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以前から何度も取り上げてきたARSの動きがあわただしくなってきました。
米ARS市場:入札不成立の割合が約71%に上昇、一段と悪化か
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aZxmWmq9MZl0&refer=jp_top_world_news
3月28日(ブルームバーグ):米国の入札方式証券(ARS)市場で、入札の不成立の割合が今週、約71%となり、先週の69%から上昇した。ダラス・フォートワース国際空港(DFW)などARSで資金を調達している発行体は、金利上昇に伴う利払い負担増を避けるため、債務の借り換えを余儀なくされている。
ブルームバーグが28日までにまとめたもので、学生ローンの貸し手やクローズドエンド型の投資信託などもARSを通じ資金を調達しているが、十分な買い手が集まらず入札が不成立となるケースが相次いでいる。ARSは一般的に金融機関が仕切る入札を通じ、7、28、35日ごとに金利が調整される。
DFWの財政担当バイスプレジデント、マイケル・フェミスター氏は、「ARS市場は悪化し続けている。債務の見直しが適切だと感じた」と述べた。
DFWはARS、3億3700万ドル(約336億円)分を最高6.25%の固定金利の新たな債務に転換。同氏によれば、1つの発行体が投資適格級の格付けを失ったことから、ARSの金利は一部でさらに上昇する見込み。
ARSの評価額引き下げ スイスのUBS
http://www.gci-klug.jp/fxnews/08/03/29/arsubs.php
ダウ・ジョーンズ通信は28日、事情に詳しい筋の話として、スイスのUBSが顧客勘定にあるオークション・レート証券(ARS)の評価額を引き下げたと報じた。
UBSはこれまでARSが入札で売却できなくても評価額を変えず顧客に高い金利を払っていた。しかし方針を変更し、顧客に通告した。中には20%以上評価額が下がるケースもあるという。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、ARSの市場規模は3000億ドル強。
UPDATE1: ARS販売めぐり米メリル・リンチとモルガン・スタンレー提訴
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK812992020080326
[ニューヨーク 25日 ロイター] オークション・レート証券(ARS)販売をめぐり、投資家に十分な情報開示をしていなかったなどとして、メリル・リンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)とモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)の2社に対して損害賠償などを求める訴訟が起こされた。
それぞれ個別にマンハッタン連邦地裁に提訴されたもので、集団訴訟の形式をとるよう求めている。
ARSは長期変動金利債で、金利は定期的に実施される入札で決まる。これまで換金しやすい安全な債券として投資銀行などが売ってきたが、入札不調が続き、最近では売却が困難になっている。
訴状は、両投資銀行がARSの価値を人為的に支えた結果、流動性がなくなったほか、ARS投資のリスクを正確に開示しなかったなどと主張。
投資家のゲーリー・ミラー氏は訴状の中で「モルガンは(オークション・レート証券を)マネー・マーケット・ファンド(MMF)に代わる投資先として、流動性の高い商品を必要としている投資家に販売し、実質的情報の開示を完全に怠った」と指摘した。
これに対し、モルガンは声明で「ARSの問題は業界全体のもので、広範なクレジット市場状況の結果によるもの。ARS市場は最近問題が発生するまで20年以上大きな支障もなく存続してきた」と述べ、申し立てを否定した。
メリルも申し立てを退けている。同社は声明で「現在ARS市場は流動性がないため、多くのARS入札は不調に終わっている。しかし、そのどれもはデフォルトしておらず、顧客はARSの利払いを受けている。顧客が我々からARSを購入すれば、ARSに関する情報などを提供している」と述べた。
米シティグループ、オークション・レート証券めぐり提訴される
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-31046120080328
安全な債権として販売されてきたARSが危機的状況にあるということですね。
また、ARSは主に地方債などに用いられてきた為、地方自治体の財務状況を急激に悪化させる恐れが高い。場合によっては地方自治体のデフォルトを誘発させる。
米カリフォルニア州、公的機関によるARS買い戻しを容認
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK813223220080327
[サンフランシスコ 26日 ロイター] 米カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は26日、同州の公的機関による変動金利債券の買い戻しを容認する法案に署名した。
同州の財務担当官はこの法案について「公的機関がこれらの債券を買い戻し、市況が落ち着いた頃に再び販売することを認めることで、納税者を一段の金融危機から守るもの」と説明。
財務担当官の広報担当者によると、病院や公益事業、住宅当局、都市や郡、カリフォルニア州といった様々な公的機関による、278億ドルのオークション・レート証券(ARS)および397億ドルの変動金利要求証券(VRDN)の買い戻しを容認する。
余力のある発行主体は買戻しや固定金利型債権への切り替えで対応できますが、脆弱な発行主体はこれをすることも出来ず、デフォルトリスクが高まる一方となる。
これは地方自治体などの破綻を意味し、金融危機への対応や公共事業を通じての地方経済の維持を困難にする。
従来、ARSは投資銀行などが一旦引き受け、それを顧客に販売してきました。
モノライン問題から、地方債への不信が高まり投資銀行はそれを売り切れなくなりました。
その為、ARSの買い支えを出来なくなりこれがARSの発行条件悪化につながった。
金融セクターや債権型ファンドなどもこれを多く保有しており、更なる決算の悪化を呼び込む可能性が高いといえるでしょう。
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