国通貨とドルをリンクさせている訳ですね。

例えば、仮に1ドル=1元 としていると想定しましょう。

通貨の両替レートが固定(固定に近い)為、投資する側には為替リスクが少ないことになります。
この時、両通貨に金利差がある場合、金利差を狙った投機資金が流入します。
さらに通貨切り上げ圧力が強い場合、ここに切り上げによる利益を狙った資金も流入します。

ここで、1ドル=1.1元とレート変更を行った場合、一夜にして巨額の利益が舞い込みます。

同時に、この時点で国内から膨大な資本が流出して、ドル転により外貨準備が失われます。

変動相場制の場合、ドル転圧力が強くなると通貨が安くなり、外貨準備は温存させるのですが、ペッグの場合、これが一挙に失われることになります。

昨年から、中国と米国の金利差は拡大する一方であり、通貨切り上げ圧力が強まっていますのでそれを狙った膨大な額の短期資金(ホットマネー)が流入しているといわれています。また、株高時に売却した株式の売却資金の多くも国内に滞留しているといわれており、これが一気に流出する可能性を含んでいる訳ですね。


中国銀行、交通銀行、香港金融市場への社債発行を計画
http://www.chinapress.jp/finance/12339/
 6月23日、中国国内メディアの報道によれば、中国銀行、建設銀行は香港金融市場において、社債の発行を予定していることを明らかにした。
 中国銀行の社債発行金額は50億元(約745億円)以下、建設銀行は70億元(約1043億円)以下とのこと。
 中国銀行は社債の期限を3年間以下とし、額面年率は香港人民元預金利率や、香港証券市場における平均収益率などによって決定される予定。
 業界アナリストは、中国銀行、交通銀行による香港金融市場での社債発行には国内預金準備率の引き上げなどが背景にあると見ている。

中国は、過剰流動性対策として預金準備率を引き上げ続けてきました。しかし、それ以上のスピードで、株式や不動産などの形で固定化されないホットマネーが流入、インフレを促進しています。
しかし、この記事を見る限り、準備率上昇による銀行の負担は増大しており、中国当局が準備率を調整する形で流動性対策を取ることは不可能に近くなってきているということでしょう。


人民銀総裁「反インフレ対策強化の可能性あり」
http://www.people.ne.jp/a/7fc81aa8b6534ff6b179eb3cb0000ed5
 中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)はこのほど米国ニューヨークで「燃料油価格の引き上げによるインフレ局面の激化に備えるため、中央銀行がより強力な政策を制定する可能性がある」と発言した。だが具体的にどのような政策ツールを運用するかは明らかにしなかった。 以下略
 
利上げをした場合、米中間の金利差拡大により金利差を利用したホットマネーが流入することになります。ホットマネーが流入することで一層の過剰流動性を生みインフレを促進する可能性が高い。残念ながら、当局には準備率引き上げと利上げの余地は少なくなっています。

残された手段は通貨切り上げしかありません。しかし、これをした場合、一気に外貨が失われてしまう。これをわかっていてG8や米国ポールソン長官は通貨切り上げ圧力をかけている。

