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日曜日ですから、現在世界で起きている事の基本的な認識に立ち戻ろうと思います。
ヨーロッパ合衆国成立とユーロ台頭について
EUに関しては、新基本条約【リスボン条約】に年内批准が予定されています。
昨年12月13日、EU各国による調印は終わり、来年1月から施行予定です。
国家主権の上にヨーロッパ議会を置き、任期2年半の議長を置くというものです。
http://jpn.cec.eu.int/data/current/europe2007autumn03.pdf
非常に簡単に言えば、国家は州になりヨーロッパ合衆国が出来ます。
このような新たな枠組みが出来ることで、EUの機能は強化されることになります。
これは通貨や経済を考える上で非常に重要な問題であり、現在のユーロの台頭もこの前提の上に成り立っています。
EUによる国家統合をローマ帝国の復興という方もいらっしゃいます。
このような連合国家が出来ることで、国際的にドルの弱体化を容認する動きが生じたともいえます。
本来、通貨というのは物との交換の道具にすぎません。
物=金 VS ドル VS 他国通貨 なわけですね。
もともと、ドルが基軸通貨になった背景にはドルを軸とした擬似的な金本位制があったわけです。(ブレトン・ウッズ体制)
しかし、米国はニクソンショックにより、金との兌換を廃止した。
これにより、ドルは本来の基軸通貨としての役割を終えたといえるでしょう。
しかし、アメリカはドルの基軸通貨制の名残と豊富な国力でこれを維持し続けました。
石油、穀物メジャーなど物を牛耳ることで物との交換価値を維持し続けてきた。
しかし、世界中に新たな資源国が生まれ、石油の支配力も弱体化したことで この力が弱体化しつつあるといえるでしょうね。
資源国の決済通貨のバスケット化、ユーロシフトはこれを象徴する出来事でしょう。
サブプライムローンで危機的状況に陥った金融市場(銀行?)を救う為、
FRBは膨大な額のドルを市場に投入しており、これはまだ継続中 金融自由化により、銀行間の資金の融通が主力になり、公定歩合という銀行への直接貸し出しよりも、金融市場に介入する形で金利を保つ形態に変化していますので、この市場に介入することで金利を低下させることになります。
銀行間金利の上昇を抑える為に、毎日膨大な額のドルが投入され、これが米ドルの希薄化を進めることになりました。
しかし、ドルの希薄化により、将来的なドルの先安感が生まれ、結果的にドル離れを呼び込んでしまった。
この結果、ドル建て債権を買うものがいなくなり、債権価格すら押し下げる結果に、
ドルを回避する資金が資源や他市場に一極集中して流入、資源インフレを促進する結果がもたらされた。
WTIの石油先物の取引量は実際の石油の400倍
投機のお金が資源市場に流れて、実体から乖離した価格を形成してしまっています。
人間が生きるのに必要な、穀物や燃料までをもマネーゲームの対象とし、銀行は救済の為に与えられた資金を利回りの稼げる投機に突っ込んでいる。
これは行きすぎた金融自由化の弊害といえるものでしょうね。
健全な預金者のみを救済して、銀行の強い規制をかけて実体経済に資金が流れる環境を作らない限り、この状況はさらに悪化するといえるでしょう。
サブプライム、モノライン、クレジットクランチなどと難しい言葉が並びますが、
本質は単なる米国の不動産バブルの崩壊なんですよね。
不動産をベースにして、思いっきり膨らませたマネーゲームが手詰まりになったということかと、、
債権化という手法を使い、1しかない物を10にも20にも増やしていたわけで、価値の元になる数字が半分になれば、本来はー0,5で済むところが、結果的にー5、ー10になったということでしょう。
不動産価格が下落する限り、今後も評価損は増える一方ということになりますね。
さて、基準となった不動産価格とて、債権化で膨らました資金のおかげで膨らんでいた訳であり、 買い手の資金も枯渇状態、買い手市場でまともな値段など付くわけがない。
また、何十倍にも膨らんだ資金がどこに流れていたかということになると思います。
流動性資金の流れていた先は、市場規模の小さい新興国市場や資源市場なわけですね。
規模が小さい市場では、少ない資金で株価を吊り上げることができる訳です。
こうして膨れ上がった世界の市場ですが、ついに昨年臨界点を迎えてしまったといえるでしょう。
そして、世界を巻き込みながら完全な負のスパイラルに入ってしまった。
結果的にドルの希薄化は最悪の事態である債権離れまで引き起こしてしまった。
債権の価格が下落すれば、銀行の損失はどんどん拡大してゆきます。
銀行は、一般に小売するまでの間の一時的な債権の引き受け先にもなっています。
民間が買わないことで銀行が債権を買えない状況になり、地方債などオークションレート証券の金利は20%近くまで進むことになり 地方や行政の債権発行にまで影響を与え始めた。
債権価格下落=金利上昇ですから、企業や個人の借り入れが困難になると同時に、金利上昇でデフォルトリスクが急激に高まります。
また、銀行は膨大な債権を保有していますから、膨大な手持債権の評価損を招くことになります。これは銀行の業績を悪化させ破綻への階段を上らせる結果に、
銀行は財務状況を健全化するために、貸しはがしや貸し渋りを進めるでしょう。
この結果、企業の倒産が多発して、結果的に膨大な失業者を生み出し、ローンのデフォルトを促進させてしまいます。
複数の要因が絡み合い完全な負の連鎖が始まっている状況であるといえるでしょう。
FRBは更なる追加利下げを示唆していますが、これはドルの凋落を後押しするだけであり、根本的な解決にはつながらないのではないでしょうか?
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