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サブプライム、モノライン問題についての再考

The start of the great unwinding Published: January 25 2008 19:11
(FT社説)大いなる巻き戻しの始まり (記事紹介及び翻訳 ID:ZGXPvbB1様)
http://www.ft.com/cms/s/0/02f4b5b8-cb78-11dc-97ff-000077b07658.html
我々の今見ているものはハイパーファイナンスである。今週の5日間に株式市場は暴落し そして回復した。FRBは金利を3.5%に下げた。モノラインと呼ばれる債券保証機関がその企業規模や資本の小さなことにも関わらず金融の世界で大きな価値を左右することを証明した。
ソシエテ・ジェネラルでは一人のトレーダーが僅かの期間に大手銀行を危うくさせることが出来ることを示した。

 アメリカが2008年か2009年に景気後退に陥るならば、それは産業活動の減衰の為ではなくて、あるいは石油価格高騰のためでもなくて金融システムに端を発した景気後退である。
一般大衆は起こっている事態に混乱させられ、金融システムが日常生活に悪影響を与えることの計り知れなさに恐怖を感じる。銀行員やトレーダーでさえ彼らのビジネスの混乱に巻き込まれ、金融システムが如何に巨大になったのかに畏敬の念を感じる。

 基本的な事項が問われるべきで、それは(1)金融システムは機能不全で堕落しており、それ故に改革が必要であるのか、それとも(2)金融システムは健全であるが、異常な圧力の下にあり、それはマネタリな刺激策などであるとして、そうした状況の中で対応を誤ったのであるのか、どちらなのだろう?この質問への解答が我々の高度に自由化された金融市場の将来のあり方に関与する。

 解答(1)は2001-2002年のグリーンスパンFRBがドットコムバブル破裂に対応する為に金利を1%という低い値にしてデフレーションに陥ることを避けた事から、それが資産バブルの発生の原因であり、住宅市場のブームを呼び、今までそれが適用され得なかったサブプライム層への突然のローンの提供が行なわれて問題が摘み上がったとする。

 これと同時期に1997年のアジア金融危機の結果中国などの国が通貨を米ドルにペッグし、それをアンダーバリューのまま長期間維持した。中国などは通貨を低く維持するために財務省債券を購入し安価なクレディットがその需要にマッチした。

 この見方の最後の部分は金融流動性の過剰が溢れ、それと共に金融工学の応用からの過剰な商品の発明流通、つまりCDO、ABS、CDSなどが金融機関の適切な評価管理の能力を超えて急速に広まったとする。ソシエテ・ジェネラル事件でさえ数年前には考えられなかった規模なのだが、今日の先物市場の大きさや電子取引の匿名性のお陰で、それを数日で実現できる。

 この(1)の説明は金融市場について理解が不十分で、市場は作用を受ける側のもので作用を自ら主演するものではない。そこで説明(2)では市場の失敗(欠陥)が今日の混乱の中心にあるとする。 
 説明(2)の分析の中核部分は今日のハイパーファイナンスが余りに複雑化しすぎていることに問題が有るとする。その昔、銀行というのは預金者から預かったお金を顧客に融資するものであった。今ではマネーマーケット・ファンドは担保付債券をブローカーから各種径路で買う。それは銀行がローンを証券化したものである。
このシステムのアドバンテージは誰もが如何なる借り手にも知られることがない、というものである。
ディスアドバンテージはどの段階でも売り手は不良債権を買い手に押し付けようというインセンティブが働くことである。
 ハイパーファイナンスの複雑性は、その一部分が壊れた場合に被害が全体に及びかねないという危険をもたらす。モノラインはその典型である。彼らの資本総額は小さなものだが、つまり株価総額で数百億ドル程度だが、その保証する債券は数千億ドルの規模であり、彼らの破綻は世界中の殆ど全ての銀行と保険会社に損害を与える。そのリスクの高さとモノラインの規模の小ささから、民間での協調救済の努力が続けられている。

 別の種類の問題は銀行の株主と銀行員の利害対立である。ソシエテ・ジェネラルに見られるように銀行員は大きな利益を上げるなら高いボーナスを得られる。銀行員が損失を出すのであれば解雇される。ここにあるインセンティブは見習い行員から頭取までを含めて利益を高めることを求めてより大きなリスクをとることである。

 この(2)の説明が正しいのであれば金融規制が失敗している、と言う事になる。規制のあり方が見直されるべきで金融システムに内在する利害対立や矛盾を解消するべくルールを変えるべきである。しかしルール改正の前に、ともかくも規制当局は金融市場がどの程度にどういう具合に自らの失敗をして、どの程度に外部からの刺激による失敗があったのかを明確にする必要がある。

 この数年間の金融市場のヤリスギの後で、大いなるまき戻しが始まる。それは必要で良いことである。しかし、その究極の目標がより良い、より大きな市場であるのであれば銀行始め金融機関は彼らが信頼に足るものであることを示すべく行動する必要がある。そして社会の得るハイパーファイナンスからの利益が少なくとも金融機関と同じようであることを示す必要がある。

