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米財務長官:銀行は政府からの新規資本活用を、数千行に注入と予想
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aBxBxbZuLIv4
10月14日(ブルームバーグ):ポールソン米財務長官は14日、政府からの2500 億ドル(約25兆6800億円)の資本注入に応じる銀行に対し、信用市場の凍結状態を解消するため、新規資本を早急に顧客に供給するよう求めた。
同長官はワシントンでの記者会見で「企業や個人の資金調達手段を断つことは絶対に認められない」と言明した。金融システムへの信頼感が危機的状況に陥り、株価が前週、暴落したことを背景に、ポールソン長官は緊急の救済策に乗り出した。また、金融機関がこの新たな資金を退蔵するのではなく、分散して活用すべきだと主張した。
金融危機で銀行の現金保有姿勢が強まり、短期金利が過去最高水準に急上昇したため、ポールソン長官は銀行から不良資産を買い取る当初の計画から方針の転換を迫られた。1年2カ月に及ぶ信用危機を食い止めるため、当局は銀行の新たな債務を保証し、27日からコマーシャルペーパー(CP)の買い取りを始める方針も発表した。
資本注入は当初9行から始まる。銀行名は公表されていないが、救済策に詳しい複数の関係者によると、総額の半分に相当する1250億ドルが数日以内に注入される。内訳はシティグループ、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースのほか、統合されたバンク・オブ・アメリカ(BOA)/メリルリンチの各行が250億ドルを受け取り、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループはそれぞれ100億ドルを取得する。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは約30億ドル、ステート・ストリートは20億ドル受け取ることを明らかにした。
健全な金融機関
ポールソン長官は「これらは健全な金融機関である。米経済の利益のために今回の措置をとった」と述べた。ブッシュ米大統領の金融市場作業部会も声明を発表し、「これらの金融機関はほかの数千の機関とともに、極めて重要な融資機能を高めるだろう」と指摘した。
ブッシュ大統領はホワイトハウスで記者会見し、「米金融システムの実効性を確保するためには、これは必要不可欠な短期的措置だ」と述べた。
金融機関の救済策により、信用危機が緩和するとの見方から世界的に株式相場が急騰。S&P500種株価指数は13日に11.6%上昇し、この日も一時は4.1%高となった。前週は18%下げていた。
3日に議会を通過した金融安定化法で認められている7000億ドルの資金のうち、ポールソン長官は株式購入に3分の1以上を使用する。
報酬規制
資本注入を受ける銀行は幹部の報酬や、いわゆるゴールデンパラシュート(被買収企業の役員が辞任に際して受け取る割り増し退職金)制度の制限を受け入れる必要がある。また、財務省に優先株の15%に相当するワラント(株式購入権)を差し出す必要もある。行使価格は発行時の株価によって決定される。
財務省によると、優先株には当初5年間に5%、それ以降は9%の配当が支払われる。購入価格は取引時の普通株の水準が適用され、銀行は3年後に額面で買い戻すことができる。
米政府は数日以内に9行から株式を取得し、年末までに2500億ドル全額を使用する。財務省関係者が匿名を条件に記者団に明らかにした。銀行は減配を強いられることはないが、増配に関しては一部規制を受けるという。
米連邦預金保険公社(FDIC)は14日、新たに発行される優先無担保債を一時的に保証し、銀行の無利子預金を完全に保護すると発表した。
ポールソン長官は「資本注入を受ける金融機関は抵当物件の差し押さえ抑制に向け、一段と努力する必要がある」と指摘。「米経済にとって必要なのは金融機関がこの新たな資金を退蔵するのではなく、分散して活用することだ」と主張した。
米国地域銀行協会(ICBA)の代表、カムデン・ファイン氏は、全米にある資産100億ドル未満の7000行のうち約100行あるいはそれ以下が資本注入計画に応じる可能性があるとの見方を示した。
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