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米シティグループ:傘下SIV7本を自社バランスシートに統合へ(4)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&refer=jp_home&sid=aq_OfJKJXLY8
12月13日(ブルームバーグ):米銀シティグループは、傘下のストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)7本を救済する。同社は13日、SIVの資産と債務を引き取り、自社バランスシートに統合すると発表した。SIVの資産は計490億ドル(約5兆5100億円)。今までで最大規模の銀行によるSIV救済となる。
英銀HSBCホールディングスやドイツのWestLBも、傘下SIVの救済に乗り出している。シティは格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスやスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がSIVの格下げを示唆したことから、救済を決断したとしている。ムーディーズはこの発表を受けて、シティの長期債務格付けを「Aa3」と、従来の「Aa2」から引き下げた。
ムーディーズは3日に、シティのSIV6本のコマーシャルペーパー(CP)や中期証券を含むSIV証券1050億ドル相当の格下げを準備していると発表していた。シティのSIVは優先債務580億ドル、現金130億ドルを持つ。
インスティチューショナル・リスク・アナリティクスのクリストファー・ウェーレン氏は、銀行が「正しいことをしているのは良いことだ」として、「HSBCが模範を示した」と述べた。
SIVは短期証券を発行して資金を調達し、より長期で利回りの高い資産で運用する。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機で短期市場での調達が困難になり、苦境に陥っていた。
11日に就任したばかりのシティのビクラム・パンディット最高経営責任者(CEO)は発表文で、SIVに資金を供給する「さまざまな手段を検討した結果、これがシティとSIVにとって最善だと判断した」と述べている。
資金繰りに行き詰まったSIVが資産を投げ売りし信用市場の混乱を悪化させることを恐れ、ポールソン米財務長官はSIVの資産を買い取る基金「スーパーSIV」の構想を大手米銀と共にまとめたが、SIVを傘下に持つ銀行は基金発足を待たずにそれぞれ救済に動き出した。
ホノルルの金融機関向けソフトウエア・調査会社カマクラのドン・バン・デベンター最高経営責任者(CEO)は、SIVの資産を自社のバランスシートに引き取る方が、SIVの証券を保有している債権者に損失を負わせるよりは良いかもしれないとして、「銀行は結局、SIV救済のコストよりも評判へのダメージの方が大きいと計算したのだろう」と話した。
シティによると、SIVの資産は130億ドルの現金を含め620億ドル。資産は8月時点の870億ドルから減少している。SIVが保有する資産の格付けは、54%が「AAA」、43%が「AA」だという。サブプライム住宅ローンに直接関連した資産はないが、間接的には5100万ドル相当が関連資産だという。
シティによると、SIVをバランスシートに統合することにより自己資本の基本的項目(Tier 1)の比率は9月30日時点の7.32%から0.16ポイント低下する。同社は、2008年4−6月(第2四半期)末までに自社目標である7.5%を回復するとの見通しをあらためて示した。
シティがオフバランスに陥っているSIVを本体に吸収するようです。
SIVの格付け変更で、SIVの発行するABCP(資産担保付CP)の下落が起こります。
結果的にSIVは資金調達が困難になり、SIVのデフォルトリスクが高まり、SIVの発行するABCPを保有する債権者がダメージを受けることになります。
シティはSIVの信用保証をしていますので、結果的に破綻後に債権者に補償することになります。
SIVの破綻や格下げ前にSIVを引き取ることで、SIVの破綻を防止し、発行する債券価格の下落を最低限でとどめる働きをします。
この組み込みは今後の規制の流れからいっても、望ましいことであるでしょう。
過去のトピック参照
http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari/26302923.html
問題は、バランスシートへの組み込みでどの程度の損失となるか?
社債での資金調達が多いシティにとって、格付け変更でその程度の負担増になるかということでしょう。
また、これにより分社化や資本増強が必要という見方も強く、今後の動きに注目が必要でしょう。
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