非常に面白い記事でしたので、全文転載させていただきました。ここからは私の雑感です。

サブプライム問題、モノライン問題 どちらも本質には過剰融資の問題が存在する訳ですね。
また、このような過剰融資を可能にしたのには格付けの問題が根底にあります。
企業や債権などの格付けへの信頼がこのような債権化手法やそれを前提とした派生取引を可能にしました。

格付けや金融機関、そして発行する債券信頼が壊れたことが、現在の信用収縮を生んだといってよいでしょう。

融資のリスクを誰が取るか? 従来は融資者である銀行が審査して自らリスクをとってきた。
債権化によりリスクは債権の保有者が取る形に変貌を遂げ、そのリスク係数を量るのに格付けが利用された。
債権の買い手は格付けを信用して、それを前提に市場での売買が行われてきた。
しかし、この信頼関係が壊れリスクの取り手(買い手)がいなくなり、市場原理により債券価格が暴落

負のスパイラルに入り込み、信用や価格の下落が格付け低下を招きそれが債券価格をさらに下落させる。

ひとつの企業や債権の格付け低下が、その保有者である企業の格付けに影響を与え、、繰り返し繰り返し

連鎖を断ち切るのはどうすべきであり、どうすれば今の金融市場を安定させることができるか?

これはG7など国際機関で、世界的に考えなくてはいけないことなのかもしれませんね。

10月のG7声明にあるように、債権化や金融自由化そのものは市場の発展や拡大に大きな役割を果たしてきました。
しかし、金融の複雑化、不透明化、ヘッジファンドのような金融工学を駆使した高リバレッジ資金(FXの証拠金取引のように高い倍率で運用しているお金)の増大が市場を不安定にしてしまっているのも確かでしょう。

現在の世界市場は高リバレッジ資金が大量に入り込み、実際の市場規模よりも何倍も大きくなってしまった。そして、それが世界的なバブルを呼び込み、市場全体と実体経済を非常に不安定なものにしています。
高リバレッジ資金とはあくまでも架空資金であり、その本質は非常に小さなものであります。
現在の状態は、世界的な信用取引の失敗といっても良いかもしれませんね。

これをどう押さえ込み、実体経済に刷り合わせた形の安定した市場構築をしてゆくのかが当面の課題でしょう。

さて、目の前にある現実の問題に視点を戻します。
モノラインの被害はどの程度になるのか?そして今後どうなるのか?どうすべきなのか?

モノライン格下げで銀行は最大1430億ドルの増資迫られる可能性=バークレイズ
ttp://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnJT809338620080125

アムバック保険部門財務格付け、「AAA」から2段階下げ−フィッチ(2)
ttp://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=atD2unAhZ1Sc
ブルームバーグの試算でも最大2000億ドルとされています。

ポジョントークや賛否両論あるにせよ、金融の第一線にいるぐっちーさんによるとモノライン問題などたいした問題ではないといっている。
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/e5d3f96677852dd0fddd9367516e7fdf

Walk in the Spirit様 によるとゴールドマンサックスのレベル3債権の評価に疑問があるという。
http://plaza.rakuten.co.jp/555yj/diary/200801190000/

なんども述べていますが、昨年11月よりルール157というものが金融機関の会計に適用されました。
ルール157について
http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari/26302923.html

問題となるのは、レベル3債権(自己評価)の取り扱いについてであると思われます。
レベル3債権(自己評価)が多ければ多いほど財務的に不透明であるとされています。

これをABX指数などを用いて評価した場合、レベル2債権(客観評価)に組み込むことができます。
しかし、現在ABXなどの指数は暴落しており、これを使用した場合膨大な評価損が生まれることになります。

逆に、レベル3(自己評価)のまま温存した場合、このような評価損を計上する必要はありません。
金融監督機関、格付け機関が、レベル3債権の保持を容認する限り何の問題も生じない。

また、指数を用いた評価が本来の債権評価であるか誰もわからない。
売らないで債権を保有し続け、償還期に無事償還を迎えることができれば100%の評価が残る。
もし、途中でデフォルトしたならば、債権の評価は0ということになるのでしょう。

CDOなどの合成債権(非常の多くの債権を組み合わせたもの)の場合、デフォルトリスクを読み取るのは不可能に近い。

そして、債権がデフォルトした場合のみ、モノラインの実損失が生まれるのであり、評価損段階では実際の損失が生まれるわけではない。このように考えれば近い将来のモノラインの破綻はないとも考えられますね。

考えれば考えるほど、訳がわからなくなります。
やはり混乱を抑えるためには、債権評価に対する透明性のある国際的な統一基準が必要なものでしょう。

これがない限り、金融セクター別の損失額をはかることも、数値的な将来予測もできないのかもしれません。

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