中国はドル上昇に伴う資本逃避に備えるべきだ−銀河証券の左氏
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003011&sid=aBkQF5cSKOWM&refer=jp_asia
 6月23日(ブルームバーグ):収入ベースで中国2位の証券会社、中国銀河証券のチーフエコノミスト、左小蕾氏は23日、ドルが他のアジア通貨に対して反発するなかで中国は人民元を下落させ得る規模の資本逃避に備えるべきだとの見方を示した。
 左氏はブルームバーグ・ニュースに電子メールで送付した記事で、1998年のアジア金融危機で示されたように、新興市場の資本移動はドル相場のトレンドに「密接」に関係していると指摘。ドル上昇に伴いアジア通貨からの資本流出が始まれば、人民元相場は悪化すると政府は想定すべきだとの考えを示した。
 円以外の10のアジア主要通貨のうち、ドルに対し過去2カ月間にフィリピン・ペソ(7%安)など9通貨が下落。人民元は同期間に1.7%上昇した。
 左氏は、投機的な短期資金いわゆるホットマネーをもたらす元高を見込んだ一方向への投資を抑制するため、「実際に管理された変動相場制」を実施することで、政府は比較的公平なレートで人民元を推移させるべきだと指摘。人民元が2005年7月のドル・ペッグ(連動)制廃止後に対ドルで20%上昇したことを受け、「人民元の均衡相場を研究する時期だ」との考えを示した。
 左氏は、大規模な資本逃避を防ぐため、政府は資金移動の管理強化に向けた草案を作るべきだとしている。さらに、投機的資金の「機会費用」増加を狙い、既存のファンドに両替税を課したり、あるいは海外資金がより長期にわたり国内にとどまるよう義務付けることを提案した。

中国第二に証券会社のチーフエコノミストでありながら、自由主義市場の原則がわかっていない様ですね。それは共産主義のような計画経済国以外では成立しません。もし、このような政策を実施したならば中国は国際社会からの批判を受け、今後一切相手にされなくなるでしょう。

中国、外国人による不動産投資の規則を変更へ=香港紙
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS818982220080623
[北京 23日 ロイター] 中国商務省は地方政府に対し、外国人による不動産投資の登録を近く認める見通し。23日付のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が報じた。
 中国はこれまで、不動産投資の過熱抑制を目的に、外国人の不動産投資に関する規則を強化してきた。当局は昨年、外国人投資家に対し、当該地区を管轄する地方政府の承認を得た後、北京の商務省に登録するよう求めた。
 今回の規則変更により、登録義務は北京から地方政府に移る。地方政府は北京に比べて投資誘致に熱心な傾向がある。
 21世紀経済報道は先週にこの規則変更を報じていたが、それによると商務省は「政策の方向性は変わらない。新規則は単に登録先の変更を意味する」としている。
 一方、サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ある市場関係者は「登録先の変更となれば、手続きははるかに容易になる」と指摘。
 地方政府による承認は通常1カ月以内で得られるのに対し、北京の商務省での登録は最大6カ月間かかるため、これまで一部の外国人投資家が投資を控えてきた。

参考記事
GS、「中国の08年不動産価格15%以上下落」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0518&f=business_0518_001.shtml

すでに国内資金では、不動産価格を維持できない状況に陥っているのでしょう。今の中国に投資する奇特な投資家はいるのでしょうか?

中国の備蓄庫は空っぽ 組織ぐるみ横流し
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080623/chn0806232120008-n1.htm

想定内とはいえますが、中国の食糧備蓄大丈夫なのでしょうか?
ある日突然、食糧危機が発生するなんてことはないですよね?

閉じる コメント(2)

顔アイコン

はじめまして。いつも興味深く読ませていただいています。

ここで取り上げられている中国の元切り上げ、食糧危機となるとますます世界的インフレに拍車がかかりそうに思います。ここ数年で蓄積された歪みが開放されたとき、どんな影響が出るのか心配です…。

2008/6/24(火) 午後 7:37 [ alto ]

alto様、通貨切り上げが発生した場合、外貨準備が一挙に失われます。この場合、元に通貨危機が訪れることになるでしょう。(裏付けになるドルを喪失する。)資源輸入にはドルが必要です。
このため、中国は資源の輸入に窮する形となるでしょう。
そして、資源の需給バランスが安定することになりますね。
しかし、中国国内は食料や資源危機が訪れる形になります。
これにより、政情が不安定化する恐れがあるわけですね。
よって、適度のバランスで中国の発展を抑制する必要があるのではないかと考えます。

2008/6/24(火) 午後 8:03 [ 渡邉哲也 ]


.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

検索 検索
渡邉哲也
渡邉哲也
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事